主張 「いのち守る」運動
住民のいのちとくらし、職員のいのちと健康を守る
新型コロナ第6波により、2月中旬には1日の新規感染者数が過去最多となり国民生活を直撃しています。重症者が増加して医療体制が再びひっ迫し、コロナ感染者だけでなく救急や一般医療での入院も困難となり、「救える命が救えない」事態が再び起きています。さらに、長引くコロナ危機は格差と貧困を拡大し、特に非正規・女性労働者など弱い立場の人々が窮地に陥っています。
この間、ケア労働者はコロナ感染から住民のいのちを守り続けてきました。しかし、他の産業に比べて大幅に賃金が低い状況であり、労働者確保のためにも処遇改善が必要です。今回、政府が示したケア労働者の賃上げはごくわずかであり、その賃上げにも消極的な自治体が多いのが現状です。ケア労働を性的役割分担として「女性が家庭で担うもの」とし、低賃金で過酷な労働条件を強いてきた実態を早急に改善しなければなりません。
あわせて、公務公共職場を支えている会計年度任用職員の雇い止めを阻止し、賃金格差が続いている状況を改善しなければなりません。
職場・地域で2つの「署名」とともに運動を広げよう
コロナ危機によって、公務公共の拡充の重要性が明らかになりました。一方、長年の定数削減で常態化した長時間過密労働に加え、長期化しているコロナ対応などでさらに業務量が増え、職員は心身ともに限界を超えています。
地方公務員は労働基準法33条で「臨時の必要」があれば上限を超える時間外労働が可能とされています。しかし、収束も見通せないまま、これ以上過労死ラインを超えて働き続けることは、職員のいのちと健康を危険にさらします。自治労連の緊急要請を受けて、総務省も「上限規制や健康確保措置の実効的な運用」の実施を各自治体当局に求めています。
22国民春闘で自治労連が提起した「いのち守る運動」は、住民の要求と私たち公務公共労働者の要求を一体のものとして実現する「民主的自治体労働者論」の実践です。住民のいのちとくらしを守る公務公共の拡充と、その担い手である職員のいのちと健康を守る運動を合わせてとりくみ、医療・公衆衛生などの拡充を求める「新いのち署名」と「職員のいのちと健康を守る署名」を職場と地域で広げ、「こんな地域と職場をつくりたい」の運動をさらに展開していきましょう。