第35録 金華山の麓に残された古い町並みの川原町
2019年2月号 Vol.543
戦国時代の要衝として栄える
金華山の麓に残された古い町並みの川原町
岐阜市「川原町」
▲岐阜公園から金華山を望む
岐阜市内を一望できる金華山。そのふもとを流れる清流・長良川。
長良川と言えば、鵜飼と言われるくらい有名ですが、川原町に船着き場がありシーズンには多くの人で賑わいます。
このエリアは、金華山に建つ岐阜城(1956年に天守閣のみ再建)の城下町にあり、斎藤道三や織田信長が城主として支配した戦国時代からの要衝であり、川原町は長良川の重要な港町として奥美濃からの木材や美濃和紙が陸揚げされ、それを扱う問屋町として栄えたといいます。
特に、美濃和紙は岐阜提灯、岐阜和傘、岐阜うちわなど伝統工芸には欠くことのできないものでもあります。こうした地の利を活かして、川原町が工芸品を生んだともいえます。
川原町といっても、実は湊町・玉井町・元浜町の3つのエリアの総称です。この地域は戦中の岐阜空襲から奇跡的に逃れることができたことから、現在も格子戸のある家屋や狭い間口に長い奥行きという昔ながらの日本家屋が残されました。
岐阜公園から長良橋の脇に入るとすぐに、鵜飼観覧船乗り場が見えてきます。川原町の古い町並みはその先にあります。
町並み散策、鵜飼、温泉に夜景を楽しむ
この町並みを歩いてみると、伝統工芸品の「岐阜うちわ」を製造販売しているお店や岐阜銘菓「鮎菓子」で知られる和菓子店、飲食店などが、モダン&レトロな雰囲気を残したまま営業しています。
鵜飼は5月中旬から10月中旬頃がシーズン。長良川の鵜飼は岐阜の夏の風物詩として受け継がれ、1300年以上の歴史があります。
かがり火の船に伝統装束に身を包んだ鵜匠が「ほうほう」と声をかけながら鵜を自在にあやつって鮎を狩ります。
散策スポットとして、岐阜城のある金華山が目の前にあります。金華山に登るハイキングコースやロープウェイもあります。
金華山の山頂から見る風景はすばらしく、夜景スポットとして有名です。この地は温泉地でもあることから、多くの宿泊施設もあります。
古い町並み、鵜飼や金華山、岐阜城など、悠久の歴史に思いをはせつつ、温泉につかり、食と景観を楽しめる旅もできますよ。
▲空襲を逃れた古い町並みに残る格子戸の日本家屋
見聞録メモ
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバス、「岐阜公園・歴史博物館前」下車 徒歩3分
バス料金:片道210円 運行間隔:約5分毎 所要時間:15分