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憲法キャラバンはじまる 静岡・浜岡原発停止後、初めて周辺自治体と懇談

 静岡自治労連は5月中旬から、静岡県内の各自治体を訪問して首長などと懇談する憲法キャラバンを、今年も実施しています。

菊川市「浜岡原発停止は、住民の安全・安心の確保のため」
 5月23日には浜岡原発周辺自治体にあたる菊川市との懇談が行われました。静岡自治労連林委員長らが訪問し、菊川市は総務企画部長をはじめ、総務、財政、企画政策、安全の各課長が対応しました。浜岡原発運転停止後初めての原発周辺自治体との懇談は、地震・原発などの問題点について多くの一致点を確認できるものとなりました。

 林委員長は「3・11以降、国と自治体をめぐる状況は一変した。被災地への支援・復興は、憲法にもとづいて行なわれなければならない。現地の状況を聞くと合併や委託化・民営化の弊害も目立つ。東海地震がいわれる中、東日本大震災に学ばなければならないことも多いのではないか」と問題提起。市側は、「津波の被害については特に重要だ。これまで菊川市に津波による避難計画はなかった。早急に対策をとりたい」と述べ、「職員削減は災害に大きな影響がある。企業の人たちにも協力を求めたい」と話しました。また、「菊川市が浜岡原発運転停止を支持したことに敬意を表する」と述べると「住民の安全・安心の確保の観点から意見を表明した。しかし浜岡原発で働いている人は市内で約200人おり、その雇用の確保が急務だ」と答えました。

 公契約条例の制定については、菊川市より「1月に条例制定の陳情があったが、議会審議の中で、同一企業でも役所以外の仕事をする労働者への悪影響があるのではないか、労働者への賃金が規定通り支払われているかチェックするのが難しいなどの意見が出され、今回は採択されなかった」という経過の説明があり、「しかし大事な問題なので、今後も検討していきたい」と述べました。

 最後に「菊川市から出された要望は国・県へ伝えていきたい。今後も地方行政に日本国憲法をいかす懇談を続けていきたい」と表明し懇談を終わりました。

伊東市長「ボランティアに行くことはよいこと」
 5月26日には伊東市、伊豆の国市へ訪問、東日本大震災への対応を中心に懇談しました。伊東市では佃市長(写真)、原副市長、石井副市長、梅原企画部長が対応、自治労連本部から山口祐二副委員長、静岡自治労連から林委員長、伊東市労連からも委員長、書記長らが出席しました。

 山口副委員長が「震災の今こそ憲法がクローズアップされている。憲法を地方自治に生かすべきだ」と切り出すと、佃市長は「国はあてにならない。自治体が自分でできることを探して、やっていくべきだ。ボランティアも、よいボランティアとそうでないボランティアがある」と答えました。山口副委員長が「私もボランティアに行ってきました」と自らの体験について語ると、佃市長からも「自治労連がボランティアに行くのはよいことだ。自治体と協力してがんばってほしい」と述べました。さらに地方分権や保育新システムの問題についても懇談し、和やかな雰囲気のなかで終了しました。

 続いて訪問した伊豆の国市では総務課長と政策企画課長が対応しました。市町村合併の防災対策への影響を尋ねると、「伊豆の国市は支所にも機能をある程度残している。災害が起きたときには、職員は勤務地ではなく旧町の支所に集合して対応することにしているので、地域の事情に詳しい職員が対処できる」と答えました。公契約については「職員にも注目しているものがいる。今後研究していきたい」と述べました。

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