物価高騰のりこえる賃上げを
自治労連2022~23年働くみんなの要求アンケートより
自治労連の「働くみんなの要求・職場アンケート」が全国でとりくまれ、1月6日までに2万4831人(ネット回答1332人分含む)から回答が集まりました。アンケートに寄せられた声を要求書づくりや対話に活用し、すべての労働者の賃上げを勝ち取りましょう。
調査結果や声を広め要求実現にいかそう
毎年9月からとりくまれる「働くみんなの要求・職場アンケート」には、賃上げ等の職場要求や切実な声がたくさん集まります。全国から集まった結果と声を確信に職場の仲間によびかけて、要求実現に向けた多数派をめざすことが重要です。とくにコロナ危機と物価高騰のもとで働き方やくらしの変化を聞き取る対話を重視しましょう。
自治労連の中間結果を含めて、全労連・国民春闘共闘では23国民春闘での産業別・企業内最低賃金要求を「時間額1500円以上」、賃上げ要求は「月額3万円以上、時間額190円以上」としています。各単組でも積極的に要求していきましょう。アンケートを3月下旬の最終集約までとりくみ、職場討議や学習会などへの全組合員の参加ですすめましょう。
「生活が苦しい」半数 賃上げは「3万以上」
生活実感について「かなり苦しい」「やや苦しい」を合わせて50・9%と前年より5%以上も増加しました。物価高騰を反映し、より苦しくなっている実態が明らかになりました。正規も非正規も同じような傾向です。
▲グラフ①【生活実態】
賃上げ要求額は、月額では「1~3万円」に回答の約6割が集中し、時間額要求は「100~200円」が5割近くと昨年より高い額へとシフトしています。要求額の加重平均は、月額で「2万9730円」で昨年より2418円アップ、時間額も「190円」と7円アップしています。賃金大幅引き上げは多くの仲間の要求であることは明らかです。
▲グラフ②【賃上げ要求(月額)】
最賃、社会保障の充実 景気対策がトップ3
政府に対する要求で「特に重視すべきと考える課題」では多い順に「最低賃金の引き上げ・全国一律最低賃金制度導入、公契約法・条例制定、均等待遇実現」が45・5%と昨年より高くなり、「景気・物価対策、中小企業振興」も36・8%と昨年より10%以上高くなりました。
また、ケア労働者への賃金引き上げなどへの期待から「医療・介護・保育の充実」は42・2%と依然強い要求です。「長時間労働の解消」も順位を上げ、「消費税廃止・引き下げ」も高い関心を持たれています。
▲グラフ③【政府への要求で実現したいもの】
アンケートに寄せられた声
●会計年度任用職員の雇い止めを改善してほしい。今年も賃金が下がり、先の見通しが立たなくなるため、これ以上賃金を下げられるのは困る。
●正職員は旧姓で働ける制度があるにもかかわらず、会計年度任用職員は非正規なので駄目だと言われた。ただでさえ薄給なのにボーナスまで落とされたら生活ができません。昨年度は年度の途中でも下げられるし、騙されたみたいです。
●地方自治体として大前提で守るものよりも首長の発言や指示が優先されるような風潮や忖度があり、非常に危機感を持っている。トップダウンありきではなく、対話がなされて意思決定が行われる健全な組織になることが、市民サービスの向上や地域の持続可能性を高めるために必須ではないか。
●業務量に見合う人員配置(人数)を望みます。特にコロナ禍で、一人でも長期不在になると行政事務が止まってしまいます。
●保育園で勤務しています。70年以上変わらない配置基準のまま、家庭環境の変化や個別支援が必要な子どもが増えています。もっとみんなが心にゆとりを持てる配置基準になれば、保育に希望が持てるかな?世界的に見ても、日本の保育は貧弱です。未来の日本を背負う子どもたちをもっと大切にしてほしいです。
●会計年度任用職員の待遇を改善してほしい。改善されないことで辞めてしまう人も多く、人手不足にもつながっている。