〔105〕大好きな上田市と映画の魅力広げたい
2023年12月号 Vol.601
大好きな上田市と映画の魅力広げたい
長野・上田市職労 竹重(たけしげ) 慶隆(よしたか)さん
▲上田映劇の入口。竹重さんにとっては子どもの頃から通った思い出の場所
上田市の中央商店街にある「上田映劇」は1917年創業の映画館。市の娯楽の拠点として長年愛されてきましたが、観客の減少などで2011年に一旦幕を下ろしました。
「再起動プロジェクト」が2016年にスタート
上田城跡公園体育館管理事務所で働く竹重慶隆さんも、子どもの頃から大好きだった上田映劇のために立ち上がりました。
現在ではNPO法人の運営のもと、年間約200本の映画を定期上映しています。
「上田映劇という場所が好き、上田映劇がある上田市が好き。映画館はまちの成り立ちにリンクしている」と話す竹重さん。上田地域は江戸期より蚕種の製造で栄え、娯楽として早くから映画文化が持ち込まれました。「映画のまちうえだ」の象徴である上田映劇は「ただの観光スポット、建物が保存されているだけでは駄目だと思った」と、あくまで映画館としての存続にこだわったと話します。
映画館の新しい可能性 上田のまちの活性化に
竹重さんは上田映劇の別館で月に6日程度、モギリのボランティアをしています。休日には1歳の愛娘と一緒にモギリに立ち、観客からも人気です。
また、上田映劇は「うえだ子どもシネマクラブ」として、学校に行けない子どもたちの居場所づくりにもとりくんでいます。竹重さんはこれらのとりくみに「映画館の新しい可能性に気づかせてもらった」と話します。
一方、課題も多くあります。「築100年を超える建物の老朽化やスタッフ不足、そしてなにより市民にもっと映画を見に来てほしい」と言います。
「そのためには映画のよさを別のかたちでも伝えていきたい。映画とリンクした体験ができるとか、映画館に宿泊できるとか、映画を見に来てもらうと同時に上田のまちをたのしんでほしい。全国の仲間もぜひ上田映劇に来てください」と呼びかけました。
詳細は「上田映劇」で検索を。
▲上映作品にもスタッフのこだわりが
▲レトロな外観も人気