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憲法を指針に社会を変えよう すすめよう「憲法大運動」

石川康宏神戸女学院大学名誉教授に聞く
参議院選挙の結果をめぐる情勢と自治労連への期待

自治労連は、憲法をいかす社会の実現をめざし、改憲発議を許さないための「憲法大運動」にとりくんでいます。神戸女学院大学の石川康宏名誉教授が8月22日に、「参議院選挙の結果」「当面する政治の動きと課題」「憲法を指針に社会を変える」の3テーマで講演した憲法学習について紹介します(各テーマの動画QR付)。職場で憲法について学び、大運動に参加していきましょう。

参議院選挙の結果をどうみるか

参議院選挙では、前回比で自民党は比例区で1議席減。自民党も公明党も得票率は低下している。選挙区での野党共闘の不発があった。自民党が持っていた従来の支持基盤からの得票も軒並み下がっている。だからこそ、あらゆるところから支持をかき集めており、そのなかで旧統一協会への依存度を高めてしまっている。

野党共闘については、2015年に「市民連合」が発足し、①安保法廃止、②立憲主義の回復、③個人の尊厳を擁護する政治の実現に向けて、野党共闘をけん引してきた。しかし、今回の選挙直前に、自民党はメディアと結託して総裁選で言い放題、国会審議拒否で批判を封じ、政権協力合意への攻撃。それに野党が十分かつ的確に反論できず、ブレーキがかかってしまった。

当面する政治の動き課題はなにか

当初、自民党は参院選挙後の国政選挙のない「黄金の3年間」で改憲・軍拡をねらっていた。

しかし、安倍元首相の国葬をめぐる問題で反対の声が広がってきたこと、政治と旧統一協会の癒着が明らかになったこと、物価高騰などで住民生活が圧迫されるなかで軍事費は青天井で予算を増やしていることへの不満が高まっていることなどで、大きく情勢が変わってきている。

「黄金の3年」が「失われた3年」に変わってしまった。

憲法の条項を本気で実行しよう

憲法には、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」をはじめ、教育を等しく受ける権利などがあり、いかに憲法の条項を本気で実行するかが重要だ。幸福度ランキングやジェンダーギャップ指数、1人当たり名目GDPのいずれも北欧諸国が先行している。一方、日本は、「衰退途上」であることが現実だ。

憲法15条には「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」とある。

憲法9条を生かした平和外交、社会保障の拡充、新自由主義からの脱却、ジェンダー平等などが求められている。だからこそ、自治体のみなさんには改憲を許さず、住民とともに憲法を指針とした社会づくりの合意をすすめてほしい。

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