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新自由主義から公共サービスを守ろう 世界の仲間と連帯深める

自治労連・自治労連共済30周年・地方自治問題研究機構20周年記念 国際シンポジウム

▲左から猿橋均執行委員長、榊原秀訓さん、マーク・ウッドさん、ブライス・カーターさん、イ・テシクさん、松繁美和副委員長、中川悟書記長
●パネリスト
ユナイト・ザ・ユニオン(英)
 全国執行委員 マーク・ウッドさん
米電気機械無線労組(UE)
 150支部 委員長 ブライス・カーターさん
韓国・公共運輸労組全北平等支部
 組織局長 イ・テシクさん
自治労連
 松繁 美和 副委員長
 中川  悟 書記長
●コーディネーター
自治労連地方自治問題研究機構
 代表委員 榊原 秀訓さん(南山大学教授)

自治労連は、都内で5月19日、「新自由主義のもとでの公共サービス破壊に立ち向かう公務労働者」をテーマにアメリカ、イギリス、韓国の労働組合を招き、国際シンポジウムを開催。世界規模で広がる民営化などの問題に対して、住民サービスと公務・公共職場を守るとりくみと、労働組合の役割の重要性について交流しました(海外代表の報告はこちらの記事で紹介)。

公共サービス破壊に世界でNOの声あがる

「政府の交付金が削減され、世帯あたりの地方自治体の支出額が平均23%減少した。国民の5人に1人が貧困状態です」とマーク・ウッドさんは、1980年代以降、保守党政権がすすめてきた緊縮政策による英国内の現状を報告。ブライス・カーターさんとイ・テシクさんも事例を示しながら、新自由主義政策がかかげてきた福祉・公共サービスの縮小と民営化、グローバル化、規制緩和、労働者保護廃止の拡大を批判しました。

韓国内で拡大してきた非正規労働者の雇用安定と正規化や賃上げ・制度改善などにとりくむイ・テシクさんは、上水道委託阻止や、民間委託されたゴミ処理施設での賃金・労働条件の継承や責任ある施設管理を求めるたたかいを報告。

ブライス・カーターさんは、黒人差別の実態やハリケーン被害からの復興を口実にした民営化が広がるなかで、労働組合が政治や社会運動とも結びつけながら、賃上げや労働安全衛生、そして、国民皆保険やインフラ整備にもとりくむ重要性を訴えました。

▲全労連会館で開催されたシンポには全国の仲間98人が参加
新自由主義を許さずグローバルな運動を

シンポジウムの最後に、コーディネーターの榊原秀訓南山大学教授は、「各国の事例と労働組合のとりくみを聞き、大変参考になった。新自由主義政策をすすめる保守党や台頭する極右政党の下で、国や自治体にさまざまな問題が起こっていることが明らかになった。公務を民間企業に委ねた場合、企業の営利が拡大するだけでなく不正・癒着もおこることも分かった。これに対して労働組合が地域住民と協力することで、経済的・社会的・政治的にとりくみながら、グローバルな運動を展開してくことが必要だと確認できた」とまとめました。


国境を越えた交流に共感広がる

国際シンポジウムの翌日、ブライス・カーターさんは福島県を訪れ、原発事故によって住民の避難が続いている被災地を視察しました。

富岡町では、高線量のため立ち入りが制限されている夜ノ森(よのもり)地区の境界線や避難命令が発令された当時の状態を留めた富岡第二中学校の体育館を訪れました。住民の姿がなくなった町と大型ハリケーンによって壊滅的な被害を受け、避難を余儀なくされた故郷ノースカロライナ州の姿を重ね合わせ、「とても心が痛む。一日も早い復興を願う。福島の状況をアメリカの仲間にも伝えたい」と感想を語りました。

マーク・ウッドさんとイ・テシクさんは広島県を訪れ、広島市内に残されている戦争の跡や原爆資料館、平和記念公園を見学しました。戦争と原爆によってもたらされた凄惨な歴史を肌で感じる視察となりました。

▲[福島] 原発事故当時のまま残された体育館を視察するブライス・カーターさん

▲[広島] 原爆資料館を見学するマーク・ウッドさんとイ・テシクさん

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