「いのち守る」を最優先に
政治を変えて医療・介護、保健所の拡充と強化を
▲高知市内でのスタンディング
新型コロナ感染の第6波への警鐘が鳴るなか、全国で医療と公衆衛生体制の拡充を求める声が上がっています。各地で行われた「9・5いのち守る緊急行動」と、医療現場で奮闘する大阪・りんくう総合医療センター労組のとりくみと決意を紹介します。
全国の保健所や医療現場で、新規採用者が次々と退職に追い込まれている実態、いのちの選択を迫られる重圧や電話口で罵声をあびせられ疲弊する職員など、深刻な実態と声が上がっています。
全労連や中央社保協などが「医療・介護・保健所の拡充・強化を」と呼びかけた「いのち守る緊急行動」がとりくまれ、請願署名、政府への要望や声を届けるとりくみ、SNS・スタンディング宣伝が行われました。
9月5日の「全国一斉蜂起」では、各地でアピール行動などに自治労連の仲間も参加し、職場の実態と公務公共の抜本的拡充を訴えました。
高知では、高知自治労連の筒井敬二委員長が、いのちを軽視する政権与党の姿勢を厳しく批判し、「総選挙を通じて政治を変えてくらしを変えよう、希望が持てる社会を私たちの1票でつくろう」と街頭で訴えました。
▲千葉(上)をはじめ、全国119カ所でスタンディング宣伝が行われました。削減されてきた社会保障について示すプラカード(下)
医療従事者に正当な対価と安全・安心の労働環境を
大阪・りんくう総合医療センター労組
大阪・泉佐野市の地方独立行政法人りんくう総合医療センターは、泉州広域の医療を守る基幹病院で、災害拠点病院です。感染症センターは西日本で唯一の特定感染症指定医療機関(全国で4カ所)、この間感染拡大が収まらない大阪で、住民のいのちを守る最後の砦として大きな役割を果たしています。
現場の状況について、常玄(じょうげん)大輔委員長は「感染拡大の第4波、第5波では重症者を受け入れるために、昼夜を分かたず医療や看護を続けてきた」「日々の感染リスクや病棟の再編などで職員同士もピリピリしている」と話します。
未払い賃金の支払いと法令遵守を約束させ勝利和解
コロナ危機前の2017年、総合医療センターは、財政難を理由に組合の合意なく賃金カットを強行。交渉は平行線となり、「いくら立派な医療をしていても、法を守らない病院に未来はない」と155人が訴訟へ。
3年の裁判闘争を経て、今年5月20日に当局に未払い賃金の支払いと法令遵守の徹底を約束させ和解しました。
「裁判闘争のなかで『組合に入りたい』と加入した職員が多くあり、うれしかった」と振り返ります。
この秋、要求実現で安全に働ける環境へ
一方、36協定(労働時間の上限規制)について、「労働者代表として職場に説明してきたが、『職場がまわらない』『超勤ができない』と言われ、特別条項に合意せざるを得ず、本当につらかった」と常玄委員長は課題を話します。
秋のたたかいに向けて、「これからも職員が安心・安全に働ける環境にするため、一つでも要求を実現させていきたい。職場内ハラスメントをはじめ、困っている人を助け、目に見える組合活動を意識したい」と決意を語りました。
▲常玄大輔委員長(左)と安永桂介書記長
▲5月20日の記者会見で勝利和解を報告する常玄委員長(中央)