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各地で憲法キャラバンの取り組みすすむ

条例を策定して被災地支援すすめる(北海道・根室市)

 北海道自治労連は、6月21日に憲法キャラバンで根室市を訪問。懇談には、自治労連本部の猿橋書記長、北海道自治労連の東原委員長はじめ根室市労連委員長・書記長が出席。根室市は長谷川市長、高島総務部長が対応し、震災や地域医療、公務員賃金、平和都市宣言など多岐にわたる問題について懇談しました。
 震災の問題で市長は、根室市自らが地震被害を被ったもとで、市町村で初めてという「東日本大震災被災地等の支援に関する条例」を策定しての被災地支援が政府からも評価されており、これに基づき被災地から漁業者や造船所が移転してきている状況や、この間、医療支援が2回行われたことなど、積極的な復興支援策について話しました。また、根室市の地震被害は42億円程度であり、花咲・根室港への水揚げ減少などで170億円を越える経済的な落ち込みや、原発事故による秋刀魚(サンマ)漁への風評被害が予想されるなか、政府から施設などの復旧費がほぼ認められたが、今後も要望を続けると述べました。
 根室市では市立病院の建設がすすんでいますが、地域医療の問題については、「三位一体改革と新臨床医研修制度が同時に始まり、医療を壊すことがいっぺんに行われた。交付税を三位一体改革以前の水準まで戻してもらわなければ地方はやっていけない」と怒りをあらわに。3月議会での「平和都市宣言」については、「何年もかかったが、これまで市長の考え方だけでは通らなかったものが今回できた。議員の意識も変わってきたのではないか」とし、具体的な取り組みは現在検討中であるとしながら、広島の平和都市会議などへの参加も検討していることを明らかにしました。
 懇談の最後には「自治労連は、自分たちの賃金や労働条件の問題だけでなく、いつも地域や住民のことを考えて運動をしている。これからもがんばってほしい」と激励を受けました。

平和行政、地域主権改革、震災復興などで懇談(長崎)

 長崎自治労連は春闘共闘会議とともに、5月16日の雲仙市をスタートに今年4年目となる憲法キャラバンを実施しました。今年は、憲法9条・25条・26条・28条の平和条項や基本的人権=生存権の保障を基本に据え、3月11日に発生した東日本大震災に関連した要請・懇談を盛り込みました。4月上旬に各自治体あて要請書を送付。6月1日までの間に、県内19自治体を訪問しました。

 時津町では、平瀬町長(写真)が対応しました。2009年夏の「自治体労働者平和のつどい」を長崎市内で開催した時、記念講演をしていただいたことについて里委員長がお礼を述べてから懇談に移りました。
平和行政について市長は「自治体=公務員だからこそ出来る職務であり、民間で出来るものではない。子どもたちに対して、過去の歴史に学び、平和な未来につながる取り組みをしなければならないと考えている」と語りました。さらに町が県人勧を否決したことなど、職員の賃金や処遇について「昨年暮れの人勧否決の町議会の判断があったが、こういう判断は初めてのことであり、少ない職員で行政執行を行う中、誇りに思っていい。町内で開催している高齢者教室の中で、公務員の賃金が高い、ラスが高いなど意見が出たが、そんなことはないと反論した。町長となって以来、起債残145億円から80億まで減らしてきた。今日の新聞報道で、国家公務員賃金削減が出ていたが、公務員が悪いように言われる。民間が厳しいのはわかるが、そもそもは国の政策のせいではないかと思う。仮に削減したとしても、その使われ方をキチンと示して欲しいと考えている。安直な行政改革は止めて欲しい」と述べました。

 大村市では、普天間基地の代替として候補にあがったことも踏まえて平和行政の課題で懇談。市は「平和に対する行政のすすめ方はこれまでどおり変わっていない。平和市長会など、各市と連携しながら進めている。普天間基地代替問題では動きもなく、市長の受け入れ拒否の考えも変わっていない」としました。東日本大震災に関して市は「被災地派遣については、保健師の派遣などやってきているが、今後も可能な限り救援・支援を行っていきたいと考えている」と積極的な考えを示しました。復興財源問題としての国家公務員賃金カットには「個人的には復興財源としてどうなのかと思っている」と語りました。

 諫早市では、「平和行政の推進は公務員としての基本であり、平和市長会議などへの加入など他都市と同じように進めている。学校では、8月に『平和を考えるつどい』として、被爆写真展をはじめ被爆者の語り部などを行っている」とのこと。地域主権改革について「流れとして国から地方ではなく、地方(住民)があっての国ではないのか。一括交付金が削られると困るし、地方分権の主旨はわかるが、地域に使えるお金を減らしてほしくない」といった考えが示されました。東日本大震災についても「第2次派遣から4名ずつ派遣している。市の財政などきびしいが、できる限り支援したい」とのことでした。

自治体の役割発揮のための人員確保、防災計画の見直しなど懇談(愛知)

 自治労連愛知県本部は、住民のくらしをまもり、安全・安心の公務公共サービスの拡充をめざして「春の自治体キャラバン」を実施。5月17日~20日の4日間で49自治体を訪問しました。
 東日本大震災で自治体の役割があらためて問い直されているなか、被災地の自治体労働者が昼夜をわかたず奮闘していること。一方で構造改革路線・自治体再編で職員の絶対数が減らされていることが復興の大きな妨げになっている点を強調し、自治体が直接雇用する臨時・非常勤の最低賃金を時間額1000円以上、日額7500円以上、月額16万円以上にすること。住民サービス向上に必要な人員を正規職員で確保すること、公契約条約の制定など、28項目にわたる要請をおこないました。
 懇談では「合併に伴うスケールメリットを活かし、職員の効率的配置や業務改善などに務める」(あま市)などの回答にたいし、キャラバン隊から「効率一辺倒の人員削減をおこなわず、住民サービス向上のための正規職員による人員確保を求めました。また、地域防災計画の見直しについては各自治体で懇談がすすみ、「市町村単位でなく近隣と連携して進める」(稲沢市、あま市など)、また、防災計画の大幅な見直しが必要として国・県にたいし要請していることなど、多くの自治体で友好的な懇談がおこなわれました。

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