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機関紙『自治体の仲間』2014年 5月号 Vol.486 さぁ本番 憲法キャラバン 「憲法いきる」提言運動 全国展開を

さぁ本番 憲法キャラバン「憲法いきる」提言運動 全国展開を

仕事・職場から憲法を地域にいかす、自治労連全国交流集会 4月19~20日・東京
201405-01-01

▲1日目の全体集会の様子

 いま自治労連の仲間は憲法をいかし住民生活を守るために憲法キャラバンや「対話と提言」の運動を全国で展開しています。安倍政権は「戦争する国づくり」や「世界一企業が活動しやすい国づくり」を強行しようとしています。

 今号では大阪の憲法キャラバンや「仕事・職場から憲法を地域にいかす全国交流集会」を紹介します。

安全・安心の地域づくりを

職場を基礎に、住民のために、住民とともに 岩手自治労連の報告
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▲自治体キャラバンで奥州市・小沢昌記市長(写真奥)と懇談

 岩手自治労連は、被災地の仮設住宅でくらす住民と懇談しました。住民から「復興はどうなってる」「年金は減る、消費税は上がる、で苦しい」「仮設住宅にいつまで住めるか、いつ追い出されるのか」という不安の声が出されました。住民の安全・安心のために私たちがこうした被災者の声を届けていくことが国を動かすことにつながります。

 岩手自治労連は毎年、県労連や国民大運動実行委員会とともに自治体キャラバンを実施していますが、これまでの「要請項目に対する回答」型から「首長と懇談して認識の共有」型へ新たな自治体キャラバンを展開しています。昨年5月には33市町村中19市町村の首長と、安倍内閣のもとでの「96条改正」と大阪・橋下市長の「慰安婦問題」「震災復興」などをテーマに懇談しました。

 岩手県では昨年5月に「憲法をいかす市町村長9条の会」が結成され、懇談では首長が憲法を守る立場であることや震災復興の遅れの最大の原因が国の対応に問題がある点を共有することができました。

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▲報告する岩手自治労連渡辺孝文書記長


憲法・地方自治守る思い共有

大阪自治労連の憲法キャラバン
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▲2月28日、交野(かたの)市・中田仁公市長(右)と懇談する大阪自治労連・大原真委員長(中央)と自治労連・福島功副委員長(左)

 大阪自治労連は「憲法を実行せよ!」のスローガンの下で、2月17日から憲法キャラバンにとりくみました。3月議会前で、日程調整が困難ななか2週間で15市町村を訪問しました。

 実際に懇談してみると、憲法遵守の立場や地方自治制度の確立など共通する思いがあることがわかりました。特に、一昨年からの国家公務員7.8%賃下げを地方自治体にも強要する国のやり方に対し、「独自の財政努力をしているのに、賃金削減を国から事実上強制されることに納得できない」という話を多くの自治体で聞くことができました。

 さらに今回、地方交付税を減額した上で、一般行政経費として「地域の元気創造事業費」を計上し、配分については行革努力を反映させ、対象を人件費にとどまらず経常的経費にまで広げ、恒久的な措置として導入しようとしていることに「自治体としても大きな憤りがある」と話も聞くことができました。

 自治体職員の賃金について各当局は、長期にわたり賃下げが続いていることから、大阪府が人事委員会のプラス勧告を実施したこともあり、「職員のモチベーションに関わる問題」として受け止めていることもわかりました。今後も、定期的に懇談を続けていくことが大切です。


憲法集会全体の概要

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▲2日目は7つの分散会、憲法キャラバン分科会、小澤隆一氏の講座Ⅰ(憲法)、初村尤而氏の講座Ⅱ(財政分析)が行われました

 「仕事・職場から憲法を地域にいかす全国交流集会」を4月19~20日、東京・日本教育会館ほかで開催しました。全国から133単組352人が参加しました。

 1日目は、渡辺治・一橋大学名誉教授が基調講演。特別報告では京都市職労中京支部・石田恒支部長が「国保から市民生活を見る」、名古屋市職労・徳田好宣副委員長が「市民生活アンケート活動から見えたもの」、岩手自治労連・渡辺孝文書記長が「憲法をいかした安心・安全な地域づくりのための自治体キャラバンのとりくみ」について報告し、自治労連・猿橋均書記長が基調報告を行いました。

 2日目は、分散会、憲法キャラバン分科会、講座Ⅰ「世界に誇る平和憲法をいかし守るために―憲法をめぐる情勢と自治体労働者の役割」(小澤隆一・東京慈恵医大教授)、講座Ⅱ「やってみよう財政分析~決算カードを使って分析する」(初村尤而(ゆうじ)・大阪自治体問題研究所主任研究員)に分かれて行いました。

参加者の感想

 組合の先輩から勉強してくるように言われて参加しました。執行委員になって2年目です。渡辺治さんの講演は難しかったですが、特別報告で各地の自治体の実情などいろいろな話を聞けてとても勉強になりました。
愛媛・松山市職労・男性

 平和的に生きることができる社会でありたい。憲法の問題で言えば、市当局は、平気で非正規雇用で働く労働者の人権を無視している現実があると思います。
広島市児童館指導員労組・女性

 いま政府はあんなに危険な原発の再稼働や輸出をしようとしています。そんな政府が進める集団的自衛権行使容認は怖いと思います。
愛知・豊橋市職労・女性

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基調講演 あぶない安倍政権の改憲に向けた動き
~憲法をいかす国と自治体づくりの展望

憲法をいかす具体的対案示し、地域、国づくりを

一橋大学名誉教授 渡辺 治 氏
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 財界、保守の支配層のめざした2つの課題である「憲法を変えて、自衛隊を軍隊にする」「大企業の競争力をつけるための構造改革」を遂行するのが安倍政権です。自民党政権は60年安保で国民的運動によって改憲に挫折しました。そのため現憲法の下で安保体制と自衛隊を解釈で維持・存続を図らざるを得なくなり、冷戦後アメリカの圧力の下で解釈で自衛隊を海外に出しましたが「イラク派兵は派兵ではない」「イラクは戦場ではない」と言わざるを得ませんでした。

 第2次安倍内閣は改憲のラストチャンスとして集団的自衛権行使など「解釈改憲で突破する」として、アメリカの要求以上に日本の軍事大国化をめざし、さらに「戦争する国」には明文改憲が不可欠として国民投票法「改正」を強行しようとしています。

 また、「世界一企業が活動しやすい国」にするため「第3の矢」の「成長戦略」で消費税増税と法人税減税、社会保障改悪、規制緩和、TPP、原発再稼働など進めています。「自助・共助・公助」論で社会保障を解体し、国や自治体の責任を縮小し、新たな市場づくりを進めています。

 いま憲法をいかす国と自治体をつくるのが課題です。私たちは安倍政権を阻む国民的な共同をつくるために保守層のなかにある大きな批判をとりこみ、今まで以上に国民の過半数と共同する構えが必要です。地域を拠点に運動を展開し、具体的な対案を出して地域づくり、国づくりをして安倍政権の暴走をストップさせましょう。


特別報告より

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憲法を守るのは私たち 京都市職労

京都市職労 石田 恒さん

 市職労では4年に一度、市民アンケート調査活動を通じて市民の要求をつかむとりくみをしています。「市民のために仕事がしたい」という願いを実現するには「憲法を守るのは私たち」という姿勢を持ち、憲法を守らせるのは私たちを含む住民の主体的な要求運動です。自治体労働組合はこれを激励し、ともにとりくむことが必要です。

地域住民に励まされる 愛知・名古屋市職労

名古屋市職労 徳田 好宣さん

 地域に出て行くことに不安はありましたが、市民生活アンケート活動のとりくみを通して、地域住民は行政側が思っている以上に自治体を頼りにしていることが実感できました。住民に励まされ元気をもらうことで自治体職員として憲法をくらしにいかし地域住民に寄り添った仕事の展開など職員の意識改革につなげていきたいと思います。

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戦争する国づくり 共同で阻止しよう

解釈で憲法9条を壊すな4・8大集会に5000人
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▲会場には5000人が集まりました

 「解釈で憲法9条を壊すな!4・8大集会」が4月8日夜、東京・日比谷野外音楽堂で行われ、会場内外に5000人が集まりました。主催者あいさつで高田健さんは「この危険な企てを許すわけにはいかない。さらに大きな運動を作り上げ、共同して戦争する国づくりを阻止しよう」と呼びかけました。

 スピーチでは作家・大江健三郎さんが登壇。夏目漱石が「デモンストレーション」を「示威行動」と翻訳したことを紹介し、「『戦争はしない』という、私の生きた時代の日本人の精神を守るのは示威行動だ。一緒に歩いていきましょう」と語り、会場には共感の拍手がわき起こりました。集会アピール(案)が拍手で採択され、銀座コースと国会コースに分かれ、国会請願デモを行いました。

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▲作家・大江健三郎さん


仲間の団結で要求前進

14春闘各地のたたかいから
201405-08-01

▲3月20日に行われた久慈学校給食センター職組の団体交渉

臨時職員の正規職員化を実現
岩手・久慈市学校給食センター職組

 久慈市学校給食センター職組(以下、組合)は、久慈市内の子どもたちの学校給食を担う久慈市学校給食センター(久慈市の指定管理の久慈市学校給食協会)で働く職員の労働組合です。市町村合併前の旧山形村の学校給食センターは久慈市直営で運営されてきましたが、今年度より久慈学校給食協会が指定管理を受けることとなりました。

 組合では、旧山形村のセンターが同じ協会運営となることに伴って、新しい「就業規則」の策定に関わり、職種(運転手、調理員)による賃金格差の是正などの要求を実現し、さらに旧山形村の給食センターで働く仲間の正規職員化を要求してたたかってきた結果、全員の給食協会「正規職員」が実現しました。このたたかいにより正規職員となった5人全員が組合に加入しました。

パート職員全員の昇給制度改善かちとる
静岡市労連 静岡病院支部

 静岡市労連静岡病院支部は春闘期の3月4日にパート職員の賃金・労働条件に関する要求書を提出し、集中的に交渉を展開してきました。その結果、これまで12年までだった経験年数による昇給を13年目も昇給という成果を勝ちとりました。

 しかし、13年目昇給の当初案では看護師や薬剤師など有資格者のみ昇給させる案だったため、組合は「すべての職員の賃上げがなければ受け入れられない」と、全員の賃上げを求める姿勢を貫き、粘り強い交渉で賃上げの原資を使って全職員を13年目に昇給させる回答をさせることができました。

 このたたかいは「賃上げを勝ちとった」だけでなく、職員間の不均衡を拡大する賃上げ案を許さず、有資格者が自らの配分を下げてでも「全員の賃上げを勝ちとろう」という強い団結によって生まれた成果です。

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▲静岡市労連静岡病院支部の交渉


全国一律最賃1000円以上を 労働法制改悪許さない

14国民春闘勝利 4・10中央行動
201405-09-01

▲厚生労働省・人事院前行動

 全労連・国民春闘共闘は4・10中央行動を展開し、全国から約700人が結集し、110人を超える自治労連の仲間が参加しました。

 厚生労働省・人事院前行動には、元日弁連会長の宇都宮健児弁護士が登壇し「全国一律最賃1000円以上、公契約条例制定へともにたたかおう」「平和憲法、9条を守るため安倍首相の暴走をストップさせよう」と呼びかけました。

 国会請願デモ終了後、議員要請に向けた意思統一集会が行われました。会場には4万8500人分の「憲法をいかし安定した雇用を求める国会請願署名」が積み上げられ、「労働法制は今国会後半の最重要課題だ。廃案に追い込むために力をつくそう」と意思統一しました。

声を上げ要求を勝ちとろう
福岡公務・公共一般労組エコロの森分会 川口謙太郎分会長

 清掃工場で働く特定派遣労働者です。がんばっても派遣期間が終わってしまえばそこから先はないという雰囲気が職場にあります。学習会で労働者の権利を学び、組合を通して声を上げ、要求を勝ち取っていこうと伝えたい。若い人たちが夢をなくすような労働者派遣法改悪には絶対反対です。

201405-09-02


憲法キャラバンと政策提言運動を進めよう

主張 自治労連の「特別な任務」の実践を

 自治労連は、昨年の第35回大会で、参院選の結果を踏まえ、2015年いっせい地方選挙、次期国政選挙までの3年間を見通しつつ、「日本の社会の進路と社会のあり方をめぐる様々な課題で、国民・労働者の共同をさらに広げ、悪政の進行をくい止めるとともに、憲法をいかし守ることをすべてのたたかいの中心軸にすえる」とし、「地域から憲法をいかし住民生活を守る」ことを自治労連の「特別な任務」と位置づけました。

 そしてその具体化として、「この3年間で憲法キャラバンを、文字通り全自治体を対象に実施する」「地域に出て、『憲法が生きる、こんな地域と日本をつくりたい』―自治労連の提言運動を、中央・地方で進める」という、2つの柱を確認しました。

 この「特別な任務」を今日の情勢を踏まえ改めて確認するとともに、その具体化である「2つの柱」を自治労連の全国闘争として推進することを目的に、4月19~20日に「仕事・職場から憲法を地域にいかす全国交流集会」を開催、全国から350人余りが参加し、情勢を学び、とりくみの意思統一を行いました。

 社会保障充実のためとの大キャンペーンのなか、4月から消費税増税が強行されましたが、70歳以上の医療費の自己負担増や年金削減が行われ、今後も医療・介護総合推進法案によりサービス低下が狙われるなど国民生活を脅かす事態が進行しています。

 また、連休明けには歴代政府がこれまでできないとしてきた集団的自衛権の「限定行使」を容認する閣議決定を行おうとしています。同時に、明文改憲に向け国民投票法「改正」案が与野党7党で共同提案されるなど改憲に向けた動きが露骨に進められています。

 さらには、TPP合意に向けた日豪EPAの大筋合意、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるエネルギー基本計画の閣議決定など各分野で安倍政権の暴走がいっそう強まっています。

 一方で、解釈改憲に対する地方議会や保守層からの批判に現れているように、安倍政権の暴走が加速すればするほど労働者・国民の各分野での「一点共闘」も広がっています。

 今こそ、「暴走をくいとめる」大きな共同の発展が求められています。そのためにも自治労連の「特別な任務」の実践に向け、憲法キャラバンと「こんな地域と日本をつくりたい」の提言運動を全国で進めようではありませんか。


地域のイベントへ進化・発展
給食でつながる・広がる・共同の輪

第11回ひろしま給食まつり 4月20日 3000人が堪能
201405-11-01

▲商店街のみなさんと記念撮影

 子どもたちのために安全でおいしい給食を心を込めて作っていることを少しでも市民のみなさんに知ってもらおうと始まったのが「ひろしま給食まつり」です。

 4月20日に広島市中区タカノ橋商店街で、第11回「ひろしま給食まつり」が開催され、3000人の市民でにぎわいました。ポンポコ座による和太鼓の演奏とともに始まり、毎年大好評の試食では、学校給食から広島カレーライスと小松菜のソテー、保育園給食からはおやつの蒸しパン、用意した500枚の試食券があっという間になくなり、揚げパンの販売でも用意した400個もすぐに完売しました。

 給食の遊びコーナーでは、野菜当てクイズ、大豆つかみ、ごますり体験、給食の回転釜体験など、子どもたちがワクワクする遊びに長蛇の列ができていました。また、学校業務員による木工体験教室はたくさんの親子が木工体験を楽しみ、歓声が上がっていました。食肉支部の風船、環境支部のヨーヨー釣り、ゴミ出しカレンダー、青年部の綿菓子にもたくさんの市民が集まり、賑わっていました。

 給食まつりは、給食だけではなく、市民の生活に直結する現業職の大切さを市民にアピールできる場になっています。また、タカノ橋商店街という地域と共同、協力のとりくみです。今後も、地域に根ざした「ひろしま給食まつり」を進化、発展させ、継続していきたいと思います。

201405-11-02

▲給食の回転釜体験


非正規の雇い止め許すな 雇用安定と均等待遇実現めざす

福岡で非正規公共協結成
201405-12-01

▲非正規運動を旺盛にすすめることを確認

 福岡自治労連は、4月6日に組織集会に先立って、約30人の単組代表者が集まり、全国の仲間と築いてきた25年の自治労連運動に対する共感と期待は大きく広がるなかで「非正規公共協議会」の結成総会を開催しました。

 結成総会では、福岡自治労連の懸谷一書記長が「この『絶好のチャンス』を具体的な成果に結びつけるためにも、自治労連運動に確信を持ち、職場や地域で思い切って自治労連・非正規公共の仲間を増やす風を吹かし、組織を拡大していくことが必要」と呼びかけました。

 福岡県内の自治体関係職場でも非正規労働者の「雇い止め」に関する相談事例が多く、最近の事例でも病院の非正規職員で病院労組の執行委員が不当な査定によって解雇されるなど、解雇撤回を求める新たな争議が生まれています。

 また、北九州の障害者スポーツ協会の事務局の非正規職員が、期間満了を理由に3年7カ月の雇用期間にも関わらず、3月31日付けで雇い止め通告されました。この事例では、福岡自治労連公務公共一般とともに団体交渉で反撃し、雇用継続を勝ちとりました。

 福岡自治労連は、非正規職員の組織化と要求実現の運動をすすめるため「非正規公共協議会」の結成を契機に非正規運動を旺盛にすすめていく意思統一をしました。


国は社会福祉に責任を持て

シンポジウム 地方分権と社会保障改革 自治体の課題
201405-13-01

▲パネリストとともに福祉について考えました

 地方自治問題研究機構・自治労連主催の「地方分権と社会保障改革 自治体の課題」のシンポジウムが東京・林野会館で4月20日に行われました。3人のパネリストから「地方分権改革20年とナショナル・ミニマム」「保育所設備運営基準の条例化と保育所設置主体・保育主体の多様化」「高齢者福祉法制の大転換と公的介護保障の課題」でそれぞれ報告されました。社会保障の各分野で国の責任後退、市場化、基準切り下げ、行政の専門性の低下など問題点が指摘されました。

 各分野の現場から3人が特別報告を行いました。自治労連保育部会・高橋光幸事務局長は子ども・子育て支援新制度施行と公立保育所の現状について報告し「地域での共同を広げ、自治体の事業計画に対する運動を進めることが必要である」、岩手県介護関係職員労働組合・佐藤伸議長は介護現場の現状について「介護保険改悪で介護施設などサービス利用の地域間格差が広がり、介護職員の処遇がさらに劣悪になる」「公的介護拡充と公費で職員の処遇を改善する必要がある」、自治労連医療部会・池尾正議長が全国で公立病院の統廃合、運営形態見直し、民間譲渡が進む現状を報告し、「医療介護総合確保推進法案は患者を病院から追い出し、介護保険サービスを取り上げるもので許してはならない」と指摘しました。


下がる年金、上がる税金 これでは老後、暮らせない

社会保障 プログラム法を 斬る シリーズ(4)最終回
201405-14-01

▲出典:日本年金者組合「やめさせよう年金切り下げ」チラシ

 4月1日から消費税率が8%になりました。そのうえに4月から年金支給額が0.7%削減され、国民年金(満額)で月額475円減。厚生年金(夫婦2人の標準世帯)で月額1666円減。さらに社会保険料などの引き上げは、くらしをさらに圧迫しています。昨年10月からの年金給付水準引き下げに対する不服審査請求が12万6000件になるなど、国民に「くらしと権利を守れ」の運動が広がっています。

 年金は、「特例水準の解消、本来水準にもどす」ということを口実に、2013年10月から段階的に年金の給付額が2.5%(総額で1.3兆円、基礎年金の満額支給=月額約6.5万円の場合年間約2万円、厚生年金の標準世帯=夫婦で同額23万円の場合、年間約7万円)も引き下げられるのに続いて、①(物価が下がらなくても)「マクロ経済スライド」を発動して毎年年金額を減額していく、②年金支給開始年齢のさらなる引き上げ(65歳を68~70歳)の検討作業を速やかに開始する、③年金に対する課税を強化することなどが企てられています。

 現在でも不十分な年金の支給水準(2011年度で国民年金が平均月5.5万円、厚生年金が平均月16.1万円に過ぎず、単身世帯で年額100万円に満たないのは男性で35.6%、女性で44.6%も存在する)をこれ以上引き下げることは許されません。昨年5月、国連は日本の無年金、低年金に懸念を表明し、最低保障年金を確立するよう勧告しました。ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどでは、税金による年金の最低保障があり、高齢者が貧困に苦しむことはありません。

 憲法で保障された「(老後の)健康で文化的な最低限度の生活」をおくることができるように「最低保障年金制度」(すべての高齢者に税金による月額8万円の年金)と収入に応じた保険料による制度の創設は急務です。


ようこそフレッシュな仲間たち

 この春、自治労連に加入した新しい仲間が各地で増えています。「住民の役に立ちたい」と語る笑顔に元気をもらいました。

各地ですすむ歓迎行事

 4月に入り、新規採用職員への組合説明会や歓迎会などがとりくまれています。

 みなさん、一緒に元気に働きましょう。

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▲約140人の新入職員が参加した歓迎会。先輩組合員のリードで盛り上がりました

ようこそ静岡市へ!組合でもいっしょに
静岡・静岡市労連

 静岡市労連は研修最終日の4月10日に組合説明会を行うとともに新入職員歓迎会を開催し、約140人の新入職員が参加しました。この歓迎会は若い組合員が運営のほとんどを担いました。

 松井友昭副委員長は「静岡市では若年層の賃金削減提案があり、組合の力で押し返している。削減提案撤回のためにも、みなさんに加入してほしい」と訴え、「おきプロNEXT」についても紹介。「沖縄でいっしょに学習し、楽しもう」とアピールしました。

採用2年目の青年組合員と青年部が企画・運営
東京・江東区職労

 江東区職労は、4月10日に「新人歓迎パーティー」を行いました。この会は、2年目の青年組合員と青年部が中心となり企画・運営を行いました。

 当日は新人職員39人の参加があり、組合役員の自己紹介ゲームなどで交流しました。参加した新人からは「最初は緊張したけど、先輩職員と交流ができて楽しかった」など感想がありました。

 今後は、組合未加入者への働きかけや新歓オリエンテーションの成功に向けてとりくみます。

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▲イタリア料理店での「新入職員歓迎パーティー」に新入女性職員が集まり、にぎやかに

組合に入って、青年部に参加してつながろう
愛媛・西条市職労

 組合説明会を4月8日に開催し、新採14人と先輩14人が参加。久米将文委員長が「組合は労働条件改善のため声をあげて要求し交渉しています。まず青年部活動に参加して、先輩たちとつながりをつくってください。それが必ず仕事に役立ちます」とあいさつ。自治労連共済の説明に続き、前回「おきプロ」に参加した職員2人が、「全国の仲間と楽しくすごした3日間。『おきプロNEXT』にぜひ参加を!」と訴えました。

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▲先輩たちは09年にとりくんだ「おきプロ」の体験と感動を写真で紹介しました

地域住民とともに
京都・与謝野町職

 住民の安全を守る消防団の事務取りまとめの仕事に就いた中村達郎さんは「まずは顔を覚えていただくことです」とがんばっています。三野真穂さんと橋本遥さんは福祉課と保健課に配属。与謝野町は高齢者が多いため、「この地域で元気に長生きしてほしい。そのためのお手伝いができたら」と抱負を語りました。

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▲中村達郎さん(左)、橋本遥さん(中央)、三野真穂さん(右)

笑顔を忘れず信頼される職員に 秋田・横手市職労

 横手市山内地域局市民福祉課に配属になり、この4月で2年目です。いつも支えてくださる先輩方には本当に感謝しています。笑顔を忘れず、市民から信頼される職員になりたいと思います。また、6月には「おきプロNEXT」に参加させていただくので、たくさん学びながら交流を深めていきたいと思います。

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▲小原 麻美さん

住民の快適なくらし守る重要な仕事 千葉・八千代市職労

 八千代市清掃センターに配属され3週間。まだまだわからないことだらけでご迷惑をおかけすることばかりです。積極的に質問をさせていただいて、早くみなさんのお役に立てるように、そして住民がより安全で快適にくらしていくための重要な責任感のある仕事だということを胸に刻み、日々邁進します。

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▲高橋 章雄さん


今月の連載・シリーズ

いいとこよりみち発見伝
第2景
群馬県四万(しま)温泉
四季折々の雄大な自然と摩耶の滝遊歩道

レトロな気分で温泉を楽しめる

 
まちコレ
Collection2
山口県宇部市
天然麦わら包みのかまぼこはいつも新鮮

宇部蒲鉾「新川(しんせん)」

うレシピ
第33品
和歌山・橋本市職労 保育給食部会
かえるパン

童心にかえるよ

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