〔53〕いつかはトップでチェッカーフラッグ
2019年1月号 Vol.542
いつかはトップでチェッカーフラッグ
京都市職労 岡田 巧さん
▲琵琶湖畔の砂地を走る名物コース。琵琶湖をバックに自転車と
「スタート」の号砲とともに50台もの自転車が土煙をあげて1コーナーに向けて突入していきます。すごい迫力。4番目に通過したのが今回紹介する岡田巧さん。トップグループでレースをリードしましたが、今回のレースは表彰台(1位~3位)を逃しました。
岡田さんが挑戦しているのは自転車のシクロクロスという競技です。ドロップハンドルのスポーツ自転車で泥や砂などで荒れた路面の周回コースを走りスピードを競います。ヨーロッパで始まった伝統ある競技でタイヤの幅やフレームなど厳しい制限のなかで「体力」「粘り」「技術」が必要とされます。
「スタート時の緊張感がたまらないですね」とシクロクロスの魅力を話し出すと止まりません。「関西シクロクロスシリーズに参戦しています。今回は琵琶湖沿いの平坦な地形に砂あり泥ありのコースですが、わずか2㌔弱のコースで刻々と路面が変化して…。自転車を担いで走る場合もあります」
張り詰める緊張感 瞬時の決断
岡田さんがシクロクロスに参戦するようになったきっかけは子どもの自転車を買ってあげたことだそうで、「子どもが自転車で遊べるイベントがないかと探したところ、このシクロクロスのキッズクラスがあって参加してみました。子どもはもちろん、私も魅せられました」と話します。
もともと自転車好きだった岡田さんの闘志に火がつきます。「まずは専用自転車の購入で、奥さんの説得から!」「整備は自分でします。タイヤの空気圧もコンマ1(気圧)単位で調整します」。シリーズレースに参戦し続けるにはかなりの苦労が必要なようです。
「大変ですね」と思わず出た一言に、岡田さんは「家族で旅行している気分で参加しているから楽しいですよ」と子どもを見てニコリ。「子どもが出られるクラスがあったり、おしゃれな出店があったりで飽きません」「レースで知り合った仲間も増えました」。確かに、取材中もたくさんの人が岡田さんに声を掛けていました。
とはいえレース。表彰台をめざしています。「レース中の駆け引きがたまりません。体力も相当要ります。30分近くを全力で走りきる体力(勝負どころ)の配分も必要。がんばります」と語ってくれました。
▲タイトなコーナーを駆け抜けていきます
▲家族で仲間を応援。楽しんでいます