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意見書「地方公務員の政治的行為に刑事罰を科すことは許されない」

2005年5月

 自民党は、大阪市のいわゆる職員厚遇問題などを口実に、地方公務員や公立学校教員の政治的行為を制限する目的で、新たに国家公務員なみの懲役刑を含めた罰則規定を設けるため、地方公務員法など関連7法案(「地方公務員の政治的中立性の確保のための地方公務員法等の一部を改正する法律案」)を作成し、今国会に提出しようとしています。

 そもそも、国家公務員の政治的行為に対する過剰な規制は、公正な国際労働基準であるILO151号条約、自由権規約等に違反するばかりか、今日の国際社会における主要な立法動向にも逆行するきわめて特異な法規制となっています。

 全国の自治体に働く300万人もの多くの地方公務員の市民生活の場における市民的・政治的自由に基づく政治的行為を全面的・包括的に禁止し、刑事罰の対象にしようとする動きに対し、地方公務員法を国家公務員法とおなじ政治的行為の規制にするのではなく、むしろ国家公務員法の最大の問題点を検討することによって、国家公務員の政治的行為の包括的・網羅的な禁止規制の撤廃を検討すべきことを明らかにしようとするものです。

意見書「地方公務員の政治的行為に刑事罰を科すことは許されない」