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機関紙『自治体の仲間』2019年 新年号 Vol.542 医療従事者としての誇りを持って

地域医療と全国屈指の災害・防疫の拠点として

医療従事者としての誇りを持って

大阪 りんくう総合医療センター労働組合

▲りんくう総合医療センター

大阪・関西国際空港から連絡橋を渡った泉佐野市湾岸部に立地する、地方独立行政法人りんくう総合医療センターは、泉州広域の医療を守る基幹病院で、災害拠点病院です。医療従事者としての誇りを持って働きながら、病院当局の一方的な賃金カットや、職場の長時間過密労働を改善するため立ち上がった仲間がいます。

りんくう総合医療センターは、泉州救命救急センターと感染症センターを有しており、地域住民だけでなく、大阪府においても重要な役割を果たしています。感染症センターは西日本で唯一の特定感染症指定医療機関(全国で4カ所)で空港からの輸入感染症を防ぐ役割もあります。

一般外来も含めて日夜、職員が奮闘しているなか、病院は2017年に「経営悪化や消費税増税、医療制度の見直し」を理由に、労使合意がないまま一方的に賃金カットを強行しました。

以来、りんくう労組は、病院当局と団体交渉を重ねますが、不誠実な対応が続きます。

労働局・労基署への申告や要請を行い、職場集会なども開きながら、500人を超える職員から委任状をとりつけて、常玄大輔委員長を労働者代表として選出するなど、職場環境の改善や一方的な賃金カットの撤回を求めて粘り強くたたかってきました。

そして、昨年4月に給与カットを復元し、36協定の締結にあたっても月45時間・年360時間までとし、特別条項を許しませんでした。

職員の支持も広がり、組合員も倍増して220人になりました。

労働組合があるからこそ病院と職場を変えられる

仲間をふやして職場要求をさらに強く

「人に接する仕事がしたくて」と理学療法士になって、りんくうで9年目を迎える中口郁夫さんは、「りんくうでは、重症の患者さんへの施術もあるので、仕事そのものが命にかかわる、とても重要な仕事です」と語ります。

長時間労働について、「病院全体は大変です。だからこそ、多くの職員に組合に入ってほしいと思います。仲間が増えれば増えるほど、私たちの要求実現する力は強くなりますから」と語ってくれました。

当局へ思いぶつける仲間の言葉に涙

人工心肺や人工透析などの医療機器のメンテナンスなどを行っている臨床工学士の町田麻実さんは「人工心肺をされている患者さんの体を動かす時は、特に目が離せません」と仕事について説明してくれました。

「いま、病棟などで、『今日は誰々さんを早く退勤させよう』とベテラン看護師が率先して声をかけあって時短に奮闘しています。団体交渉でも病院当局へ思いをぶつける看護師の言葉に涙ぐむ仲間もいます」と職場実態への共感が広がっていることを町田さんは教えてくれました。

より良い患者対応は職場づくりから

臨床検査技師の井伊稚佳子さんは、「病院に来られる患者さんはとてもしんどい思いをされている方です。よりきめ細やかな対応が必要です。でも現場がきちんとしてなくては、最善の医療はできない」と話します。「私の職場は頼りになる先輩がいてくれるのですが、自分自身ももっとできるようになりたい。だからこそ今がんばりたい」と職場で研鑽に励んでいます。

また、「今までは現場の声を吸い上げる場がなかった。労働組合があったからこそ、職員の問題意識が今少しずつ変わってきています」と組合の重要性と存在意義、そして心強さを語ってくれました。


これからも地域により添って

住民と職員のくらし、いのちを守り続けて

1989-2019 全国の仲間と歩んだ自治労連の30年

▲自治労連の前身・自治体労働組合全国連絡協議会結成大会

自治労連は今年結成30周年の節目を迎えます(1989年3月17日結成)。新年号では、「あの日、あの時」「どんな思いで」を、組合員やOBのみなさんの証言や思いを交えて語ってもらいました。これまで住民のいのちとくらしを守り、そして、よりよい職場に変えてきたとりくみやエピソードを全国でも共有しながら、今年も職場と地域からとりくみを大きく広げていきましょう。

全国の仲間に支えられて

東日本大震災 岩手・大槌町職 松橋史人さん

2011年東日本大震災発生時は、同年4月から大槌町役場勤務が決まっていたものの、自分に何ができるのか不安に押しつぶされそうになりました。

発災10日後から災害対策本部にボランティアとして出向き、それから職場の先輩方と避難所の運営、がれき撤去、支援物資の支給等、自分が思い描いていた職務とはだいぶ違ったものとなりましたが、町民との合意形成、復興計画の策定、復興特区制度、駅舎建設等、復興に関連する多くの業務に携わってきました。

町職員だけでは到底なし得ることのできなかった復興事業は、全国の自治体職員や組合員のみなさんに支えられてすすめることができました。町のため、町の復興に携わってくれた方のために、感謝の気持ちを忘れずに町のさらなる発展のために努めていきます。

▲建設中の「大槌駅」前で

経験のない放射能災害に挑む

福島第一原発事故 福島・郡山市職労 白石田(しろいしだ)隆弘さん

2011年の福島原発事故以降、原発から離れた郡山でも目に見えない放射能への不安が継続しました。小中学校庭や保育所庭、住宅や道路などの除染業務、給食や一般食品等の放射線量測定、農産物の放射線量測定、米の全量全袋検査、ホールボディカウンターによる内部被ばく検査など、事故が無ければ必要なかった業務に追われました。それにもかかわらず、東京電力は自治体からの賠償請求に十分に応じようとしていません。

私は、避難所対応業務などにあたっていましたが、本庁をはじめとした公共施設等が使用できなくなるなか、多くの職員が復旧・復興に向けた業務に加え、放射能災害という初めての業務に追われました。

▲除染作業の様子

「日本列島縦断反核ライダー」が根室を出発

全国の青年のつながり 北海道・根室市労連 大塚隆一さん

北海道自治労連が1991年2月に結成され、その年の7月10日、自治労連青年部の「日本列島縦断反核ライダー」が、日本列島最東端の根室から西端の長崎に向けて出発しました。7月とはいえ、まだ寒い日が続くなか、青森、岩手、福島、千葉、静岡の仲間も参加し、出発式が行われました。根室市労連の女性も加えた11人の仲間が、「核兵器はいらない!」「真の平和が欲しい!」のゼッケンを胸に、自慢のマシンにまたがったライダーは、広い北海道でヒロシマ・ナガサキアピール署名を行い、道南に向かいました。前夜の交流会では、浜松市職の青年から「出発の7月10日は23歳の誕生日。北海道を思いきり楽しみながら走りたい」と自己紹介もあり、仲間と花咲ガニを頬張りながら、楽しく交流をしたことを懐かしく思っています。

▲根室市役所前で全国の青年が結集

ずっと自治労連、坂城町の歴史

市町村合併を乗り越えて 長野・坂城町職 中村 淳さん

1979年に坂城町に就職し、今年で定年を迎えます。町職は「住民の幸せ」が「自治体労働者の幸福」につながることを確信にして、89年の自治労連結成から長野県に自治労連の旗をかかげ続けています。

就職したてのころ私は、組合の平和活動にとても共感しました。「住民生活の土台は平和」は、しっかり腹に落ちました。当時は原水禁大会に仲間を派遣するために一軒一軒の家を巡り、町民にもカンパを呼びかけていました。

坂城町は「平成の大合併」時代も町全体として「合併しない」と決断。合併した周辺自治体にはあった交付税措置がなく、当時は厳しい時代でしたが、乗り越えてきました。

この40年間の公務員・組合員人生で、町の発展に土木技術職としてまちづくりにかかわれ、町職に入り活動ができたこと、本当に嬉しく思います。

▲長野から広島をめざした平和大行進(更埴ー上田間)

「維新」による分断を乗り越え大阪市を守った住民投票

大阪「維新」とのたたかい 大阪市労組 橘波(きつなみ)慎一さん

「大阪市はなくしません」と公言して市長になった橋下徹前市長。市長になったとたんに「都構想」を持ち出して大阪市を特別区に再編し、126年の歴史をもつ大阪市を葬り去ろうと2015年住民投票を強行しました。市民は悩み抜いた末に「都構想」を否決し、大阪市を残すことを選択しました。

全国の仲間の支援も得て、私たちは自治労連の一員として行動し、自治体の役割を語り、「都構想」のねらいを語り、大阪市を守ることができました。

大阪「維新」はいま、万博を利用してIR(統合型リゾート)・カジノを推しすすめるために再び「都構想」を持ち出し、住民投票実施をねらっています。また、今年は知事選・市長選ダブル選の年でもあります。市民の民意無視、民主主義無視の「維新」を退場させるために全力でこの1年を駆け抜けたいと思います。

▲自治労連青年部の全国支援行動

ボランティア元年 組織労働者が築いた礎

阪神・淡路大震災 兵庫・西宮市職労(当時)松井義博さん

1995年1月17日に阪神・淡路大震災が起こった時、2年前にできたばかりの災害対策課に勤務していました。当時は国の救援体制も、自治体間の相互支援体制も確立していません。災害被災者支援法もなく、「災害ボランティア」という言葉もありませんでした。職員はくる日もくる日も不眠不休で救助・救援業務にあたりながら、過労と展望の持てない不安のなかにいました。

しかし、交通も途絶しているにもかかわらず自治労連の仲間は全国から支援に駆けつけてくれました。一つの避難所運営をまるごと援助してくれる組合さえあらわれ、困難な仕事に親身に対応してくれる姿に、本当に感謝の気持ちしかありませんでした。結成された自治労連に加盟してわずか数年のことでしたが、全国の仲間に励まされた日々を忘れることはできません。

▲壊滅的な被害をうけた西宮市内

子どもたちのために平和な未来を築く

平和・核兵器廃絶へ 広島市職労 金子秀典さん

1985年被爆40年を迎え、「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」署名が世界12カ国でとりくまれました。当時、ヒロシマ・ナガサキの100万発分以上の威力をもつ核兵器が存在し、核軍拡競争が激しさを増しているなかでの署名活動でした。自治労連ができて、この「アピール」署名が大きく広がりました。そして現在、まさかこんなに早く、核兵器が違法化される時がくるとは、想像もしていませんでした。その画期となったのが2017年7月、国連の核兵器禁止条約の締結です。今、19カ国が批准しており、50カ国になると条約が発効します。子どもたちの未来が「核兵器も核戦争もない平和な世界」にと、核兵器廃絶を訴え続けてきたことに誇りと確信を持ち、核兵器が一刻も早くこの地球上からなくなることを願って運動を続けていきたいと思います。

▲広島市の住民とともに平和を訴えてきました

なかまがいたからたたかい続けることができた

自治体病院を守る 愛媛 津島・吉田病院局労働組合 若藤美鈴さん

民間病院での勤務経験とあわせ助産師の資格も取得し就職。「自治体病院だから労働条件は守られている」と思っていましたが、年休取得さえ容易ではない職場に強い憤りを感じました。さらに医師不足が病院を襲い、患者への影響も出始めました。地域住民へ自治体病院の必要性を問うアンケートを行った結果、住民は公立病院を必要としてくれていました。住民と一緒になって訴える「住民の会」も結成。当時の病院では「院長不在」「病棟休止」「非正規職員の雇い止め」などが次つぎ起こっていて、「病院をなくしてはいけない」との思いで仲間と一緒にたたかい続けてきました。

運動を引き継ぐ職場の仲間に呼びかけたい。「役員だけががんばるのが組合ではない。みんなで目的に向かってすすんでいくことが大事。それが労働組合だ」

▲2006年3月11日 春闘決起集会で地域医療を守ろうと呼びかけました

人のつながりが運動の原動力

職場・労働条件の改善 かごしま自治労連 永谷吉和さん

自治労連県組織結成にむけ、2004年から「自治労連と共同する会」の7人で始めました。「資本からの独立」「政党からの独立」「一致する要求での行動の統一」の「労働組合の三原則」を実践できる喜びと、仲間を増やす困難さを痛感する日々でした。

労働相談や交渉を繰り返すことで、労働組合らしくなりました。当時、「かごしま公務公共一般」委員長の平原正憲さんは、人を引きつける不思議な魅力をもっていて、「何とかなるんだ」の言葉に、私も含めてやる気を引き出され役員になった方もいます。そんな人と人とのつながりが2017年の「かごしま自治労連」結成の原動力です。平原さんは志半ばで逝去しましたが、かごしま自治労連結成を彼に報告し、さらに前進していきます。

▲一歩ずつ要求実現をすすめてきたかごしまの仲間


新年を迎えて

2019年 政治を語り、政治を変え、くらしと仕事を変える転換の年に

自治労連中央執行委員長 猿橋 均

あけましておめでとうございます。

昨年1年間をあらわす漢字は「災」でした。選ばれた理由は、北海道や大阪北部の地震、西日本豪雨や台風の被害、記録的猛暑など、自然災害が続いたこと。しかし同時に、国会での多数を頼りに暴虐の限りを尽くした安倍政権の姿もまた、私たちにとって「災」そのものではなかったでしょうか。

秋の臨時国会でも、その姿が際立ちました。入管法、漁業法、水道法…いずれも今後の日本社会のあり方を変える重要な法案でしたが、「議論をしたらきりがない」というとんでもない言葉で、次つぎと採決が強行されました。

辺野古新基地建設問題では、沖縄県の「費用は当初の10倍以上、期間は少なくとも13年以上かかる」との道理ある指摘に対し「根拠がない」と切り捨て、美ら海に土砂の投入を強行、その一方で米普天間基地の返還期限の先延ばしを事実上容認しています。

こうした強権的な政治運営への怒りがまきおこり、「市民と野党の共闘」が発展し、国会内でも立憲野党の共闘が継続され、安倍首相自らが、憲法尊重擁護義務を放り出してまで前のめりとなった「憲法改悪」に向けた具体化を阻止できたことは、今後の大きな希望です。

今年は早々から統一地方選挙、そして初夏には参議院選挙が行われます。政治を変えて、職場やくらしを良くする絶好の機会です。

「政治を語ること」はもちろん、「政治を変えること」は、私たちだれもがもつ基本的権利です。この間公務職場で盛んに持ち出される「政治的中立性の確保」などは、この基本的権利を侵し、口を塞ぐものに他なりません。確信を持って、職場で、地域で大いに政治を語り、政治を変える権利を行使しようではありませんか。

2019年国民春闘では、改憲発議の阻止とともに、日本における異常な「働かせ方」について告発をすすめ、「生活改善できる大幅賃上げとあらゆる格差の是正」とともに、長時間労働をなくすたたかいをすすめ、「誰でも8時間働けば、普通に暮らせる社会」をめざす国民春闘に発展させること、そしてそのためにも、全労連・国民春闘共闘の仲間とともに、中央・地方で総力をあげましょう。

民間の仲間のたたかいを、単組と地域からしっかり支えるとともに、全国一律最賃制確立や、公契約運動、さらには安倍「働き方改革」阻止と結んで、公務に働く非正規の仲間の雇用や均等待遇確保を春闘要求としてかかげ、要求を集めて要求提出・交渉配置を、すべての単組ですすめましょう。

また、社会保障の拡充や、住民を支える地方行財政と職場の要員確保など、所得の再配分を行う施策や機能を高めてこそ、地域に広がる貧困の深化と格差の拡大を是正できます。「こんな地域と職場をつくりたい」=予算人員闘争をすべての単組・職場からすすめましょう。

今年もどうぞよろしくお願いします。


地域と地方自治を破壊に導く

「自治体戦略2040構想研究会」第二次報告書

「自治体戦略2040構想」は、高齢化がピークを迎え、若い勤労者が激減するといわれる2040年頃を「迫り来る我が国の内政上の危機」に対応するとして、自治体行政の基本的あり方を検討したものです。その内容とは…

総務省は昨年7月、「人口減少、少子高齢化」を理由に、今後の地域、地方自治体のあり方を示す「自治体戦略2040構想研究会」第2次報告書を発表しました。

この報告書をもとに現在、安倍首相の諮問機関である「第32次地方制度調査会」で法制化などの検討がされています。

報告書は、地域の衰退をもたらした原因である市町村合併、住民サービスの縮小、地方財政の削減、雇用破壊などの「構造改革」をさらに推しすすめ、地域と地方自治を破壊に導く内容になっています。

AIを活用して、自治体職員を半数まで削減

報告書は、「破壊的技術(AI・ロボティクス等)を使いこなすスマート自治体」へ転換するとし、人工知能(AI)を活用して、「従来の半分の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要」としています。

自治体職員の大幅削減、非正規職員の雇い止め、住民サービスの一層の低下をもたらすものです。

自治体の住民サービスを縮小して、民間に

報告書は「公共私によるくらしの維持」として、自治体を「新しい公共私相互間の協力関係を構築するプラットフォーム・ビルダーに転換する」としています。

「住民福祉の増進を図る」地方自治体の役割を縮小し、住民サービスを民間企業や住民に委ねるものです。

市町村の住民サービスを、「圏域」に統合

報告書は、「個々の市町村が行政のフルセット主義から脱却し、圏域単位での行政をスタンダードにする」として、自治体の住民サービスを、広域な「圏域」に統合するとしています。

住民に身近であるべき自治体の行政が、ますます遠ざけられることになります。


東京都政を都民の手に

第12回 東京地方自治研究集会 12月9日

▲明治大学リバティタワー、のべ800人が参加

第12回東京地方自治研究集会が12月9日に開催され、集会実行委員長として黒田兼一・明治大学教授が開会あいさつと基調報告を行い、記念講演では岡田知弘・京都大学大学院教授が、安倍政権の地方制度改革、「戦争ができる国」づくりを前提とする道州制の導入と地方創生や、「自治体戦略2040構想」の問題点を指摘しました。

岡田教授は「憲法にもとづく国民主権と住民自治をもとに、地域循環型の経済、住民の意思が反映する自治体運営を再構築するために自治研活動が重要だ」と強調。午後からは8つの分科会と講座に分かれて、活発な意見交換が行われました。


すすむ非正規公共(48)

念入りに準備し団交にのぞむ

結城市非正規職員労組 茨城自治労連

▲新しい体制で初めての団体交渉

結城市非正規職員労働組合は、市内の学校司書のみで活動していた結城市嘱託職員労働組合に、2020年会計年度任用職員制度の導入を控え、保育所関連の職員が加わり、新体制で昨年9月より活動しています。

未来を担う子どもたちのより良い成長を支えることを業として、日々業務に邁進しています。組合活動が初めての組合員が多いなか、互いに連絡を密に取りながら、茨城自治労連や結城市職員組合からも助言をもらい、活動しています。より良い業務には、雇用の安定が欠かせず、それが揺らぐと、業務にも支障が出かねません。会計年度任用職員制度導入のニュースは、私たちの不安をかき立てました。

今年度は、会計年度任用職員制度も念頭に置きながら、要求書の作成や団体交渉にのぞみました。

当日、スムーズに交渉にのぞめるよう、心構えや交渉のすすめ方を結城市職の方に教わり、それを踏まえた上で、打ち合わせを行いました。質問事項、発言者の順番や発言の流れも、予め決めてから本番をむかえました。

団体交渉当日は、たたかいに挑むような気持ちで会場に向かいました。ですが、当局は、私たちの質問に対して一つひとつ丁寧に答えてくれ、安心しました。

今回の団体交渉により、会計年度任用職員制度についての理解が深まり、また、当局の方々の人となりが直接うかがえたのも良かったと思います。今回の経験や反省を今後につなげ、要求実現のためによりいっそうがんばってまいります。


人へのLove&Passionで花開く憲法

新春インタビュー

▲白藤博行さん(行政法学者)自治労連・地方自治問題研究機構運営委員

白藤博行さん(専修大学教授)に大下真一さん(自治労連青年部部長)と柘植陽介さん(自治労連青年部常任委員)が尋ねました

身近なことから考えよう憲法のめざす社会

青年部 自治労連青年部で青年アンケートにとりくみましたが、憲法や平和といったことに関心が薄いことがわかりました。憲法を身近に感じ、関心をもってもらうにはどうすればいいですか?

白藤 日常の生活と憲法が結びつくかどうかが、憲法への理解が深まる一つの機会でしょう。自分が学生だったころ、週刊誌『朝日ジャーナル』を抱えて「平和と戦争」などの社会問題、「愛とは何か」を語り合う世相でした。そういう経験のなかで、「なんだ、大事なことが憲法に書いてある」と、憲法の大切さを発見したものです。それだけ時間も機会もありました。

ところが、博報堂生活総合研究所・博報堂ソロ生活者研究ラボの調査で、26年前に比べて「愛」よりも「金」を信じる独身者が圧倒的に多くなっていると。調査は「参考までに」ですが、重要な問題を含んでいます。

ある政治家・大臣は「人口減少社会は問題だ」と言い、「最近の若者は結婚をしない」と言う。そして「生産性がない」とふざけたことを言います。

現実の社会はどうでしょうか。競争試験に煽られる、非正規労働者の増加、懐も厳しければ、「平和とは」「愛とは」といういろんなことを考える余裕もないというのが実態でしょう。こうしたなかでは、「憲法が花開く」ことは大変難しいでしょう。

「いったい何がもっとも大事なのか」を考えるなかから、「身近な憲法」となるのではないでしょうか。

現場目線の実践で憲法の価値を満たす

青年部 憲法は仕事に関係するものですが、ただ実際のところ、職場では憲法への理解を深める機会はなく、労働組合がその機会になります。白藤先生から「大切な視点」をお話しいただけますか。

白藤 たしかにそうなのかもしれませんね。ただ、個別の法律やみなさんの自治体で定める条例というのは、憲法が定めた価値や理念を具体化するためのものです。

ですから本来はみなさんのところで、法解釈をし、憲法から見て、法律の足りていないところを条例で満たすといった住民のための仕事をしなければならないと思います。私たち学者や法律家は上からの目線で法解釈をしているところがあります。だからこそ、みなさんの目の前の現場、その目線での法解釈が必要で、それがないと、憲法から見ておかしな法律、あるいは法解釈になります。

みなさんの仕事は、住民の生活、そして「幸福」にかかわる大変重みのある仕事です。ぜひ、「いったい何がもっとも大事なのか」という問いを自らにたて、仕事をしていただきたいです。人に対するLove(ラブ)&Passion(パッション)の実践に挑戦してください。


さらに広げよう3000万人署名

政府「改憲案」提出断念

「改憲させない」国会前緊急行動

▲議員会館前の「改憲案提出するな」の緊急抗議行動に300人が集まる

12月6日、総がかり行動実行委員会は「自民党の改憲4項目の提出を許すな」と緊急の抗議行動を開き、「市民と立憲野党の奮闘で憲法審査会開催を断念させた」と報告。

雨の議員会館前に駆けつけた300人を前に、「九条の会」の小森陽一事務局長は「憲法違反の政治を続ける安倍政権に、憲法に手を触れさせるわけにはいかない。いま全国で3000万人署名が広げられている。青森の全戸訪問による署名行動、熊本の参院選の野党統一候補の選出など、安倍政権の9条改憲を許さないたたかいが広がっている」と訴えました。


チームワークの力で連覇 京都市職労チーム

熱く、楽しく、全力でプレー

第30回自治労連全国スポーツ大会 バレーボール in 福井市

▲京都(奥・赤のユニフォーム)と静岡との決勝戦

第30回自治労連全国バレーボール大会を12月6~8日、福井県福井市内で開催しました。

各地方の予選大会を勝ち上がった12チームによる熱戦は、昨年初優勝を果たした京都市職労が見事連覇を達成。各チームとも全力プレーを展開しました。運営では、地元福井や自治労連東海北信ブロックの愛知、富山、石川の仲間、地元の審判団やボランティア高校生たちも大奮闘。

閉会あいさつでは、東海北信ブロックの長坂圭造議長が「大会は組合員同士の交流・団結を深め、自治労連運動の前進を目的にしています。労働組合として、みんながスポーツ・文化を楽しめる時間がつくれるよう、労働条件改善に向けて、ともにがんばろう」と訴えました。


今月の連載・シリーズ

図書館の本棚
12冊目
井上ひさし・樋口陽一 著
「日本国憲法」を読み直す

岩波現代文庫 2014年7月 302ページ 定価:1040円+税 講談社:1994年1月 定価:1553円+税

いい旅ニッポン見聞録
第34録
猪に乗って疾走する摩利支天
智慧と勇敢さの象徴 必勝祈願に大人気

東京都台東区上野・京都市東山区

かがやきDAYS
〔53〕
京都市職労 岡田 巧さん
いつかはトップでチェッカーフラッグ
まちコレ
Collection53
うレシピ
第84品
福島・郡山市職労 山内 恵美さん
みそかんぷら

ほっくり揚げるのがみそじゃが

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