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第144湯 日本一標高の高い天然温泉と 立山黒部アルペンルートの大自然

悠湯 旅情2012年11月号 Vol.468

雲上で味わう極楽みくりが池温泉 富山県立山町

日本一標高の高い天然温泉と 立山黒部アルペンルートの大自然

立山黒部アルペンルートを通じて接することのできる大自然は、神秘的な美しさとともに、肌が粟立つような凄味さえ感じます。 立山黒部アルペンルートの中心にある標高2450メートルの室堂駅を一歩外に出ると、眼前に立山の岩稜が迫り、さらに剱岳を始め3000メートル前後の山並みが連なる立山連峰の雄大な風景が広がります。花の季節にはヨツバシオガマやタテヤマリンドウなど希少な高山植物が楽しめ、秋には錦秋の世界が広がり、運がよければ雷鳥にも出会えます。また神秘的な色合いの「みくりが池」や「みどりが池」、火山性ガスや硫黄が噴出している「地獄谷」(活動が活発なため封鎖中)があり、周辺には遊歩道も整備され観光客も大自然を満喫できるようになっています。 ここに、日本で最も標高の高い温泉「みくりが池温泉」があります。温泉の標高は2410メートルで、文字通り「雲上月下」の温泉です。泉質は単純硫黄泉で、乳白色の肌に優しく、少し熱めとぬるめの2つの浴槽があり、登山や観光の疲れを癒し、雲上で極楽を味わえる温泉です。源泉は直下の地獄谷からの引湯です。 ここに温泉があることは古くから知られていましたが、「室堂」の名のように、すでに14世紀に修験者が祈祷・宿泊をする堂が作られ、白山と並ぶ日本の山岳信仰の地であったことから、長い間人の手が入らず、温泉付の山小屋が開かれたのはわずか55年前でした。今は山小屋と温泉宿を兼ねて営業し、登山客のみならず、立山観光を楽しむ多くの人が利用しています。 この地が脚光を浴び、多くの登山者や観光客を集めるようになったのは、1971年の立山黒部アルペンルートの開通以降です。このルートは長野側からは、JR信濃大町駅を基点とし、バス、トロリーバス、ケーブルカー、ロープウェイ等を次々と乗り換え、黒部ダム、大観峰等を経て室堂に至り、さらに美女平などを経て立山、富山に至るルートです。どちら側から来ても、途中からの折り返しも可能で、乗り継ぎ地点はどこも見所いっぱいです。

▲神秘的な色合いの「みくりが池」

▲眼前に迫る雄大な立山(左側の山)

 


温泉メモ

【みくりが池温泉】

交通/
電鉄富山駅から立山黒部アルペン
ルート(乗継ぎ)約150分、
またはJR信濃大町駅から立山黒部
アルペンルート(乗継ぎ)
約150分、いずれも室堂下車徒歩
10分
営業期間/
4月10日〜11月25日
立寄り入浴/
大人600円 午前9時〜午後4時