自治労連が新型コロナウイルス感染症対策で総務省へ要請書を提出
安倍首相による小中高校の一斉休校が要請される中、自治労連は3月2日、総務省に対し緊急の要請に取り組みました。自治労連からは長坂副委員長ら5名が参加、総務省公務員課からは池田課長補佐ら2名が対応しました。
要請では、①地域の特性に合わせた住民の安心・安全の確保、②地方自治の役割の尊重について、要請項目(下記)にもとづき総務省の積極的な対応を求めました。
さらに、3月1日に、総務省が「新型コロナウイルス感染拡大防止において出勤することが著しく困難であると認められる場合の休暇の取扱いについて(総務省公務員部長通知)」が、技術的助言として既に各都道府県知事・各指定都市長・各人事委員会委員長に通知されたことに関しても口頭で要請。
総務省は地方自治体からの声として、「各自治体からは具体的にどの休暇を使えばよいのか、子の看護休暇なのかどうか、といった問い合わせが多数届いている。(非正規職員に)制度が準備されていない自治体もあると思うが十分な確認はしていない。そういったところを含めて対応してもらいたいと言うのが今回の通知である」と述べ、改めて非正規職員に対する措置への対応が盛り込まれた通知であることを確認しました。
最後に、「基本方針の策定」も走りながらやっている部分が非常に多いとする総務省に対し、「基本方針」のすすめ方が、地方自治の本旨から逸脱しているのではないかと指摘し、引き続き必要な意見交換の場を設けることを確認し懇談を終えました。
2020年3月2日
総務大臣 高市 早苗 様
日本自治体労働組合総連合
中央執行委員長 桜井 眞吾
新型コロナウイルス感染症への対応に係る要請書
地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
新型コロナウイルス感染症に関わっては住民の不安が広がっており、感染予防や風評被害の拡大防止が重要となっています。2月27日に安倍総理大臣は学校の臨時休校を要請し、これを受けて総務省からも職員の柔軟な勤務態勢の確保を通知されています。
臨時休校要請に関わって、全国市長会の谷畑副会長からは、「内閣総理大臣による地方自治への不当な介入であり、土足による蹂躙でもある」との意見も出されており、地方自治の本旨を尊重した対応が必要です。
休校への賛否がある中で、安倍首相はすべての学校の臨時休校を要請する一方、保育や学童保育は対象外となっており、受け入れる子どもや職員への感染予防や安全確保の面でも、緊急の対応が必要です。
この間の相次ぐ行政改革の強要により、医療・公衆衛生機関が縮小・廃止・民営化されたことや、定員削減政策等、地方自治体職場はギリギリの体制となっており、緊急事態への対応に苦慮しています。一方で、学校に通う子どもを持つ職員は、唐突な臨時休校への対応に苦心している状況です。
この緊急事態に対応するため、以下の項目について真摯に検討されるよう要請します。
記
1.住民の不安解消、感染予防、風評被害の拡大防止のため必要な情報を適切に提供すること。また関係省庁にもその旨を要請すること。
2.保育や学童保育は一斉休業の対象外となっており、地方自治体の判断により開所する場合、受け入れる子どもや職員への感染予防、安全確保のために必要な人員体制、予算等を確保すること
3.休校措置により必要となった経費については国が財政負担すること。
4.国土交通省が発注する工事について、一時中止や延期の措置をとることとされているが、地方自治体に一律に強制せず自主的な判断に委ねること。また一時中止、延期に伴い生じた経費は、国が財政負担すること。
5.このような緊急事態に対応できるよう、医療・公衆衛生職場の充実・強化を行うこと。
以 上