なくそう!過労死・長時間労働・超勤不払い
このページは、2024年7月18日に更新しました。
心身の健康を破壊する長時間労働をどう減らせばよいのか?今、職場の切実な問題になっています。
労働基準法が改正され、2019年4月から、法で決められた上限を超える時間外労働をさせた場合、使用主に罰則が科せられます。これを機に、長時間労働の解消を求める運動を大きく広げていきましょう。
全国にある自治労連の加盟組合では、組合役員が時間外勤務中の職場を訪問し超勤実態を把握するとりくみや、36協定を含む労使協定をきちんと締結するための交渉を進めています。また、政府(総務省)や自治体に対し、根本的な解決策である「業務量に見合った人員増」の運動も進めています。
自治労連が発行している学習資料や取り組みのニュース、関連するサイトへのリンク等を掲載していますので、ぜひご覧ください。
災害時でも住民のいのちを守りきるために!
全国の自治体職員を増やし残業に上限規制を
この署名で変えたいこと
『災害が発生すれば困ってる市民の状況を何とかしたいと、いち早く災害復旧に従事したいのですが今の体制では叶いません(土木職員)』
『ひとつひとつのケースを大切にして患者に寄り添い支援したいと思っていましたが、コロナ禍ではそれができなくなり、もどかしさでいっぱいでした(保健師)』
『本当は子どもや親に丁寧に寄り添い対応したいと思っていますが、日々の業務に追われて目の前の仕事をこなすことしかできないのがつらいです(児童相談所職員)』
『患者を支援するために保健師になったのに、コロナ禍は「入院できません」「保健所ではできません」と患者や家族に伝えなければならず、毎日胸が張り裂けそうでした(保健師)』
台風や大雨、土砂災害などのニュースが次々と伝えられます。災害が発生すれば自分の家や家族が被災していても真っ先にかけつけ対応するのが自治体職員です。
新型コロナウイルス対応では、感染拡大を続ける未知のウイルスを前に、保健所や自治体がその対応に追われ、毎月100時間以上、多いときには200時間もの時間外勤務をしなければならない職員もいました。
他にも児童虐待への対応、子育て支援、道路や河川の整備、防災施策、農業や中小業者への支援など、あらゆる場面で住民の暮らしを支えています。
多くの自治体職員が「住民の役に立つ仕事がしたい」「住民のいのちとくらしを守りたい」と願って日々仕事をしています。今後、新たな感染症の発生や、頻発する自然災害から住民のいのちと健康を守るために自治体職員は昼夜を分かたず働くことになります。しかし、自治体労働者が経験やスキルを積み重ね、健康に働き続けることができなくなれば、それもできなくなります。
この30年間、全国の自治体職員は48万人も減らされました。これから起こり得る新たな感染症や災害時に対応できる人員と余裕はどの自治体にもありません。多くの職員が長時間労働を強いられながら懸命に住民対応をしている実態があります。
労働基準法では時間外勤務に上限を設けていますが、自治体で働く職員は「災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合(労働基準法33条1項)」「公務のために臨時の必要がある場合(同3項)」は際限なく働かせることができるとされ事実上、残業規制が「青天井」になっている実態があります。たとえ災害時であっても、過労死のリスクまで背負って働かなければならない状況を改善するため、以下のとおり要請します。【要請項目】
- 労働基準法第33条を見直し、自治体労働者の時間外勤務に明確な上限規制を設けること。
- 労働基準法第33条3項の「公務のために臨時の必要性がある場合」にあたる業務を明確にし、厳格に運用するとともに、その場合であっても明確な上限規制を設けること。
- 災害や新興感染症の発生等の健康危機事象に備え、自治体職員を抜本的に増員するための予算措置を行うこと。
長時間労働規制や超過勤務手当不払いについての、お問い合わせやご相談は、自治労連本部(賃金権利局)までご連絡ください。
電 話 03-5978-3580
メール info@jichiroren.jp |
<コンテンツ>
〇学習リーフ <労使協定の締結をすすめよう!>
自治体職場における【36協定 締結の手引き】改訂版(巻末に協定モデル案つき)
2019年4月からの労基法の「改正」施行により、時間外勤務をする場合には上限規制の前提となる36協定締結への対応が各事業所で求められます。本来、36協定を締結しなければ使用者は時間外労働をさせることができません。
36協定締結は、使用者が労働者に時間外労働をさせても罰則を免れる仕組みですから、労働者側は協定を結ぶ条件として、人員増などの要求を併せて交渉したり時間外労働を最小限にするための様々な取り決めを協定に盛り込むなど、協定を長時間労働改善のツールとして活用することが大事です。しかし協定のしくみをよく理解していないと、使用者側の示した一方的な内容で締結することにもなりかねません。
この手引きでは、先進的な単組の例も紹介しながら、締結の実際について解説します。
〇学習リーフ <改正労働基準法で何が変わる?>
自治体の職場も、原則として労働基準法は適用されます。
労基法改正で何が変わるかや、事業場による36協定締結義務の適用の違いなど、わかりやすく解説しています。
職場組合員学習用資料
すすめよう!職場の時間外労働規制
役員学習用資料
時間外労働上限規制の導入に伴う要求のポイント(案)
〇要求書ひな型
要求書ひな型
〇職場訪問リーフ
それぞれの職場で、「私たちの働き方、これでいいの?」と話し合ってもらう資料としてつくりました。勤務記録も記入できます。
職場訪問用リーフ(本庁版)
職場訪問用リーフ(医療職場版)
職場訪問用リーフ(保育職場版)
<参考資料(厚生労働省)はこちらから>
〇「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
〇「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(巻末に36協定新届出様式もあり)
〇「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
<リンク>
〇全労連HPサイト「ストップ!労働法制大改悪」
〇日本労働弁護団HP