辺野古埋め立て「承認取り消し」の効力停止や代執行・工事開始に断固抗議する(書記長談話)
辺野古埋め立て「承認取り消し」の効力停止や代執行・工事開始に断固抗議する
日本自治体労働組合総連合
書記長 中川 悟
政府は10月27日、翁長沖縄県知事が10月13日に行った「辺野古沖埋め立て承認取り消し」の効力停止を決めた。加えて同日、政府は地方自治法に基づく代執行手続きに入ることを決定し、28日、知事の取消処分を是正するよう求める勧告をおこなった。また、沖縄防衛局は、これらの措置を受けて、29日に沖縄県民の強い批判があるにもかかわらず、辺野古の新基地建設の本体工事に着手した。
そもそも行政不服審査法は、行政処分を受けた国民を救済するための制度であり、国がこの制度を使って、国の機関に訴えることなど想定されていない。沖縄防衛局が、14日に「私人」と偽って行政不服審査法に基づき、新基地建設に必要な埋め立て承認取消の効力停止の申し立てをおこなったことは、政府が「右手で申請書を提出し、左手で申請書を受け取る」行為に他ならない。
政府は、「承認取り消しによって移設事業継続が不可能となり、普天間飛行場の周辺住民が被る危険性が継続するなど重大な損害が生じるため、これを避ける緊急の必要性がある」とし、菅官房長官は「普天間飛行場の危険性除去が困難になり、外交・防衛上、著しく公益を害する」と発言している。しかし、「世界一危険」といわれた普天間基地の返還が決まってから19年にわたって「危険」を放置してきたのは歴代の自民党政権であり、2013年に普天間基地の「5年以内の運用停止」を打ち上げた安倍政権の下でも事態はまったく変わっていない。こうした状況は、政府に不服審査請求の審査期間さえも待てない「緊急性」などどこにも存在しない。
さらに政府は26日、新基地建設で辺野古の三区に、地域振興の補助金を直接交付する新たな枠組みを創設するとした。県や市などを飛び越えて、政府が補助金を交付しようというのは、地方自治制度の根幹を壊す行為である。
翁長知事は、「承認取り消しの効力停止は断じて容認できない、新基地は造らせない」とコメントし、沖縄県民の総意を持って、あらゆる手段を使って辺野古新基地建設をやめさせる立場を貫いている。自治労連は、地方自治無視、民主主義と沖縄県民の総意を蹂躙する安倍政権の暴走に渾身の怒りを持って強く抗議するとともに、沖縄県民に連帯し、民主主義と地方自治を守るたたかいとして普天間基地即時撤去、新基地建設中止を求めるたたかいをいっそう強化していく。
以上