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防災のまちづくりを考える学習会を開催(大阪・防災まちづくり研究会)

 大阪自治労連と住民団体でつくる「防災まちづくり研究会」は3月5日、大阪北部地震、大型台風など災害の教訓をふまえ、「防災問題を考える学習会」を開催し、住民、自治体職員など約40人が参加しました。

 主催者を代表して荒田功大阪自治労連委員長は「2011年に東日本大震災が起き、その教訓を踏まえて取り組みを推進しようと『防災まちづくり研究会』を設置し、PARTⅢまでとりくんできた。2011年末に大震災を想定した防災に対する各自治体の現状を住民の目線から調査し、2012年3月に防災に向けた提言を発表した。調査を通じて1995年の阪神大震災以降、大阪府域の自治体の防災対策は何もできていなかったことがわかった。熊取町にある原子炉研究所や福井の原発、大阪湾のコンビナートが、地震や津波の時にどうなるのか心配だ。住宅密集市街地における火災の危険性、山間部における自然災害を踏まえない宅地造成など、問題点、課題も調査してきた。3・11を忘れてはならない。また、昨年の災害を通じて、自治体職員の削減、非正規化で、住民の安全、くらしを守る自治体の役割を果たせない実態も経験した。これをどう克服するのかが課題だ。特に維新政治でいのちが軽んじられており、大阪の防災対策の遅れは明らかだ。今後も研究会を開催して防災問題にとりくんでいきたい」とあいさつしました。

 

 研究会では、東大阪市防災研究会の岩野さん(東大阪市職労)が、市域の災害調査の取り組みについて、泉州の地域医療を守る会の池尾さんが、大阪府南部の沿岸にある泉州地域8市4町の自治体と懇談した結果を踏まえて実施した大阪府との交渉について報告。他にも大阪自治体問題研究所、国土交通労組、大阪府職労などの代表が発言しました。

地域で、市民の視点に立って、政策づくりの議論を進めよう

 討論のまとめで中山徹大阪自治体問題研究所理事長は、「阪神淡路大震災から25年たっているが、いまだに防災対策は自治体の第一義的課題にはなっていない。ブロック塀や避難所対策の遅れが被害を拡大した。大震災では大規模開発優先の復興が進められ、これで市民は立ち直れるのか疑問があった。いまから臨海部に巨大な集客施設をつくり、地下鉄や高層ビル建設に1000億円以上も使ってしまうのは問題だ。防災は市民の視点に立てば矛盾なく政策づくりができる。地域に公園をつくるのも、学校にクーラーをつけるのも、防災の観点で考えることが必要だ。農業も、再生可能エネルギーも、地域ごとに市民の視点で考えれば、防災と環境改善を一致させて議論できる。工学など自然科学に加え、社会科学的な議論を体系的、実践的に進めることが必要だ。防災のまちづくりへ、市民に展望を示していけるようにするのが研究会の課題だ。地域の人も行政の人も、いろんな立場から参加してほしい」と結びました。

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