衆議院選挙結果について~公務公共の拡充は住民の願い、22国民春闘で共同を広げ、職場と地域の要求実現に全力を挙げよう(談話)
2021年 11月8日
書記長 石川 敏明
自治労連は、新型コロナ感染拡大のもとで住民のいのちとくらしを守りきるために、医療・保健所・介護などの拡充を重点に厚生労働省などへの要請行動を展開してきた。とりわけ重要な役割を担っている保健所と自治体病院の実態調査を実施し、「住民のいのちとくらしを守り切るための政策提言(案)」を作成し、公務公共の拡充に向けた要求実現のとりくみを進めてきた。
保健所・自治体病院はじめ、全国の職場でコロナから住民を守るために職員は奮闘してきた。月100時間に及ぶ長時間残業や休日出勤などの状態が1年半以上にわたる中、職場は懸命に住民を守ってきた。
コロナ危機で、自公政権では住民のいのちとくらしは守れないことがはっきりした。10月31日投開票の総選挙は、市民と4野党の共闘による、政権交代をめざすはじめての選挙となった。自治労連は、公務公共の拡充など住民と職場の要求実現の立場で臨み、本気でコロナから国民を守る新しい政権確立のために全力を挙げようと訴え、地域宣伝や組合員への投票呼びかけなどが全国でとりくまれた。
結果は、小選挙区の投票率が55.93%と戦後3番目に低い投票率となった。自公政治への批判が高まるもとで自民党は15議席減らすも、衆院の全常任委員長ポストと各委員会の過半数を握れる「絶対多数」の261議席を獲得した。
立憲・共産・社民は比例区で議席を減らしたが、野党共闘で候補を一本化した213の小選挙区では、東京8区など62選挙区で野党が勝利し、17年衆院選の「与野党一騎打ち型」18選挙区を大幅に上回った。与党が勝利した選挙区でも、大接戦となった。野党共同候補の惜敗率90%以上は33選挙区、惜敗率80%以上は53選挙区に及んだ。出口調査によると、立憲に一本化した選挙区で無党派層の57%が立憲の候補者に投票した。野党候補に投票した無党派層は過半数をこえた。野党候補が勝利した参院静岡補欠選挙(10月24日)では、無党派層の約7割が野党候補に投票した。これらの結果は、市民と野党の共闘が前進すれば、野党が多数派を占めることができる展望を示している。本気の野党共闘ははじまったばかりであり、市民や民主団体も協力して、その発展をめざすことが求められている。まず、今回の選挙結果の正しい到達を職場に周知しよう。
一方、自公政治の批判の高まりが、立憲野党だけでなく、維新の議席を大幅に増やす結果にもなった。自公と維新・国民を合わせた改憲勢力は345議席を占めた。平和憲法を守るたたかいに全力を挙げなければならない。
公務公共の拡充は住民の願いである。引き続き職場の団結を強め、住民とも連帯して、職場と地域の要求実現に全力を挙げよう。22国民春闘では職場と地域に足を踏み出し、「ポスト・コロナ」に相応しい社会づくりをめざそう。来年7月に予定される参議院選挙で、国民のいのちとくらしを守りきる勢力の躍進を勝ち取ろう。
以 上