メニュー

【シリーズ132】ボランティアは「第二の故郷」のために

My Way My Life2011年7月号 Vol.452

神奈川県職労連 高階 大輔(たかしな だいすけ)さん

ボランティアは「第二の故郷」のために

 「車で宮城県内を行くと、ガレキで荒れ果てた水田がずっと広がっていて…」。現地は、テレビで見るのとは比較にならないほどの惨状でした。「今回の津波で水没、冠水した水田の面積は、神奈川県内の水田とほぼ同じなんです」と、小田原にある神奈川県西湘(せいしょう)地域県政総合センター農地課に勤務する高階大輔さんは教えてくれました。  高階さんは東京都町田市出身ですが、大学時代の4年間を盛岡で過ごし、岩手を「第二の故郷です」と言います。さらに、陸前高田市の戸羽太市長が高校の2年後輩となれば、黙って見ていることはできません。なんとかしてボランティアに行きたいと思いましたが、直後は受け入れ態勢がなく、また県の行政派遣にも漏れてしまいました。ようやく全労連のボランティア支援が決まり、4月28日から5月2日まで大船渡市での救援活動に参加できました。  朝10時に全労連会館に集合、大型バス1台に約20人で出発、途中悪路のためボランティアセンターに到着したのは午後7時でした。翌日から3日間、10人ほどのチームになって、主に民家のガレキ撤去や鉄道の斜面の清掃を行いました。干物やトロ箱などが散乱していました。  「窓ガラスが割れて散乱するなど危険なため、長靴に金属性の中敷きを敷き、ゴム手袋とマスクを着けて作業しました。家のなかや庭のガレキ、庭木に引っ掛かっている紙くずなどを集めて土嚢袋に詰めます。敷地も広いので、1t入り10個ぐらいになります」。運搬する重機が不足しているのでなかなか片づかないそうです。  「チリ地震の津波の教訓で、土台を盛土して4mぐらいの高さのところに家を建てていても、家の1階まで津波の被害を受けている」と津波の威力・破壊力を目の当たりにしました。  「義援金は早く被災者に渡してほしい。職員が3分の1ぐらい亡くなったり、庁舎もなくなって自治体の行政機能が落ちているので、市町村単位でもっと応援の職員を派遣できないのかと思う。民主党政権が十分機能していないですね」と高階さんは訴えます。  高階さんは再度ボランティアとして、7月2日に陸前高田市へ出発しました。

▲高階さんの職場は神奈川県西湘地域県政総合センター農地課。ヘルメットや現場で使う機械・道具があります

▲ガレキやゴミを集めて土嚢袋に詰めるボランティア(高階さん撮影)

▲4月28日、全労連会館前で。今から出発です
(後列一番左が高階さん)