主張 最低賃金引き上げ
公務と民間労組共同のとりくみで賃上げ闘争の推進を
最低賃金引き上げは世界の流れ 日本は最賃改定示さず
新型コロナ危機は、すべての労働者と、特に最低賃金ぎりぎりで働く労働者の生活と雇用を直撃しています。最低賃金は、こうした状況だからこそ格差と貧困を解消するために引き上げることと、全国一律最賃制度の確立、地域間格差の是正こそが求められます。
欧米各国は、2008年のリーマン・ショックの際も労働者の賃金を引き上げて、内需を拡大してきました。今回のコロナ危機のもとでもオーストラリア1.75%、イギリス6.2%、アメリカのコロラド州など4州で15㌦(約1600円)に最低賃金を引き上げています。同時に欧米や韓国では、最低賃金の大幅改善とセットで中小企業支援を経済対策とし、雇用も賃金も守り、経営も安定させていく動きになっています。
しかし安倍首相は「今は官民あげて雇用を守ることが最優先」とし、中央最低賃金審議会は、7月22日「賃金額改定の目安は一致をみるに至らなかった」と答申しました。
自治労連は、全労連の最賃1500円と全国一律最賃制の運動を積極的に受け止め、全国各地域で最低生計費調査に積極的に参加し、非正規・公務公共関係労働者の均等待遇や賃金改善などにとりくんできました。こうした地方の運動と世論もあり、多くの地方審議会で、わずかですが最賃額が引き上がりました。
今こそ、公務公共関係労働者の賃上げを
人事院は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて今年の勧告に向けた民間給与実態調査について一時金調査を先行し、月例給の調査を「8月17日から9月30日の45日間実施する」としています。
20国民春闘状況は、7月6日の連合集計5506円(1.90%)となる一方、全労連・国民春闘共闘の7月3日の最終集計の加重平均6235円(2.12%)となりました。コロナ危機のマイナス影響を受けているもとでも、中小企業などの奮闘で前年並みの回答水準を確保しています。
勧告が遅れるもとでも9月段階から学習・意思統一をすすめましょう。確定闘争に向け、地域間格差の是正や初任給の引き上げをはじめとした賃上げと労働条件、とりわけ、非正規公務員や委託労働者の雇用安定と労働条件の底上げを求めていきましょう。