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機関紙『自治体の仲間』2016年 12月号 Vol.517 広がれ全国に つながれ保育労働者

広がれ全国に つながれ保育労働者

201612-01-01

▲全国の保育労働者が集い、元気に歌って、そして要求を出し合った11.3保育大集会

自治労連も参加する「よりよい保育を!実行委員会」で毎年開催している「政府・国会要請行動」と「保育大集会」が今年も開催されました。保育大集会には3500人が参加しました。オープニングでは保育労働者による歌や踊りで会場を沸かせました。参加者は全国の教訓や今後の運動について意思統一し、集会後は東京・銀座パレードを行いました。

集会には若手保育労働者の参加も多く、各地でのとりくみが世代や地域を越えたつながりへと広がっています。

201612-01-02

▲プラカードを掲げて元気にパレード

「保育料下げろ」「保育士増やせ」

11.3保育大集会に3500人

安倍政権により昨年4月から実施された「子ども子育て支援新制度」のもとで、保育基準や現場の負担増など問題が噴出しています。保育制度の充実を求め、保育大集会がとりくまれました。

集会では、現場・保護者からの実態報告や経験交流で、子育て世代の立場から「保育料が負担になっています。仕事で残業せざるを得ない場合も、延長保育料がかかる。働くほどお金が減ってしまう状況に退職を決断しました。安心して親が働ける、その受け皿として保育園の整備が求められます」(東京在住の子育て中の女性)と訴え、また保育現場から「保育士不足と同時に保育時間の長い子どもたちが増えてきています。少ない体制では子どもたちには良くありません。また手取り15万円では本当に生活が苦しい。安心して生活できる賃金がほしい」(埼玉の民間保育士)と訴えがありました。集会後は、銀座パレードをとりくみ「保育料下げろ」「保育士増やせ」と道行く人々にアピールしました。

世代や地域を越えて つながりが活動の力

現在、広がりつつある若手保育労働者のネットワーク「S-HAMPnet(シャンプーネット)」。このネットワークのはじまりは埼玉・所沢市職労と愛知・名古屋市職労の若手組合員が保育のとりくみを通じて、知り合ったことから始まっています。そのつながりが各地に広がりはじめ、現在ではシャンプーネットのLINEに100人以上が参加しています。

11.3保育大集会・銀座パレード終了後、自治労連保育・学童保育闘争推進意思統一集会で、若手保育労働者のつながりが広がっていることについて、シャンプーネットにとりくんでいる自治労連さいたま市職・武藤栄治さんは「次世代育成が重要だと言われています。次世代育成において大切だと思うのは『やりたい』と思う主体性とそれが発揮できる場で、そのきっかけを作っている場がシャンプーネットだと思います。保育から生まれたこの熱が地域・職種を越えてつながりがもっと広がれば、とても大きな力になると思います」と元気に語りました。

第25回自治体保育労働者 全国集会 in ながの [ぜひご参加を]

2017年2月18~19日

現地実行委員会の事務局次長・寺沢さんは「全国の仲間の力になるよう長野の仲間が力いっぱい準備しています。集会オープニングでは若手で作った『ヤング・ろくもんズ』によるパフォーマンスも行います。学んだことを持ち帰って、一緒にがんばりましょう」と話します。


すべての労働者の要求を実現させよう

全国の単組が確定闘争で大奮闘 この力を17国民春闘へ
201612-02-01

▲[11.9中央行動] 11月9日、全労連・国民春闘共闘は秋季年末闘争勝利にむけ11・9中央行動を実施し、全体で1700人が結集しました。自治労連も全国から214人の仲間が参加。総務省前行動、総決起集会、国会請願デモ、国会議員要請行動を行いました。

自治労連に結集する多くの単組が、すべての労働者の賃上げをはじめ労働条件改善に向け、確定闘争で大奮闘しています。各単組や地方組織での秋季年末闘争の学習会は、これまでにない回数を数えるなど、学びを力にたたかわれ、賃金・人員・休暇・非正規要求など、さまざまな職場要求を前進させています。こうした成果は、引き続きたたかわれる仲間への励ましになるとともに、17春闘に向けた大きな弾みになります。全国の自治労連の力を結集して、すべての労働者の賃金引き上げ・職場改善に向けて奮闘しましょう。

国追随を許さない 賃金の改善へ

3年連続の人事院プラス勧告を実現させたものの、各地方人事委員会では「改定なし」やあっても低額など、生活改善にはほど遠い内容です。そのうえ、総務省からは「国に追随せよ」といった不当な介入があるなど、大変厳しい情勢のもとで確定闘争がたたかわれています。

そんななか愛媛では、今治市職労の交渉で「国人勧準拠では公民較差が埋まらない」といった当局回答や、東温市でも県人勧にもとづいた給料表改定の実施など、国への追随を許さない回答を引き出しています。

また千葉県では給料表の改定だけでは公民較差が解消せず、子の扶養手当の500円引き上げが勧告されましたが、多くの単組が具体化を勝ち取っています。

岡山市職労ではさまざまな改悪提案を跳ね返し、初任給を来年度から1600円引き上げさせるなど、人勧を上回る成果を勝ち取っています。

201612-02-02

▲職場からの要求を積み上げて、当局を追及する愛媛・松山市職労の交渉

配偶者の扶養手当削減反対、初任給の改善を

人事院が勧告し、地方への押し付けがねらわれている、配偶者の扶養手当削減を押し返すたたかいも全国で展開され、削減の見送りや回答自体に触れさせないなど、全国のたたかいと結び付けて奮闘しています。

また、民間と比べて低額な初任給をはじめ若年層での賃金引き上げでも奮闘しています。

岩手・釜石市職労では県勧告における初任給・若年層での「1500円引き上げ」に対して「大学卒で8747円、高校卒で4758円」と実際の民間初任給との比較を示すなど、多くの単組で初任給改善などの具体化に向けて奮闘しています。

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▲当局に全組合員待機集会で迫った大阪・岸和田市職労

深刻な職場環境の改善に向けた要求前進

慢性的な人員不足と、異常な長時間労働や休暇の取得をはじめとした権利行使の困難など、職場環境の改善にむけた要求も多くの単組で前進を勝ち取っています。

静岡・浜松市職では、14日間の妊娠障害休暇を新設、京都市職労での育児休業に対する正規職員代替の具体的な改善、岡山市職労では、育児時間や家族の看護休暇の対象拡大など両立支援にかかわる諸制度を大きく前進させました。

また、「県はブラック企業か?」の見出しで報道された滋賀県職では賃金改善とともに職場の人員増の実現にむけてたたかわれ、愛媛・今治市職でも、超勤縮減に向けた具体的な回答を引き出しています。

201612-02-04

▲団結を力に改悪提案をはね返した岡山市職労の最終交渉

非正規要求の前進ですべての労働者の生活改善を

自治労連に結集する多くの単組では、確定闘争でも非正規労働者の賃金をはじめとした要求実現に向けて奮闘し、成果が勝ち取られています。

大阪・衛都連に結集する多くの単組では、人勧にもとづく賃上げの回答を引き出し、各単組で非正規職員のインフルエンザの有給休暇制度の創設、通勤補助の上限2万1000円に引き上げ、嘱託員の月例給3000円引き上げ、職種別での時間額の引き上げ、経験加算給や退職金支給などが今後研究・検討されるなど、多くの成果を勝ち取りました。

また、福岡・北九州市職労では、人事委員会勧告にもとづく改定分に加え臨時職員の賃金改定(1.47%)と休暇制度の改善を実現しました。

多くの単組で、非正規労働者の要求に対する前向きな回答を確定闘争で引き出し、引き続くたたかいのなかで具体化が図られます。引き続く全国のたたかいを交流し、すべての労働者の賃金・労働条件の改善に向けてさらに奮闘しましょう。

確定闘争で築いた到達を17国民春闘につなげよう

全国で公務・民間の共同によるたたかいを展開してきたことによって、低額ではあるものの3年連続の賃上げのサイクルを実現させてきました。

この流れを止めず、さらに大きな成果にしていくためにも17国民春闘で、公務民間が力を合わせて、文字通りの国民春闘を構築していくことが求められます。そして、そうしたとりくみが、引き続いて確定闘争をたたかう単組にも大きな力になります。

自治労連は、12月1~2日に2017国民春闘討論集会を開催し、「憲法改悪阻止!すべての労働者の賃上げと、安心して働き・住み続けられる職場と地域」をめざす春闘方針の議論を皮切りに2017国民春闘をスタートさせます。

すべての単組が要求書を提出し、すべての組合員が参加する17国民春闘を展開しましょう。

201612-02-05

▲要求実現に向けて職場の思いをぶつけた千葉・鋸南町での交渉
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▲パネルを示して職場の実態を訴える京都市職労の交渉


11.5 子どもたち、若者を戦場に送るな! 子どもと教育を守る大集会

共同の力で跳ね返そう教育・自治体への介入

子ども・教育を守る教職員に連帯
201612-03-01

▲「教育の自由を守れ」のプラカードを掲げて集会アピール

政府や自民党などが、教科書問題や教職員の政治的自由に対して、不当に介入する事件が起きています。教育の自由を守る国民運動の出発点として、全教、教組共闘連絡会、子どもの権利・教育・文化全国連絡センターが主催する「子どもと教育を守る11・5大集会」が東京・日比谷野外音楽堂で開催され、全国から1800人が参加しました。また、広く「言論・表現の自由」を守る連携・共同をすすめるために、自治労連も共催団体として参加しました。

集会の特別報告に立った自治労連中川悟書記長は「安倍政権のもとで、自治体が市民や職員の政権批判に極度に敏感となり、原発や憲法の市民集会の後援を『政治的中立への配慮』などの理由で断る事件が相次いでいる。教育への介入、自治体労働者や教職員への攻撃は軌を一にするもの。この攻撃を一緒にはね返そう」と訴えました。

集会後のパレードでは、参加者が「憲法をいかし子どもたちと教育を守ろう」「教育の自由を守れ」のプラカードをかかげ、「言論・表現の自由を守ろう」などコールし、沿道の人々にアピールしました。

201612-03-02

▲特別報告を行う中川悟書記長


主張 安倍暴走政治STOP

職場要求実現へ、政治を変えるとりくみを17春闘と一体に

安倍政権は、TPP承認案と関連法案や年金カット法案などの成立のため臨時国会の会期を12月14日まで延長しました。TPPの発効には署名12カ国中GDP比で85%以上の批准が必要ですが、最大の米国のトランプ次期大統領が就任と同時に離脱の意向を明らかにするなかでベトナムなど批准を見送る国も出始めています。

国民無視の悪法強行 危険にさらされる自衛隊員

TPPは農業や食の安全、医療や雇用を脅かす問題点に加え、ISDS条項により公契約条例など地域づくりのための諸施策が外国の大企業によってねらい撃ちにされる危険性があります。また、年金カット法案は賃金が下がれば物価が上がっても年金支給額を引き下げるもので、高齢者だけでなく将来年金を受け取る私たち現役世代にも重大な影響を及ぼします。

11月に安倍政権は南スーダンでのPKO活動に戦争法にもとづく「駆けつけ警護」などの新任務を付与し自衛隊を派遣しました。南スーダンは内戦状態にあり、停戦合意などPKO派遣5原則が守られている状況ではなく、戦後はじめて自衛隊が海外で「殺し殺される」状態となります。ただちに南スーダンから撤退すべきです。

長時間労働の是正 国民本位の政治を

また、電通社員の過労自死事件が明らかになり、長時間労働是正や同一労働同一賃金を実現するとした「働き方改革」が注目を浴びていますが、今臨時国会ではその名に逆行する残業代ゼロや裁量労働の拡大などを内容とする労働基準法改悪法案が継続審議となっています。今、多くの自治体職場でも人員が減らされる一方で仕事量のマネージメントは行われず、結果、長時間労働が蔓延し住民サービス低下や職員の健康破壊が広がっているもとで「働き方改革」は私たちと無縁ではありません。

他にも、憲法審査会の再開、沖縄高江東村へのオスプレイ着陸帯建設強行など、これらの暴走は住民のいのちとくらしや私たちの仕事と生活に重大な影響を及ぼします。この間、安倍暴走政治STOPの国民的運動は新潟県知事選挙で原発に反対する米山隆一氏が勝利するなど「本気の野党共闘」で政権を追い詰めるところまで前進しています。今こそ安倍暴走政治STOPへ、職場要求実現のためにも政治を変えるとりくみを17春闘と一体にすすめましょう。


住民と学ぶ 各地で自治研集会

地域の課題を住民と共に

201612-05-01

▲「環境問題、沖縄問題は地方自治の本旨が問われる課題」と語る宮本名誉教授

10月1日~2日に茨城県つくば市で開催された、第13回地方自治研究全国集会につづき、全国各地で地方自治研究集会が開催されています。20回目を迎えた静岡、地域活性化と定住促進にとりくむ愛媛、東京はプレ企画に2020東京オリンピック問題を掲げました。

自治研活動が地方自治の発展の力に

静岡

第20回静岡地方自治研究集会が10月9日に開催されました。今年の集会は大阪市立大学・滋賀大学名誉教授の宮本憲一氏による記念講演、基調報告、テーマ別の6分科会で開かれ、住民や自治体労働者など、市民を含めて、のべ170人が参加し、学習と討論を深めました。

記念講演で宮本氏は、「四日市コンビナートの環境問題を1961年当時の静岡自治研集会で自治体労組が告発し、後の静岡の三島・沼津コンビナート闘争や全国の市民運動につながって、住民自治を実現してきた」と述べ、自治体労働者の自治研活動が地方自治を発展させる力になった歴史を語りました。

住み続けられる地域・自治体を

愛媛

西予市の県歴史文化博物館で11月6日に開催された第57回地方自治研究愛媛県集会に153人が参加。「地域活性化・定住促進、安全安心のまちづくりで、住み続けることができる地域・自治体づくりを」を基調報告され、午前中は青年講座「生活賃金シミュレーション」など6つの分科会で職場・地域状況を交流しました。午後の全体会では、3つの株式会社を設立して地域の課題解決にとりくむ「百姓百品グループ」代表取締役の和氣數男氏が報告し、「農林水産業をはじめ地域産業の活性化と定住促進-TPPの行方」と題して村田武氏(農学博士・愛媛大学アカデミックアドバイザー)が講演しました。

201612-05-02

▲地域経済について語りあわれた愛媛

民主主義の力で五輪の透明化を

東京

12月11日に開催を控えた第11回東京地方自治研究集会のプレ企画「これでいいのか2020東京オリンピック」が、 11月19日にエデュカス東京で開催、73人が参加。

東京自治研実行委員長の黒田兼一明治大学教授は、「調べるほど費用がかかり都民にとって有益でない。人々に知らせ、考えることが大切」と開会挨拶。日本ウエルネススポーツ大学の佐伯年詩雄教授は、IOC招致不正疑惑、大会開催経費の膨張などの問題を明らかにし、オリンピック本来の理念から「ビジネスと商業主義化」となっていることを指摘。運営などの透明化・公開化・民主化こそ必要と力説しました。

通常業務に被さるオリンピック業務

フロアからは、豊島区を例に「2020オリンピック」を枕詞にさまざまな企画や運営が、通常業務の上に行われており職員も疲弊していること、各区市町からも東京都に職員を派遣している実態が報告されました。

また、建設労働者の労務単価と資材等の高騰と言われるが、設計労務単価の引き上げはゼネコンが蓄え、末端の労働者の賃金が上がっていない実態が報告されました。

201612-05-03

▲東京オリンピックへの関心は高く、さまざまな分野の参加者が集まりました


すすむ非正規公共評(24)

アンケートとしゃべり場を力に仲間を増やす

新潟県事務所 新潟市保育園 臨時職員分会
201612-06-01

▲アンケート結果を読みながら職場の様子を語りました

新潟市で私たちの活動を知る人は多くありません。そんななかで仲間を増やすために身近にできる事はないかと考え、地域の保育園を訪問する事にしました。組合の先輩で、分会を支えてくれている方と一緒に準備しました。

まず組合の活動内容がよくわかるように、この間とりくんだ新潟市福祉課との懇談の様子が書かれた「組合ニュース」と、昨年度からとりくみをすすめている記述式の「聞かせてアンケート」を臨時職員に配布してもらう目的で各園を訪問。

事前に新潟市保育課の承諾を得ていたのですが、証明できるものがなくアンケートの受け取りを拒まれ、慌てて福祉課に足を運び配布許可を確認し再度訪問する一幕も。その後はどの園でも好意的に受け入れてくれました。

寄せられたアンケートのなかに「臨時職員の意見や不安を発する場がほしい」という声があり「しゃべり場」を開催することにしました。

アンケートをまとめた中間報告とともに「しゃべり場」開催のチラシを持って再び各園を回りました。当日は13人が参加。その中には地域を越えて切実な思いを胸に参加してくれた方々がいて胸を打たれました。

「パワハラとしか思えない待遇を受け、それでも頑張っている」「普段がまんしていることを気がねなく吐き出せた」とみなさんがその場で組合に加入してくれました。しゃべり場のもつ大きな力を感じとった瞬間でした。

困っている時に力になれる組合の存在をこれからも様々な方法で伝え、一人でも多くの仲間を増やしていきたいと思っています。


STOP!安倍改憲 シリーズ④

9条なくし日本を「戦争できる国」に

安倍政権がねらう憲法改悪の本丸

戦争への反省を投げ捨て

現行の日本国憲法前文は、過去の日本政府の行為によって戦争が引き起こされて、国内外に多くの犠牲を強いたことを明確にし、二度と同じ過ちを繰り返さないことを定めています。

ところが自民党の改憲草案前文はその部分を「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し」として、戦争を天災と同列に置き、侵略戦争を引き起こした政府の責任、戦争への反省を投げ捨てています。

集団的自衛権を承認

現行憲法は第9条第1項で戦争を放棄し、第2項で、戦力の不保持、交戦権を否認しています。

ところが自民党改憲草案は、第9条第2項を全面修正し、集団的自衛権をも認め、「国防軍」の保持を明記し、自衛隊を名実ともに軍隊にしようとしています。アメリカが世界中で引き起こす戦争に、いつでも参加できるようにしようとしています。

また国防軍の基本任務には、治安維持もあげられています。国防軍が日常的に国内の治安維持・国民監視をおこなう軍事国家になってしまうということを意味します。

軍事力で領土問題の解決を図る

現行憲法は前文で、世界中の人々が平和に生きる権利(平和的生存権)を持っていることを宣言し、「いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と国際協調を強調しています。

ところが自民党改憲草案は前文で「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守(らねばならない)」とし、第9条第2項、国防軍の任務に続く第9条第3項で「国は、国民と協力して、領土・領海・領空を保全し、資源を確保しなければならない」としており、これでは自国の利益だけを主張し、他国を無視して、領土問題を軍事力で解決しようとした戦前への逆戻りです。

201612-07-01


第28回自治労連全国スポーツ大会

[軟式野球] チャンス逃さず宇部が待望の優勝

201612-08-01

▲優勝した山口・宇部市職労チームのみなさん。前回優勝時のメンバーももちろん健在です

優勝 山口 宇部市職労

10年ぶり4回目の優勝

第28回自治労連全国スポーツ大会・軟式野球大会が、11月21~23日に滋賀県で開催されました。開会式とレセプションが行われた21日夜に雨が降るも、22日朝には天候も回復。試合一日目は、2つの球場に分かれ、全国各ブロック代表と開催地選出の計10チームが激闘を繰り広げました。

201612-08-02

▲どの試合も全力プレーで盛り上がりました(写真は所沢市職と唐津市労連)
熱戦繰り広げられた準決勝

準決勝戦第1試合は、前回優勝の愛知・豊橋市職労と前回3位の埼玉・所沢市職労が対決。初回に豊橋が1点を先取、所沢が追いかける展開に。4回裏に所沢が四球押し出しで1点を返し同点へ。しかし5回以降、豊橋は盗塁とヒットを織り交ぜて各回に追加点を入れ、終盤勢いに乗り勝利、3年連続で決勝戦へ進出しました。

準決勝第2試合は、山口・宇部市職労と千葉・市原市職労が対戦。互いに堅実な守りが光るなか、終始緊張感ある試合でした。4回表に宇部が連続ヒット等で2点を先取。その裏に市原も1点を返し、試合の流れが大きく動くかと思われましたが、互いにこう着したまま、宇部市職労が1点リードを守りきり10年ぶりに決勝進出を決めました。

201612-08-03
決勝の舞台で雪辱果たす

宇部市職労と豊橋市職労の決勝戦。両者は昨年1回戦で対戦し、僅差で宇部が惜敗。雪辱を果たしたい宇部にとっても3連覇をめざす豊橋にとっても負けられない試合。2回表に豊橋の連続四球等で、宇部は満塁、先制のチャンスを逃さず2点を先取。追う豊橋は4回裏に1点を返しますが、終盤宇部に追加点を許します。最終回ベンチからのエールを背に豊橋は、積極的に攻撃をかけ出塁し、追いかけますが届かず、決着がつきました。

宇部市職労は、第18大会以来10年ぶりの優勝を果たしました。優勝に小林圭一郎監督も「厳しい試合だったが、選手たちも良くがんばってくれた。来年も出られるようにがんばります」と抱負を語ってくれました。

201612-08-04

▲ベンチから試合を見守る豊橋市職労チーム


シリーズ12 民主主義を取り戻す この歩みを止めない

動き出した戦争法

南スーダンへ「駆けつけ警護」出動
201612-09-01

▲11月15日早朝の官邸前に声がひびきます

戦争法に続いて、日本経済を破壊するTPP批准についても、世論の疑問に答えず、国会運営ルールも無視し強行採決。民主主義を取り戻す歩みを止めるわけにはいきません。

アメリカの戦争に加担させるな

11月15日 総がかり実行委が抗議行動

安倍政権は11月15日、南スーダンPKOについて、戦争法にもとづく「駆けつけ警護」等の新任務付与を閣議決定しました。

閣議が開かれた15日は早朝から、総がかり行動実行委員会のよびかけた緊急の首相官邸前の抗議行動に350人が集まり、東京自治労連をはじめ、多くの組合員が参加しました。「戦争法は憲法違反」「南スーダン派兵反対、いますぐ撤退」「駆けつけ警護、絶対反対」と、官邸に向けて抗議のコールを送りました。

主催者あいさつで、憲法共同センターの長尾ゆりさん(全労連副議長)は「自衛隊への新任務付与は戦後71年間築いてきた平和を破壊し、戦争する体制へと塗りかえるもの。憲法9条が禁止する武力行使に踏み出す閣議決定を許すわけにはいかない」と訴えました。

そして、駆けつけ警護の任務を負った陸上自衛隊約350人の派遣隊員のうち、先発隊約130人が、11月20日、青森空港から同国の首都ジュバに向けて出発しました。前日の11月19日には全国各地で総がかり行動が行われ、小雨が降るなか、国会にむけて抗議のコールをあげました。

国会前行動では、継続的に参加する者どうしが互いに声をかけ合う姿を見うけます。今では顔見知りになった人々が、「また次の行動で」とはげましあう力が戦争法廃止への原動力ともなっています。

民意無視する安倍政権

TPP強行採決

TPP批准をめぐり、日本国内でも慎重な論議が求められているなか、安倍政権は、昨年9月の戦争法の時と同じく、11月25日、TPPを強行採決しました。

岩手自治労連も加入する「いわて食・農ネット」は、11月7~10日、県内の全市町村を訪問する「グリーンウェーブ」(食と農を守る共同を広げる全国行動)のとりくみを行い、政府に対する「食の安全と食料自給率向上を求める要請」などの5項目について首長に賛同願と懇談を行いました。

TPP強行採決に対し、批判や疑問の声が寄せられ、滝沢市・柳村市長、野田村・小田村長、普代村・柾屋村長、岩泉町・伊達町長、岩手町・民部田町長、遠野市・本田市長から賛同署名を頂きました。

201612-09-02

▲矢巾町高橋昌造町長(中央)との懇談。岩手・高橋昭博副委員長(左から2人目)も参加


今月の連載・シリーズ

いい旅ニッポン見聞録
第11録
奈良県・明日香村
古代の伝説と歴史あふれる飛鳥の里

自然や風景も大きな魅力

かがやきDAYS
〔30〕
茨城・石岡市職 川又(かわまた) 範英(のりひで)さん
自治研集会で学んだことを職場と地域に活かしたい
まちコレ
Collection30
まちだシルクメロン
地域活性化と雇用創出にメロンが活躍

東京都町田市

うレシピ
第61品
愛媛・松山市職労 戸田 克江さん
豆鉄じゃこ天

じゃこ天のうまさにてんてこ舞い

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