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自治労連が「18春闘要求書」を総務省に提出

自治体及び公務公共関係職場に働くすべての労働者の賃金改善、             会計年度任用職員制度にかかわる財源の確保、           労働時間管理の適正化、公務公共業務は自治体直営で充実を

 自治労連は2月27日、18春闘要求書を総務省に提出しました。行動には、桜井副委員長、中川書記長、前田・竹内書記次長、西賃金権利局長、杉本中執が出席、総務省公務員部からは諸戸公務員課長、木本課長補佐らが対応しました。最初に、桜井副委員長が「2018年春闘要求書」を手渡すとともに、「国会での『働き方改革』法案の審議をリセットするよう、総務省からも声をあげてほしい」と述べました。続いて中川書記長、杉本中執から、特に重点とした4つの重点要求項目(別記参照)について趣旨を説明しました。

国による賃金抑制などの介入や窓口業務へのトップランナー方式導入をしないよう要求

 中川書記長は、職場の声である全国で取り組まれてきた要求職場アンケートの結果にも触れながら、職場にも地域にも大幅賃上げが求められていることを強調し、「総務省の統計で地方公務員の受験者数が大きく減少し、地域手当のない市町村では辞退者が続出して人事担当者を悩ませている」と実態を紹介しながら「初任給の引き上げを含め2万円以上の賃上げが必要であり、併せて、地方公務員や公務関係労働者の賃金改善を図っていくうえで、国家公務員の賃金水準の一方的な地方自治体への押し付け、労使交渉に基づく自主的な賃金決定への干渉、特にラスパイレス指数や、地域手当支給率の自主的な決定に対する交付税削減を背景とした賃金抑制など、介入しないでいただきたい」と要求しました。

 また、地方財政関係で、財務省が2018年度の予算編成において地方自治体が基金の積立を増加させていることを理由に地方交付税をさらに削減しようとしている動きに対して、「自治労連も知事会をはじめ地方団体に共同の申し入れを行い、地方団体からも国に対して強く抗議しており、国が責任をもって地方財源を保障していただきたい」と述べました。また、地方交付税のトップランナー方式についても、「この間自治労連は国に対して地方交付税の財源保障機能が損なわれることがあってはならないと要請しており、要求書にもあるとおり、住民の基本的人権を守る立場から窓口業務の地方独立行政法人の活用を推進せず、トップランナー方式を導入しないでいただきたい」と述べました。

会計年度任用職員制度では国の財源確保を、長時間労働解消に向けた支援を要求

 続いて杉本中執は、会計年度任用職員の給与や報酬の決定にあたっては地方公務員法第24条の給与決定の原則が適用されるのは当然だが、その財源保障が重要であることから財源確保を強く求めるとともに、財政負担軽減目的に空白期間の設定はあってはならないことであり、地方自治体への周知を求めました。

 また、地方公務員の勤務時間は、原則として労働基準法が適用され、自治体当局は厚生労働省のガイドラインに従い職員の労働時間を把握する義務があるとした上で、「労働時間の把握ができてなくて長時間労働を縮減することはできない。パソコンのログオン・ログオフ時刻と時間外勤務の申請が乖離している場合には注意を喚起し、管理職等が事情を確認している自治体もある。このような工夫を全国に発信し、正確に労働時間を把握することが長時間労働解消の第一歩だ」と説明しました。

また、「住民の福祉の向上という地方自治の目的から言えば、突発的な災害や事故、食中毒や伝染性疾患など予測不可能な事態に対応することはあり、『公務のための臨時の必要』という労働基準法33条3項の規定を否定するつもりはないが地方公務員には36条が適用されており、一部の自治体で『本庁など一般官公署では36協定は締結できない』と回答する人事当局も見受けられるが、36協定締結が可能で縮減目標を明確にするためにも労使協定またはそれに準ずる仕組みは必要である」と述べました。

 対応した諸戸公務員課長は「いただいた要求書は検討し、後日回答させていただきます」と述べ、要求提出行動を終了しました。

 【18春闘重点要求】     

1.賃金引き上げについて

 地方公務員、公務関係労働者の賃金改善を図ること。国家公務員賃金制度と水準の一方的な地方自治体への押し付けは行わず、労使交渉に基づく自主的な賃金決定に干渉しないこと。交付税削減を背景とした賃金抑制など介入しないこと。

2.会計年度任用職員制度の導入における臨時・非常勤職員の処遇改善について

 会計年度任用職員の給料(報酬)決定にあたって、各地方公共団体において地方公務員法第24条に基づき定められるよう必要な措置を講じるとともに、給料(報酬)・手当が確実に支給されるよう国として財源を確保すること。また、「空白期間」を解消し、新たに設定はしないこと。

3.人員増、労働時間管理の適正化について

 厚生労働省「労働時間に関するガイドライン」に基づき、職員の労働時間を適正に把握し、時間外・休日勤務を縮減する自治体の取り組みを支援すること。労基法33条3項の「公務のための臨時の必要がある場合」を厳格に運用し、業務に見合った人員を配置できるようにすること。

4.公務公共業務を自治体直営で充実を

 地方自治体が実施する公務公共業務のアウトソーシングを推進することはやめ、自治体の直営で充実させること。住民の基本的人権を守りプライバシー情報を取り扱う窓口業務については、民間委託や地方独立行政法人の活用を推進せず、地方交付税のトップランナー方式を導入しないこと。

 

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