第4景 四季を通じて花咲く島
2014年7月号 Vol.488
住民とともにエネルギー自給率100%をめざす
四季を通じて花咲く島
兵庫・淡路島
▲「あわじ花さじき」では四季を通じてさまざまな花たちがその生命を競い合います
福島の原発事故から3年4カ月。未だ収束しない放射能漏れ、救済されない被害者。もう原発はこりごりです。一日も早く、原発に頼らない生活ができないでしょうか。そこで、大阪自治体問題研究所の企画で、春爛漫の淡路島へ自然エネルギーを訪ねるツアーに参加しました。
淡路島は「御食国(みけつくに)」とも呼ばれ、豊かな自然、海の幸・山の幸に恵まれた食の宝庫です。そんな淡路島の自治体は今、住民とともに自然再生可能エネルギー100%をめざしてさまざまなとりくみに挑戦しています。
淡路島に向かって、バスは世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」を渡ります。淡路I・Cを出て、12分ほどで着いたのは「あわじ花さじき」。
青い空、光る海を背景に、菜の花が一面に咲き誇り、やさしく心を包みます。あちらを見ればムラサキハナナ、こちらを見ればリナリアが、カラフルで「春のじゅうたん」のようです。甲子園球場の約4倍という広大な花畑は四季折々の花が楽しめます。咲き誇る花々に心を残しながら次に向かったのは「ウェルネスパーク五色」。ここで、洲本市職員の高橋壱さんに、これまでのとりくみを紹介してもらいました。
淡路島は県の「再生可能エネルギー特区構想」を受けて、「エネルギー自給率100%、食料自給率100%、持続人口の維持」をめざし、住民・NPO・地元企業と自治体が一体となって自然再生可能エネルギーの実用化を模索してきました。
これまで風力発電、太陽光発電、廃食油を活用した低価格・高品質のバイオディーゼル燃料の製造などを実現。今後、潮流発電や洋上風力発電などにチャレンジしていくと胸を張ります。
ツアーの最後に、淡路市役所にあるメガソーラーを訪ねました。2010年11月に「あわじ環境未来島構想」の先導モデルとして設置され、市役所と防災センター、浄化センターの約半年分の電力をまかなっています。
原発に頼らず、自治体と住民が一体となってすすめる再生可能エネルギーの利活用が地域の雇用と経済の活性化につながっていることがわかり、有意義なツアーでした。
定年後は淡路島に永住するのもいいなぁ。
よりみちメモ
【あわじ花さじき】
(兵庫県園芸・公園協会)
兵庫県淡路市楠本2865-4 問い合わせ/0799-74-6426
交通/神戸淡路鳴門自動車道「淡路IC」から7キロ
【ウェルネスパーク五色】
兵庫県洲本市五色町都志1087 問い合わせ/0799-33-1600
交通/三ノ宮駅・梅田駅から高速バス、神戸淡路鳴門自動車道「北淡IC」から30分
ログハウスやキャンプ場もあり温泉やスポーツなども楽しめます。
▲「ウェルネスパーク五色」の「菜の花ホール」では、司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』の主人公・高田屋嘉兵衛と北前船の展示がされていました