住民とともに守ろう公立・公的病院
424公立・公的病院統合・再編問題 各地ですすむ要請・懇談 岩手自治労連
▲2月29日に行われた「地域医療を考えるシンポジウム」に住民など200人が参加
厚生労働省が「再編・統合が必要」と全国424の公立・公的病院を名指した問題で、岩手県では県立病院、国立病院機構、市町村立病院など、10の病院があげられました。地域の実情をまったく無視した一方的な公表に、住民や当該病院長、自治体首長、県知事などが疑問や懸念の声を上げました。
名指し撤回の署名と各地で懇談すすめる
この間、岩手自治労連は、「再検証撤回署名」にもとりくみながら、県労連、医労連、県医労、県社保協や「地域医療を守る連絡会」とともに各病院長との懇談を行いました。
面積が広く、中山間地が多い岩手県では県立病院や市町村立病院の存立はまさにいのちに係わる重要な問題です。名指しされた病院のある地域では、住民や患者を対象にした「地域集会」もすすめてきました。
2月29日、奥州市内で、「地域医療を考えるシンポジウム」が開催され、岩手自治労連の仲間も参加しました。
国がつくった医師不足と赤字経営
集会では、本田宏氏(医療制度研究会副理事長)が講演。「医師不足と病院の赤字経営はだれがつくったのか、それは国です」ときっぱり。「医師は偏在ではなく、そもそも不足している」と強調。再編・統廃合を名指しされた県内10の公立・公的病院の状況にもふれながら、医師や医療従事者の苛酷な勤務環境の改善を訴えました。
身近にある病院 減らしてはいけない
講演後は、岩手県保健福祉部医療政策担当者や小沢昌記奥州市長、患者、市民、名指しされた県立江刺病院の看護師が発言しました。市民の佐々木卓さんは「多くの市民が頼りにしている。困った時に身近にある病院を減らしてはいけない」と涙ながらに訴えました。看護師の千葉紀美子さんは「医師不足、看護師不足を解決していかなければ、現在の体制そのものも保てない」と実態を報告。改めて地域医療のあり方を考えました。