沖縄県民投票で埋立て「反対」が圧倒的多数 辺野古新基地建設を中止し、ただちに普天間基地の閉鎖・撤去を(談話)
2019年2月25日
書記長 中川 悟
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設のための埋立てについての賛否を問う沖縄県民投票が、2月14日告示、24日投票で行われ、埋立て「反対」が圧倒的多数となった。
自治労連は、辺野古新基地建設に反対し、普天間基地の閉鎖撤去を求める沖縄県民の民意の寄り添い、沖縄県民投票を成功させるために支援することを確認して、共同を広げて奮闘していくことを呼びかけた。そして、自治労連として現地支援行動をはじめとするさまざまな行動にとりくみ、県民投票成功のために力を尽くした。
「辺野古に新基地はつくらせない」「普天間基地は閉鎖・撤去を」という圧倒的な民意を示した沖縄県民に心からの敬意を表するとともに、県民投票成功のために全国から現地にかけつけ、また、それぞれの地方から支援していただいたみなさんに、心からの感謝を申し上げる。
沖縄県民投票は、投票者数が60万5394人(投票率52.48%)で投票資格者総数の半数を超えた。辺野古新基地建設のための埋立てに「反対」が43万4273票で、有効投票総数の72.15%で、「賛成」11万4933票(19.10%)、「どちらでもない」5万2682票(8.75%)を大幅に上回り、圧倒的多数を占めた。
今回の県民投票についての条例では「最も多く得票した選択肢が、投票資格者総数の4分の1に達したとき、知事は結果を尊重しなければならず、日米両首脳に結果を通知する」ことを定めている。「反対」が4分の1(28万8398票)を大幅に上回っただけでなく、昨年9月の沖縄県知事選挙で玉城デニー知事が獲得した過去最多の投票数(39万6632票)も上回り、明確な民意を示す結果となった。加えて、41市町村すべてで、「反対」が「賛成」「どちらでもない」を上回った。一方、政権与党は姑息にも自主投票の立場を取り、その正当性を県民投票で堂々と訴えることも、県民と話し合う役割も放棄した。これらは、安倍政権の強引な埋め立て政策が民意によって完全に否定されたことを意味する。
さらに、建設工事の実現性も大きく揺らいでいる。政府は、建設予定海域に想定外の軟弱地盤が広がることを2016年には把握していながら、それを隠し続けたが、今年1月になってようやくその存在を認めた。しかも、その改良工事には、最大で水深90メートルに達する海底の地中に約7万7千本もの砂杭を打ちこむ必要があることが判明している。このような大規模かつ困難な地盤改良工事は世界的にも例がない。建設費は県が試算した2兆5500億円よりもさらに膨らみ、また、建設工期は13年以上とも15年以上とも言われるほど長期化すると見られている。
県民投票で示された明確な民意からも、建設工事の実現性が大きく揺らいでいることからも、新基地建設は完全に破たんしたことは明らかである。
安倍政権は、県民投票の結果にかかわらず、米軍・辺野古新基地米軍新基地建設工事をすすめるとしているが、明確な民意が示されたうえで、なおも辺野古新基地建設を強行するというのなら、もはや民主主義国家を語る資格はない。
民主主義と地方自治を守るのならば、いま日本政府が行うべきは、沖縄県民の示した民意に真正面から向き合い、ただちに辺野古新基地建設を中止し、また、普天間基地の閉鎖・撤去に向けて米国政府との協議を行うことである。
今回の沖縄県民投票の成功は、沖縄の未来を拓くだけにとどまらず、2014年の沖縄から始まった市民と野党の共闘をさらに強いものとし、7月の参議院選挙を見据えた市民と野党の前進にとっても大きな推進力となる。
自治労連は、沖縄県民投票の成功を新たな確信として、沖縄県民と玉城デニー知事を支え、また、引き続き、市民と野党の共同の力で辺野古新基地建設阻止と普天間基地の即時閉鎖・撤去、安倍9条改憲反対のたたかいをすすめ、憲法と地方自治を守り発展させる運動に全力を尽くすものである。
以上