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構造改革の政治の復活許さず、大震災・原発事故被災者のくらしの立て直すために奮闘する-第177通常国会の閉幕にあたって

2011年9月5日

構造改革の政治の復活許さず、大震災・原発事故被災者のくらしの立て直すために奮闘する-第177通常国会の閉幕にあたって


日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

1月24日に開会した第177通常国会は、8月31日に閉幕した。

この通常国会では、自公から民主政権と続いた構造改革の政治のもとで、危機的な状況にある国民・労働者の暮らしと雇用の立て直しが求められた。また、3月11日に東日本大震災・福島原発事故が発生し、2万人を超える死者・行方不明者、生活基盤の壊滅的な破壊、福島原発事故による放射能汚染など甚大な被害をもたらす中で、被災地住民の生活支援の具体策と、地域の復旧・復興、原発事故の収束と原発依存政策の抜本的な見直しが求められた。

菅民主党政権は、震災対策を講ずるとして、70日に及ぶ大幅な会期延長を行なったが、財界・大企業の意向を反映した大規模再開発型の「復興基本計画」「復興基本法」は成立したものの、第1次補正に続く第2次補正予算も、被災地住民の命やくらしを立て直すには程遠い規模にとどまり、復旧・復興は進んでいない。

また、菅首相の退陣をめぐる与野党の対立構図の裏側で、復興財源や社会保障財源確保とも関わって、社会保障の全面的な改悪と、消費税をはじめとする庶民大増税を具体の日程に上げる「社会保障と税の一体改革」の具体化が進められた。

さらに、この間の自治体構造改革や公務員総人件費抑制政策が、大震災による住民生活の立て直しや復興に大きな障害となっていることが明らかになったもとでも、国家公務員賃金引き下げ法案の国会上程でも明らかなように、公務員総人件費抑制の政策を変えようとはせず、国民生活に対する国家責任を放棄し、地方に丸投げする地域主権改革関連法案を、まともな審議もないままに強行可決した。

2年前の政権交代を作り出した、構造改革を一定見直す民主党の政権公約は、子ども手当の廃止や高校授業料無償化の見直し、消費税増税の具体化などにも明らかなように、自民・公明との「3党密室合意」の中で、完全に姿を消した。

こうした悪政の推進に対し、自治労連は、被災地でのボランティア活動などを通じて、自治体のあり方・役割を問い直し、自治体首長との懇談などで、「これ以上公務員は減らすべきでない」との発言を引き出し、「国家公務員給与引き下げ法案」の実質審議も許さなかった。また静岡での浜岡原発廃炉を求める集会をはじめ、全国で原発依存政策の見直しを求める共同運動の高まりは、憲法キャラバンの実施や、地域での共同行動を大きく前進させた成果である。

民主党が地域主権改革の一丁目一番地として掲げた「子ども・子育て新システム」法案を提出させなかったことは民間園や党派の違いを超えた共同の取り組みを全国で展開した成果である。こうした到達を作り出した私たちのとりくみに、大きな確信をもとう。

財界の熱烈なラブコールを受け、9月2日に誕生した野田新政権は、消費税の大増税、原発の再稼働と原発依存のエネルギー政策への固執、米軍普天間基地の辺野古「移設」をはじめとする日米同盟の深化をめざしている。また、就任前から自民・公明との「密約政治」をすすめる仕組みを協議しつつ、財界の声がより反映する体制の再開など、自公政権時代の構造改革政治をより一層すすめようとしている。

自治労連は、こうした構造改革の政治の復活を許さず、大震災・原発事故被災者のくらしの立て直しはもちろん、消費税増税許さず社会保障の拡充を求める運動や、働くルールの確立、そして、国民の期待に応える自治体・公務公共業務の拡充に向け、地域住民との共同を広げ、当面する臨時国会での要求の前進にむけ、全力をあげるものである。

(以上)