「第39回自治体労働者平和のつどいin広島」開催
―核兵器のない世界、原発ゼロ、住民のいのちとくらしを守る自治体を―
原水爆禁止世界大会第2日目の8月5日、自治労連の独自企画として「第39回自治体労働者平和のつどいin広島」が広島市社会福祉センターにて開催されました。
まず、主催者を代表して猿橋均委員長が開会の挨拶をし、「核兵器の非人道性は国際的世論となったが、これは粘り強いわれわれの運動の成果です。参議院選挙の結果をうけ、安倍政権は『戦争する国づくり』をさらに押し進めようとする危険な内閣を発足させました。自治労連は憲法と地方自治をいかし平和と住民生活を守るということをベースにしてさまざまな運動を取り組んできましたが、平和のとりくみ・核兵器廃絶の取り組みは、それぞれの地域でさまざまな進め方があります。本日は全国各地の交流を深め、平和の取り組み・戦争する国づくりを阻止する運動をさらに深める場としていただきたい」と呼びかけました。
次に、現地歓迎挨拶を行った広島自治労連大畠順一委員長は冒頭、広島土砂災害時における全国の自治労連の仲間からの協力に感謝の意を表しました。そして「被爆から71年が経過し被爆体験の継承が非常に大切になっている」と、被ばく者である父の壮絶な被爆体験を参加者に語り、「核兵器保有国の代弁者となっている日本国政府の態度を改めさせることが私たちの運動の特別な役割。自治体労働者として、被爆者国際署名の運動におおせいに取り組み、安保法制廃止の取り組みと連動させ、平和憲法を守る運動につなげていきましょう」と訴えました。
今回のつどいの開催にあたっては、広島市長・長崎市長からメッセージが寄せられ、司会の長崎自治労連里正義委員長から紹介されました。
「核兵器のない世界をめざして」というタイトルで、広島県原水爆被害者団体協議会理事長で被爆者の佐久間邦彦さんが記念講演を行い、自らの被爆体験を話してくださいました。そして、「原爆症で苦しんでいる人はいまでもたくさんいます。自治体で働くみなさんには、被爆者や被爆2世・3世の相談にのっていただきたい。被爆者は自分たちが味わった苦しみを2度と繰り返してはならないと今回の署名にとりくんでいます。核兵器廃絶に向け一緒に取り組んでいきましょう」と訴えました。
特別報告を3人の方が行い、まず、青年部から、6月に青年部が開催した「自治体ではたらく青年のつどい」についての報告が行われました。そして、全国の自治労連青年部の仲間から1年間かけて集められた「平和メッセージ」が、広島自治労連の青年に手渡されました。
広島市職員労働組合からは中国ブロック現業評での平和のとりくみ活動が報告されました。そして「市民の暮らしを守る自治体労働者として憲法9条の本質である反戦・平和を貫くため、引き続き平和学習にとりくんでいく」決意が述べられました。
室戸市職員労働組合からは、「太平洋ビキニ環礁での水爆実験と漁船員の被ばくによる国家賠償請求が行われるまでの道のり~室戸市における乗組員の追跡調査~」と題し、室戸市職員労働組合が自治研活動の一環として行った、被災乗組員の健康追跡調査から「ビキニ被災室戸の会」発足までの取り組みが報告されました。
行動提起として自治労連福島副委員長から、「戦争する国づくり」を許さない闘いと結合して核廃絶世論を職場・地域からひろげていくことが行動提起されました。具体的には、「日本国憲法を仕事・暮らしなどの角度から改めて語り、学ぶ」「すべての自治体を視野に憲法キャラバンを行う」「被爆者署名を1組合員5筆を目標に取り組む」「原爆展の開催や被爆者の話を聞くなど被爆の実相を伝える(自治体との共催含め)」という4点が提起されました。
最後に、静岡自治労連副委員長から「自治体で働く者は住民の幸せのために働いています。みんなが幸せになるために平和活動に取り組みましょう」と閉会のあいさつが行われ、集会は終了しました。
訴える核兵器廃絶国際署名」開始!
71年前長崎に原爆が投下された8月9日、自治労連本部は巣鴨駅頭にて18時から9の日宣伝を行いました。
福島副委員長・松繁副委員長・関口書記次長・清水中執・仲村書記・武下書記が弁士として「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」と「2000万署名」への協力を訴えました。「被爆者の方々は、ご高齢となる中、70年たっても未だ被爆の後遺症に苦しみ、政府による補償も進まない状況に置かれています。今、世界中のたくさんの国々で、いのちや人権・平和を守り、核兵器のない世界を実現するためにさまざまな行動が行われています。日本では、世界に核廃絶を訴えてきたことでノーベル平和賞候補者となった谷口稜暉(すみてる)さんやサーロー・セツコさんをはじめとした9人の被爆者が世界に呼びかけた『ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名』運動が始まりました。平均年齢がすでに80歳を超えている被爆者の『後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい』という切なる願いへの賛同を求める署名です。ぜひ署名にご協力いただきますようお願いします」と訴えると、通行中の方々が「がんばってね」と言いながら署名をしてくれました。