第20回公衆衛生全国交流集会を開催
3月2~3日、神奈川県横浜市内で第20回公衆衛生全国交流集会(主催:実行委員会・自治労連公衆衛生部会)が開催され、地方組織や本部から57人が参加しました。
はじめに主催者を代表して公衆衛生部会の石原昭彦部会長は、「昨年は大きな災害が各地で発生したが、とりわけ公衆衛生に従事する保健師をはじめとした医療・技術職の活動は被災者のいのちと健康を守ることに重要な役割を果たしている。一方、地方への締め付けなど公務労働者をとりまく状況は厳しくなっている。住民のいのちと住民がいきいきと暮らせる地域を守っていくことができるよう集会で学び、社会保障、公衆衛生を守る運動をすすめよう」とあいさつしました。
篠崎次男さん(元立命館大学教授)が、「公衆衛生解体の危機と自治体労働者」と題して記念講演を行いました。篠崎さんは、これまで社会保障の自己責任化がすすみ、公衆衛生が切り崩され、保健師など公衆衛生関係労働者の役割が軽視されてきた経過を述べ、「現状として保健師不足がすすんでいる。自己責任論に対応した業務を見直し、地域住民のいのちと健康を守るための保健行政となっていくべき」と強調しました。
公衆衛生部会・山口事務局長が問題提起を行い、「安倍政権が社会保障制度の改悪や公的サービスの産業化をすすめるもと、保健所をめぐっては中核市移行による保健所設置の問題がある。特例市の経過措置が終了する2020年4月までに旧特例市の中核市移行が加速していく中、保健所機能や住民サービスの低下を招かせないとりくみが必要」と述べました。
神奈川県獣医師会の深作恵獣医師が、「ペットの災害対策」について現地報告を行い、「被災地では誰もが被災者だということを忘れず、飼い主は自分が何を用意しておき、どう避難するかなど考えておくことが必要」と話しました。
久保貴裕自治労連中央執行委員が「安倍政権の、くらし・地方自治破壊を許さず、憲法に基づく、公衆衛生・保健所業務の充実を」と題して講演。「自治体戦略2040や会計年度任用職員制度移行を理由とした窓口業務等の包括委託など、住民サービスが住民から遠ざけられ、本来の自治体の役割や機能が変質させられようとしている」と話しました。
2日目には、「貧困と公衆衛生」と題して波川京子教授(川崎医療福祉大学)が講演。貧困と健康格差について説明した上で、「貧困に陥る危険を予防し、貧困からの脱却を支援するのが社会保障の目的の一つ。不健康から貧困、貧困から不健康という負の連鎖を断ち切るためにも公衆衛生は重要な役割を持っている」と語りました。
2日目午後には、豊洲市場を見学を行いました。、