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住民、職員のいのちと健康を守りぬこう

保健師を増やし保健所も増やそう 大阪府職労

▲植村さんが勤める藤井寺保健所は全体で70人ほどの体制

新型コロナ感染防止対策に力を注ぎ、住民のために職員が安全に安心して力を発揮して働き続けられる職場が必要です。「行政改革」の名のもとによる人員削減・統廃合で人員が不足するなか、奮闘する保健所の様子と、大阪府職労が集めた職員の声ととりくみを紹介します。

▲大阪府職労 植村 亜由(あゆ)副委員長

公衆衛生守る保健所の体制強化をただちに

連続勤務の保健所 休憩もままならず

大阪府職労副委員長の植村亜由さんは、保健師として、問い合わせ対応から検体の採取、濃厚接触者・無症状者への対応を行っています。植村さんの本来業務は難病・小児病支援ですが、4月から応援チーム10人の1人として、感染症チーム7人とともに担当しています。

「保健所の電話は常に鳴り続けており、『なぜPCR検査を受けさせない』と怒鳴られることも。昼食や休憩もままならない状態が続いています」と植村さん。

「私たち応援チームはまだよい方です。感染症チームは、ホテルで療養する軽症者の急変対応もあるため、24時間体制で夜遅くまで休みなく勤務しています」と職場の仲間を気遣います。

植村さんたちが受け持つ濃厚接触者の健康観察は日に2回、毎日100案件以上あります。

また、感染の疑いが出た住民の検体の採取は感染防止のため保健所の駐車場で行われます。検査件数は毎日30~50件、陽性者と濃厚接触者はどんどん増えています。

人員・予算も限界 組合の力で変えよう

植村さんが勤める藤井寺保健所は大阪府の南東に位置し、管轄地区は松原市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市の4市で合わせて約34万人の健康に責任を持っています。

「人員だけでなく、少ない予算も節約していますが、限界です」と今後を危惧する植村さんですが、「保育や介護の現場に感染防止のレクチャーに行くと、職員の真剣な姿に逆に励まされた」「住民からも『ありがとう』『がんばってください』と声をかけてもらった」と語ります。「職場環境が職員に与える影響は大きく大事なこと。組合ががんばることで、みんなのためになる」と組合の重要性を訴えます。

コロナ対策強化が願い 緊急アンケートを実施

大阪府職労では、職員に緊急アンケートを行い683人から回答を得ました。コロナ対策にともない45%が「仕事量が増えた」と答え、時間外手当申請について29%が「すべて申請できていない」と回答。府の事業見直しについても「医療機関への予算措置」「保健所機能の強化と体制強化」などが多数でした。

また、大阪府と大阪市がすすめる特別区設置(大阪都構想)の是非を問う住民投票についても「実施すべきではない」「延期すべき」を合わせて62%と、住民投票よりもコロナ対策に力を割くべきと回答。【関連記事はこちら

保健所の機能強化 いまこそチャレンジ

大阪府職労の小松康則委員長は「大阪府には22保健所7支所があったが、2000年に7つの保健所が支所に格下げされ15保健所14支所となり、職員も40人削減。04年には14支所が廃止され50人が削減。15保健所も中核市移行で現在では保健所9カ所だけとなった。日常的に人員が不足している」と深刻な背景を話し、「現場の声を聞かず、トップダウンで業務の集約化・外部委託などの方針が打ち出され、現場が混乱している」と問題点も指摘します。

困難ななかでも「先日も保健師の仲間と打ち合わせで『現場に出て地域を回って学び成長するのが保健師の仕事』『どういう思いで仕事をしているか発信したい』『いまこそ職場の人員増にチャレンジすべき』とみんなが決意している」と展望を語りました。

▲公衆衛生の向上と保健所機能強化をめざそうと保健所の仲間と今後のとりくみについて話し合いました(8月22日)

▲事務事業の見直しにおいて重視すべきことは何か

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