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県域水道一体化に「不参加」表明 市民運動との共同で勝ち取る

公共を取りもどす 奈良市

▲9月3日の「奈良の水を考えるシンポジウム」に地域住民をはじめ280人が参加しました

国の「地方政治の広域化政策」がすすめられるなか、奈良自治労連が事務局として参加する「奈良市の水道問題を考える市民フォーラム」は県域水道一体化に反対しています。地域での宣伝や署名活動をすすめ、9月3日にはシンポジウムを開くなど市民との共同を広げてきました。奈良市長は県域一体化に「不参加」を表明するなど、大きな成果につながっています。

一体化の問題点明らか「水の自治」を守ろう

「奈良の水を考えるシンポジウム」では、最初にジャーナリストの浅野詠子さんがミニ講演。県域水道一体化について話しました。パネルディスカッションでは、浅野さんをはじめ、持続可能社会をめざすNPO法人AMネット事務局長の武田かおりさん、奈良市民の猪俣千鶴さん、立命館大学の平岡和久教授が、それぞれの視点から問題を提起しました。

平岡教授は水道一体化について県や各市の担当局へのヒアリングや現地調査の結果を報告し、奈良モデルの問題点を指摘。当局試算でも一体化で水道料金は3割増しとなり、また、災害時のバックアップ体制や水質については明らかにされていないことがわかりました。平岡教授は「住民の手で水の自治を守ることが重要」と参加者に訴えました。

市民の運動が広がり奈良市が不参加表明に

シンポジウムをはじめ、市民フォーラムが街頭宣伝やタウンミーティングを重ね運動を広げるなか、奈良市長が10月4日に「市単独でも水道料金は安い。メリットはほぼない」と不参加を表明。市長の不参加表明を受け、市民フォーラムは翌5日に声明を発表。「市民と議会が力を合わせば、政治は動く」「今後についても、市民と行政の共同で水道の自治、住民自治を守るために、私たちも努めていきたい」とし、現在、県民交流会を実施しています。

10月27日には奈良市へ署名を提出。各自治体にも不参加と一体化見直しの声をあげるよう求めています。

全国の仲間から署名が水を守る運動の励みに

奈良自治労連の中村篤子書記次長は「市民フォーラムとして、5万枚もの署名はがき付チラシを配布するなどとりくみをしてきた。名水労など全国の仲間からもたくさんの署名を送っていただき、大変励まされた。水道の広域化は、現在全国各地ですすめられている。民間委託は、まだ宮城県だけだが、広域化すれば民間委託が簡単になり、大変危険だ。引き続き、奈良自治労連としてとりくみを強化していきたい」と話しました。

▲奈良市に署名を提出する市民フォーラム(右)

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