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第70録 桜並木で春を感じ散策で歴史を知る

いい旅ニッポン見聞録2022年4月号 Vol.581

川岸に2・5キロの桜並木

桜並木で春を感じ散策で歴史を知る

奈良・大和高田市

▲幻想的なライトアップ

奈良を代表する桜の名所

奈良県中西部に位置する大和高田市の中心部を流れる高田川の両岸に、樹齢70年を超える見事な桜並木があります。
「高田千本桜」と呼ばれるこの桜並木は、1948年の市制施行を記念して、市民ボランティアによって植樹されたものです。
大中(おおなか)公園周辺の約2・5キロにわたって広がる桜並木は、3月下旬から4月上旬にかけての開花時期は、昼間の散策はもちろんのこと、開花に合わせて行われるライトアップと、ぼんぼりの点灯も見どころとなっていて、奈良県を代表する桜の名所となっています。

静御前ゆかりの地

大河ドラマにも登場している静御前は、大和高田の宿の長者・磯禅師(いそのぜんじ)の娘として生まれたと言われています。
春日神社境内の「弁慶の七つ石」は、源義経、武蔵坊弁慶、静御前などの一行が兄の頼朝に追われた際に、磯禅師が住む、現在の大和高田市内の磯野の地を訪ね、この石に腰かけて一休みしたと地元の人々の間で伝承されています。
静御前は捕らえられて鎌倉に送られたのち、市内の磯野の地に戻り、生涯を閉じたと伝えられています。
大中公園には、静御前の生涯を語る記念碑も建てられています。

1300年を超える「蓮取り行事」

市内の奥田にある捨篠池(すてしのいけ)では毎年7月7日の七夕の日に、1300年を超える歴史をもつ「蓮取り行事」が行われます。
室町時代から行われてきた吉野山金峯山寺の蓮華会(れんげえ)の一連の行事で、蓮取り舟に乗り、古式にのっとり厳かに蓮切りが行われます。
吉野山の蓮華会にかかすことのできないこの行事は、地元の方々に大切に守られ、奈良県の無形民俗文化財に指定されています。

※開花やライトアップなどの最新情報は、市ホームページをご確認ください。

見聞録メモ
【大中公園へのアクセス】
近鉄南大阪線「高田市」駅下車10分、または近鉄大阪線「大和高田」駅下車20分

▲高田川の両岸に広がる桜並木

▲大中公園にある能舞台「桜華殿」

▲源義経一行が休んだ「弁慶の七つ石」

▲大中公園にある静御前の記念碑