「3.11 あの時、いま、そしてこれから」全国交流集会を開催
“いのちの大切さ”“市民のために働く職員”に「勇気もらった」
「3.11 あの時、いま、そしてこれから」東北と全国の仲間でつなぐ自治労連全国交流集会
東日本大震災から10年目を迎えるにあたり、自治労連は2月20日、「3.11 あの時、いま、そしてこれから 東北と全国の仲間でつなぐ自治労連全国交流集会」をオンラインで開催しました。被災地である岩手・福島の仲間の全面的な協力で準備した集会を、全国の仲間が視聴しました。
視聴後には、「当時のことを思い出し涙が出てきた。仲間の活動に勇気づけられた」「10年経っても人間の復興は道半ば。3.11を忘れてはならない」「自治体労働者の任務と役割を改めて認識」「原発事故はなかったことにはできない。原発ゼロの取り組みに頑張る」などの感想が寄せられました。
“いのち”を基本に据える公務公共の拡充すすめる政治を
開会あいさつで、桜井委員長は、「教訓を生かさない」政治が「コロナ拡大における遅れ」などにつながっている、「公務公共の拡充」をめざして「全国の仲間が支え合う自治労連を」と呼びかけました。
陸前高田市・戸羽太市長からはビデオメッセージが寄せられ、当時の自治労連ボランティアに対する感謝の言葉とともに、「いざという時に地域のみなさんのために100%の力が発揮できるように、仲間が亡くなることがあってはいけない」と、3・11の教訓をふまえた思いを語られました。
証言「家を流され、妻や子どもを亡くした職員」も「市民のために住民のために」
被災地・岩手沿岸部で震災を体験した5人の方が、当時そして現在の思いを語りました。
・「自治体職員というのは、市民のために住民のためにというのがあります」「やはり労働条件というのは、しっかり維持していかないといけない」(Kさん/大船渡市)
・「住民の幸せのために働く自治体職員の職務の重さというのを、震災を通じて身をもって感じた」(Nさん/大船渡市)
・「やはり業務のことを考えれば、自分の命、第一で対応していくべきではないか」(Oさん/大槌町)
・「どうしても自分のことより市民のことを優先させるのが染みついています」(Aさん/陸前高田市)
・「自治体労働者も家を流されたり、妻とか子どもを亡くした職員もいっぱいいます」「市民が本当に市役所職員を信頼して、その後10年間、復興のために力を合わせてやってきた」(Sさん/陸前高田市)。
福島 復旧できていない地域を、“置き去り”にしている
福島県本部・笠原委員長は、「福島は、10年経っても復旧すらできていない地域を、置き去りにしているというのが実態。福島原発も壊れた原発施設がそのまま改修もできず、日本で一番危険な施設であることには変わりない。自治体職員は希望を持って自治体業務再開、住民生活の基盤整備に取り組んでいるが、思うように進まない状況にあせりや失望感も垣間見える。この10年が原子力発電の危険性を示した。お金と比較できないいのちを基本に考える政治の実現、原発ゼロ社会を一日も早く誕生させよう」と訴えました。
岩手 被災地の仲間は、言葉にしなくても『住民のために』を実践してきた
最後に、岩手自治労連・中野委員長は、「被災地の仲間は、言葉にしなくても『住民のために』を実践してきた。様々な課題や困難はこれからもたくさん出て来ると思う、自治体労働者の仲間の団結で、それを乗り越えていきたいと思う。そしてそれを強く進める柱は自治労連を強く大きくしていくこと、団結を強めること、職場に労働組合が存在し役割を果たすこと、そのことを多くの仲間で共有しよう」とまとめました。