医療現場の過酷な実態を告発
「自治体病院に働く職員の労働実態アンケート」記者会見
▲会見に臨む自治労連本部と医療部会、医療現場の仲間
自治労連は9月11日、22年秋に実施した「自治体病院に働く職員の労働実態アンケート」の結果について、厚生労働省で記者会見を行いました。調査では、①1年前に比べて仕事量が「大幅に増えた」「若干増えた」合わせて63・1%、②「仕事を辞めたいと思うことがあるか」の問いに「いつも思う(28・5%)」「ときどき思う(54・2%)」を合わせて82・7%に及ぶことなどを報告。結果について、医療部会の鮫島彰議長は「過酷な勤務実態のなか、現在の仕事にやりがいがあると感じていながら、日々仕事を辞めたいと考えざるを得ない状態である」と話しました。
労働環境改善、人員補充、心理的安全性の確保を
会見では、「先月15回夜勤を行ったスタッフがいた。退職者が出ても補充がない。残った職員で回すため一人当たりの夜勤回数も増え、悪循環になっている」「これまでも看護師は人員不足で厳しい状況のなか働き続けてきた。コロナ対応やPCR検査でさらに厳しくなっている。五類移行したが、一部作業が簡略化されただけで、実際はほとんど変わっていない」「五類になって世の中の感染対策の意識が明らかに薄れた。スタッフも感染し、働き手が不足している状況で入院患者数が増えている」と現場の実態を告発しました。
また、「自由記載には人員不足やハラスメントなどへの言及が多くみられた。コロナによって、心理的安全性が低下した過酷な状況。労働環境の改善、人員補充、心理的安全性の確保が求められている」と訴えました。
※アンケートは2022年9月に実施し、全国8584人から回答が寄せられました。
アンケートに寄せられた声
●職員にも濃厚接触者や罹患者が増え、休みが重なり普段の倍近くに業務が増えた。当たり前のようにフォローしなければならないことがつらい。(看護師)
●消毒や掃除をしっかりやらねばならず、時間を取られて煩わしい。ずっとストレスを感じている。(リハビリテーション技師)
●日勤のあと当直に入ると2時間程度の仮眠しか取れず、翌日休みでも疲労が取れない。職場全体が疲弊しているので、人員を増やしてほしい。(臨床検査技師)
学習・交流しよう!
【第21回自治体病院全国交流集会の案内】
・日時 2023年10月28日(土)13:30~17:00
29日(日)9:00~12:00
28日は全体会と記念講演、29日は分科会
・会場 ビジョンセンター横浜(神奈川県横浜市西区北幸2-5-15)
・オンライン併用
・記念講演「コロナを経験して地域医療構想は今…(仮題)」 講師:長友薫輝氏(佛教大学社会福祉学部准教授、日本医療総合研究所副理事長)
★参加申し込みはお近くの労働組合へ