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主張 防衛費

防衛費ではなく、社会保障費を増やせ

物価高騰、コロナ感染拡大のなか社会保障費がいっそう重要に

賃金が上がらないなかでの物価高騰や収束しない新型コロナで、くらしは一向に良くなりません。くらしを支える社会保障はいっそう重要になっています。

しかし、今年も年金は削減され、10月からは75歳以上の医療費窓口負担は2倍となりました。今年度から国民健康保険料を値上げした自治体は、457自治体(全国の約4分の1)ありますが、岸田政権は6月に閣議決定した骨太方針で「国民健康保険の会計への繰り入れを早期に解消する」としており、さらなる国民健康保険料の引き上げが懸念されます。介護保険では、介護職の賃上げの財源確保のため、被保険者の年齢を40歳以上から30歳以上に引き下げる提言も出されています。

さらに、岸田政権は新型コロナの感染症法上の位置づけを2類相当から5類への引き下げを検討しています。そうなると検査や治療の費用について公費負担はなくなり、自己負担となります。2類相当であれば、国や自治体が「入院の勧告」「就業制限」「外出自粛」など要請できますが、5類になるとそうした要請はできないなど、問題が多すぎます。賃上げだけではなく社会保障の拡充が労働者・国民にとって重要です。

国民のくらしを豊かにするため今こそ社会保障の拡充を

その一方で、岸田首相は敵基地攻撃能力の保有を検討し、防衛費をGDP比2%に増やし、5年間で48兆円増額を求めています。その財源確保に消費税増税なども検討しています。岸田政権は、国民のいのちとくらしを危機に追いやる危険極まりない政権だと言わざるを得ません。

1930年代にナチス・ドイツは「バターより大砲」と提唱し、軍需産業を拡張し悲惨な世界大戦に突き進みました。日本は「戦争をしない」ことを約束した平和憲法を持っています。「武力対武力」では、平和を維持することはできません。岸田政権がねらう敵基地攻撃能力保有や防衛費2倍化は、日本と他国との緊張関係を増大させ、軍事衝突により日本が戦争に突き進む危険性を拡大するものであり、断じて許されません。国や自治体のもっとも重要な役割は、住民のいのちとくらしを守ることであり、「防衛費ではなく、社会保障費を増やせ」の声を広げることが重要です。

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