今、行政と受注企業との契約内容等を改善するための「法や条例の制定」を求める運動とともに、現行制度を活用して、今でもできる具体的な改善をすすめる様々な運動が前進しています。
委託先に雇用をつなぎ、労働組合をつくる
自治労連の単組では、道理のない民間委託を許さないたたかいをすすめるとともに、委託が現実のものとなる段階では、臨時や非常勤の仲間が職を失うことなく、また事業の質を維持するために、労働条件を維持し雇用を継続させるという成果を上げてきました。
兵庫・芦屋市立病院における看護補助業務の委託では、委託先を含む雇用の斡旋だけでなく、04年採択の「公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保を求める意見書」の趣旨に基づき、契約内容の履行、その中に提示された賃金労働条件の遵守に関わる調査・指導を芦屋市に認めさせました。
東京公務公共一般・多摩都税分会の取り組みでは、2年連続となる委託先変更で雇用継続を勝ち取る中、今後の委託替えに際しては都として雇用継続に配慮する旨を、都労委が間に入って認めさせるという貴重な成果を得ています。
自治体で公契約条例へ向けた検討はじまる
建設労働者の組合である全建総連を中心に、公共工事など様々な公共調達の場で働く仲間の労働条件改善をめざした全国の取り組みは、公契約条例制定へ向けた300を超える自治体決議という成果を生み出しました。
さらに地域の共同した運動の前進の中で、東京・西東京市や国分寺市では、庁内で公契約条例制定を視野に入れた契約・入札制度の検討が始まっています。千葉・白井市では、超党派の議員と千葉土建による公契約条例推進会議が取り組みをすすめています。
現行制度を活用してこんな改善が
公共工事に従事する建設労働者への「二省協定単価に基づく賃金支払い」や「建退共証紙の貼付」を文書で受注企業に指導する、低賃金の大きな要因となっている著しい低価格受注を防止する「最低制限価格制度」を導入する、など自治体における改善の取り組みが前進しており、業務委託にもこの制度の導入が庁舎清掃などの業務からはじまっています(堺市等)。
入札の際、価格だけでなく技術力や自治体の政策課題(障害者の雇用など)を評価基準に加える(大阪府等)ことや、指定管理者制度の下でも、公募要件の一つとして労働者の賃金単価基準を設定する(滋賀県、熊本市等)ことも注目すべき政策的な前進です。
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