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〔90〕仕事でも防犯活動でも地域の役に立ちたい

かがやきDAYS2022年5月号 Vol.582

仕事でも防犯活動でも地域の役に立ちたい

埼玉・草加市職労 生亀(いきがめ) 勝(まさる)さん

▲仕事スタイルの生亀さん。
GAのモットー「Dare to Care(見て見ぬふりをしない)」が誇らしく

みなさんは赤いベレー帽をかぶり、白いTシャツスタイルで街をパトロールする人たちを見かけたことはありますか? 彼らはニューヨークで誕生した犯罪防止ボランティア団体「ガーディアン・エンジェルス(以下、GA)」です。

2008年、草加市開催の防犯講座「安全安心アカデミー」の受講生有志が中心となり、GA草加支部が設立されました。当時、市民安全課職員だった生亀さんは、受講生らが支部設立に向け、他支部のGAメンバーとのパトロール実地研修に真剣にとりくむ姿に心を動かされたと言います。「ふた回り以上も歳の離れた方が臆せずに堂々と深夜のパトロールをしている。一市民として活動したい」と最年少の支部設立メンバーとなり、初代の支部長に就任しました。

コードネームは「カラー」モードを切り替え活動

GAではメンバーどうしをコードネームで呼び合います。年齢、上下関係や社会的立場は関係なく、一人のパトローラーとして活動します。生亀さんのコードネームは「カラー」。どんな色にも染まれるようにと決めました。

GAのモットーは「Dare to Care(見て見ぬふりをしない)」。繁華街のパトロール、美化活動、安全セミナーの講師、イベントのサポートなど活動はさまざま。「市職員としては担当部署の視点から物事を見て、街の改善にとりくむ。でもユニフォームを着てカラーとして活動すると違った視点で物事が見られるし、広い視野に立った貢献もできる」と語ります。

コミュニケーションが犯罪抑止につながる

生亀さんには忘れられない出来事があります。支部が設立された年の大晦日の夜、草加駅前で血だらけになって殴り合う集団を活動中に見かけました。仲裁に入り警察に通報しましたが、駅前にいた大勢の人が傍観している状況に「冷めた暗い雰囲気」を感じました。「一人ひとりが街に関心を持ち、考え、行動してほしい。街を思う気持ちを持てば街全体もきっと良くなっていくはず」と語ります。

そして、「最大の武器はコミュニケーション。活動中はあいさつを欠かさない。今では『こんにちは』『ありがとう』と返事が返ってくる。大きく街の雰囲気が変わった。少しは役に立てたのかな」とうれしそう。

生まれも育ちも草加市の生亀さん。「秀でた能力はないが、草加市を思う熱意はある。さまざまな立場で学んだことを活かし、少しでもこの街を良くしていきたい」と、新たな決意が芽生えています。

▲パトロール中は市民に笑顔で手を振ります

▲気迫みなぎる草加支部メンバーのみなさん(右から2人目が生亀さん)