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〔3〕なぎなたは生活の一部です 感謝と勝ちへの執念が私を動かす

かがやきDAYS2014年6月号 Vol.487

なぎなたは生活の一部です
感謝と勝ちへの執念が私を動かす

千葉・君津市職 道端 琴美(みちばた ことみ)さん
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▲中段に構える道端さん

入職3年目の道端琴美さんが小学1年生から続けているのは、「なぎなた(薙刀)」です。江戸時代に武家の女性の武術として確立し、現在では中学の体育にも取り入れられています。

なぎなた競技は、樫の柄と竹の刃の部分からなる2メートル程の競技用なぎなたで行われます。剣道に似ていますが、違いは、間合いの遠さと、脛(すね)があることです。

道端さんとなぎなたの出会いは、母親に連れていかれた地元・君津の教室でした。子ども同士のチャンバラが楽しかったといいます。この教室でめきめきと頭角をあらわし、小学時代は全国で上位、中学では全国ベスト16、高校では関東大会個人戦優勝などの輝かしい成績を収めてきました。中学からジュニア大会の県内強化選手として選ばれ、専門学校、市役所入職後も県の代表として国体など全国の大会に出場しています。

この強さは、たゆまぬ努力に支えられています。練習はなんと週5日。平日3日と土日も練習です。「小学校の時からお世話になっている先生や、支えてくれるみんなに恩返しがしたい」という感謝の気持ちと、「一対一の勝負が好き。負けると悔しいから練習をサボれない」という勝ちへの執念でがんばります。

「練習が好きなわけではないけれど、練習に行っちゃう」という道端さん。高校のテスト前部活停止期間でも、公務員試験が間近に迫った時でも練習していました。もはや、なぎなたは生活の一部のようです。

なぎなたの魅力は、「奥が深い」こと。一つ改善してもまた別の課題が見えてきます。「なぎなたの線がしなやかに描けるように、余分な力を抜いて、体になぎなたを預けるようにしないといけない」と今は肩の力を抜くことにとりくみます。めざすは、気力となぎなたと身体の3つが一致する「気剣体一致」。「礼儀作法、相手への思いやりなどの人間的成長と…やっぱり練習しかありません」

驚くべきは、道端さんはなぎなた練習をこなしながら、マラソン大会に出場し、お菓子を作り、ベースギターの練習をしていることです。「予定がない日でも、ぼーっとしていないで動いちゃうんです」。22歳の疾走は止まりません。

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▲自然体の笑顔で取材に応じる道端さん
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▲試合競技