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【シリーズ152】仕事も女優も裁判も「がんばるからね!」

My Way My Life2013年5月号 Vol.474

大阪市労組 川さき 洋子さん

仕事も女優も裁判も「がんばるからね!」

橋下徹・大阪市長直筆の処分を振りかざした踏み絵的な「思想調査アンケート」。これをめぐって立ち上がる原告とその家族のエピソードを描く創作劇『スタンダップ!母さんがんばるからね』を劇団「きゅう」が公演します。
川さき洋子さんは、その劇団「きゅう」の中心メンバー。日頃は市立保育園の保育士として働き、夜は演劇人として公演に向けて猛特訓の最中です。
演劇との出会いは、保育園に就職した年に先輩に誘われ、劇団「きづかわ」に行った時です。一言だけのセリフで『若者たち』の初舞台に立ち、そのまま入団。プロを養成する関西芸術座46期研究生でもあり、本格派大女優!のはず。その後、二人芝居『父と暮せば』(井上ひさし作)の上演をきっかけに「西区9条の会」を母体とした劇団「きゅう」が誕生しました。
また、川さきさんは思想調査アンケート裁判の原告の1人です。原告になった時のことを聞くと、「私はそんなに悩んでないんです」と言います。組合のアンケートの学習会で「住宅ローンを抱えている」「夫が早期退職した」「クビになったら不安」など仲間の声を聞き、アンケートを「出す」「出さない」は個人の意志だと確認し合いました。「その時に、組合の人が『もし不利益が生じた場合は組合が全力で助けます』と言ってくれたことがうれしくて、私は提出しないことに決めました」と笑顔で話してくれました。川さきさんにとって大阪市労組の存在は大きく、連合と比べて小さくても、人の生き方を受けとめ、支えられるほどの組合がここにあるのだと感じています。
ところで「なぜスタンダップ?」と聞くと、2005年のアメリカ映画『スタンドアップ』をもじったとか。「ある鉱山でセクハラを受けた女性が、一人ではダメだと仲間を広げ、みんなで立ち上がっていく姿が、私たち原告団と一緒だと思ったから」だそうです。
劇は、不当な「思想調査アンケート」に3つの家族が悩み、苦しみ、励まし合い、それを通して、「間違っていることは正さなアカン」と立ち上がる、そんな母さんたちを、笑いを織りまぜて描きます。ほな、6月22日、集まりまひょか〜。

※川さきさんのさきは山へんに立+可です

創作劇
『スタンダップ!母さんがんばるからね』

6月22日(土)
大阪市立子ども文化センター
14時、18時30分開演(2回公演)

▲「私、がんばるからね!」と川さきさん

▲稽古風景の一場面(一番左が川さきさん)