自治労連・教育部会が第24回要求・闘争集会を開催
自治労連教育部会の第24回要求闘争交流集会が、2月24日に自治労連会館で開催されました。全国から9地方組織・13単組のほか、市民団体や研究者が参加しました。
集会は本部を代表して小泉中執のあいさつを受け、竹田副部会長から問題提起を行いました。情勢について、改憲と沖縄辺野古での基地建設を強行しようとする安倍政権と国民との矛盾の拡大にふれ「2019地方財政計画」「自治体戦略2040」構想の問題点を指摘。社会教育・生涯学習をめぐる動きでは、埼玉県での「公民館だより俳句不掲載問題」に俳句作者である原告の勝利判決が確定したこと、指定管理者制度の問題点と、図書館や公民館などには「トップランナー方式」適用を見送るという当時の総務省報告を再確認しました。
学校図書館をめぐっては、小学校では2020年度から適用される新学習指導要領で「学校図書館の計画的利用」などが盛り込まれるもと「専任・専門・正規」の学校司書の配置が必要であると強調。さらに国や首長、上司の意向ではなく住民の学習権・知的自由を保障する社会教育の実践に向けての取組みと、それを担う職員を支える労働組合の強化を呼びかけました。
続いて、千葉大学名誉教授の長澤成次さんが「公立社会教育施設の首長部局移管問題と自治体社会教育の課題」と題して記念講演。社会教育をめぐる国の動向としては2006年の教育基本法「全部改正」が一つの節目ではあるが、それに先立つ1999年の地方分権一括法による社会教育法改正にさかのぼることを確認し、昨年12月の中教審答申の問題点を指摘しました。長澤名誉教授は「社会教育でのクラウドファンディング活用が言われているが、これでは住民の学習権を保障すべき社会教育職員が『財源担当』となりはしないか、また首長部局への移管に際し『教育委員会の関与を担保させる』などとしているが、そうであればわざわざ移管しなくてもよいのではないか。社会教育が『住民の学びの保証』ではなく『観光』や『稼ぐ』分野に変質するのではないか」と強調しました。
午後は記念講演を踏まえ、参加者が自分たちの職場・地域の現状や運動について交流・討論しました。千葉県君津市からは、公民館の現状と実践を報告。防災関連事業として被災時のトイレ対策の取組み、地元企業であった松本ピアノの修復や公民館裏山のあずまやの茅ふき屋根の葺き替えなど、「貸し館」ではない地域に密着した講座などの取組みを紹介しました。郡山市からは、「会計年度任用職員」への移行に際しての不安や、市長自ら「公民館は貸し館でよい」と発言したことを報告。広島市の参加者からは、職場のパワハラ・セクハラについての報告もあり、今後の取組みについて意見交換を行いました。