第89録 東京からふらっと寄れる美しい海と城の小田原
2024年7月号 Vol.608
海をめざして歩けば風も波音も気持ちいい
東京からふらっと寄れる美しい海と城の小田原
神奈川県小田原市
▲小田原城天守閣は有料です
駅から歩いて5分の小田原城
たまの休みに海が見たいので、小田原へ行ってもいいですか。東京・新宿駅から私鉄の快速急行に乗って90分ほどで小田原駅に到着。新幹線も停まる駅なので観光客が多いです。海に行く前に、まず小田原城に寄ります。駅の東口(海側)から、お城通りを歩いて5分ほどで小田原城址公園北入口へ。正門から登城せず、すみません。
小田原城は室町時代(15世紀中ごろ)に築城されたそうです。関東の要所で難攻不落の城として有名とのこと。明治に入ると廃城され、建物は解体、残っていた石垣も関東大震災(1923年)で崩れました。戦後に天守閣や常盤木門、銅門、馬出門が順次復元され、今では甲冑・打掛の着付け、手裏剣道場もあり、観光地・公園として親しまれています。社会科見学や遠足なのか、小中学生や園児たちの姿が。二の丸広場で駆けまわる子どもたちに、ほのぼの。
絵画のような「御幸(みゆき)ノ浜」
さぁ、海をめざし歩きます。城から近く、10分ほどで海が見え…ません! 海岸沿い国道1号のフェンスや壁が立ちはだかります。「海に行きたい~」と抜け道を探します。すぐそこに怪しいトンネル。暗く、照明はないけれど、奥から光が。近づくと波の音も聞こえ、そこには絵画のように切り取られた海が見えました。美しい…。
「トンネルを抜けるとそこは海岸だった」と、「御幸ノ浜」に到着。岩場に激しく打ち付ける波音。沖の船に、お気楽に飛ぶ海鳥。風、最高。ずっと見ていられます。「明日も休みだったらいいなぁ」。ぼーっと小一時間。「おなかへったな」と立ち上がり、駅へ戻ります。駅の近くで海鮮料理を食べて、お土産に名物かまぼこを買って電車へ。小旅行終わりの心地よさに、いつの間にか船を漕いでいました。
▲国道1号の下をくぐって海岸へ
▲例年7月中旬から海開きする御幸ノ浜