見て、触れて、聞き、考える自治体の役割
東海北信ブロック 職場・地域からまともな労働組合運動をすすめる交流集会
▲1日目の全体会
2019年東海北信ブロック「職場・地域からまともな労働組合運動をすすめる交流集会」(元気集会)が5月25~26日に石川県白山(はくさん)市白峰で行われ、8県から70人が参加しました。また、この集会は「青プロ(青年未来づくりプロジェクト)」のプレ企画と位置づけて開催しました。
人口減と公共サービス低下は政治問題
全体会
白山市は、平成の大合併で1市2町5村が合併し市域面積755平方キロ、人口11万3417人(2019年4月現在)になりました。今回の集会は、合併から14年目で65歳以上の人口が43%になっている白峰地区(旧白峰村)で、学び体感して何を感じるのか、それを率直に交流する場になりました。
地元の「NPO法人白峰まちづくり協議会」の織田捷二理事長は、合併を「苦渋の決断」としながら、合併後は「白峰温泉総湯」「伝統的建築地区」等の整備を行い協議会で運営していることや、保育園や学童などを市から受託し運営していること、小水力発電のとりくみも紹介。現在の課題は「若者の仕事を増やすこと」「市が保育園の合併を迫っているが、子どもの声がない所は衰退する。若者が帰ってきて子育てできるようにするため絶対に合併させない」と語りました。
金沢大学の西村茂名誉教授からは、白峰地区を含む旧村の住民アンケートをもとに、役場の廃止、支所も翌年廃止、サービス窓口を残すのみになったことに「不便になった」「職員が地域のことをよく知らない」などの声を紹介。広域合併のもとでも「物理的な分権(施設、職員の充実)、住民代表制度(自治区)を求めていこう」と呼びかけました。さらに「人口減は自然の流れではない。政治の問題である」と結びました。
▲金沢大学 西村茂名誉教授
▲NPO法人白峰まちづくり協議会 織田捷二理事長
住民と語り、合併後の変化に触れる
まちなかウォーク
集会2日目は、白峰のまちを散策する「まちなかウォーク」を行い、合併後にまちがどのように変化したのか班に分かれて見て回りました。
班のリーダーは事前にLINEでグループを作成、見て回った場所の写真を共有します。また、住民にも話しかけ、生の声を聞きます。終了後の感想交流会では、LINEで共有した写真をプロジェクターで映しながら各班報告を行いました。
参加者からは「役場、中学校などが廃墟になっており、自治体の機能がないことを象徴していた」「まちの入口にあるはずのドライブインが更地になっていた」、住民からのヒアリングでは、「商店がほとんどなくなり、買い物に2時間かけて行っている」「役場とJAがなくなり、働く場を求めて引っ越した家族が何軒かあった」などの話を聞き合併後の変化を肌で感じました。
集会終了後は、東海北信ブロック第3回「青プロ」実行委員会を開催し、2日間を通しての意見交換を行いました。
2020年の「青プロ」にむけては、この集会での体験をふまえた企画を各県で立案し、次回の実行委員会でプレゼンを行います。
▲2日目の「まちなかウォーク」。住民から生の声を聞きました