地域医療に誇りを持って
高知公務公共一般労働組合四万十(しまんと)町医療分会
年間1カ月の「雇用中断期間」の廃止
組合の成果、臨時職員約100人に適用
高知公務公共一般労働組合四万十町医療分会は、昨年12月に四万十町(2006年に窪川町・大正町・十和村3町村が合併)の、町立大正診療所・十和診療所で結成された労働組合です。結成からの要求運動で、町全体の臨時職員の「雇用中断期間」を廃止する、大きな成果を生みだしました。
▲四万十町大正診療所理学療法室でリハビリする患者さんと
要求を共有して仲間を広げたい
働く条件の改善求めて結成
四万十町職労から高知自治労連医療部常任幹事に出ている役員の呼びかけで、組合結成にむけた懇談が始まりました。
診療所には看護師・理学療法士・介護補助・医療事務など多くの臨時職員と個人委託職員がいます。診療所は19床で大正地域では入院できるかけがえのない施設で、大正町の時から10年勤務している職員も多くいます。
看護師は、正規職員5人と臨時職員1人が同じフルタイムの交替勤務にあたっていますが、町の臨時職員の「年間1カ月の雇用中断」が診療所にも適用され、診療所ではその間の15日間は、パート勤務(日給・社会保険なし)で別建て雇用にして体制を埋めていました。「雇用中断」中の勤務体制のやりくりは大変で、また職員は収入が断たれる状況でした。
「雇用中断をなくしたい、賃金を改善したい、という思いが組合結成の最大の動機です」と臨時看護師。懇談のなかでこうした要求が語られ隣の十和診療所の職員にも声をかけ、診療所関係14人で分会を結成しました。
▲四万十町医療分会と高知自治労連のみなさん
「雇用中断期間の廃止」を回答させた町長交渉
結成した四万十町医療分会は、町職労と別の公共一般労組として独自の要求提出・交渉をすすめました。町長に診療所へ来てもらい3回の交渉にとりくみました。交渉は最初に「雇用中断期間は町全体の業務に支障をきたす」ことを労使で確認して始まりました。それには診療所の正規職員の声も反映したとのことです。
3月の最終交渉には、町長・副町長・総務課長など6人が揃い「雇用中断期間廃止を診療所一部にせず全職員に適用」「委託は廃止し全員直雇用に転換する」「現行の労働条件水準を引き下げない」「準備を重ね2013年4月実施」の回答を引き出しました。
林佳奈分会委員長は「労働組合ができて間もないなかで、町長と交渉など渦に流されている感じですが、みんなの意思をまとめて進んでいきたい」と語ります。
▲医療分会委員長
林 佳奈さん
「町全体としてとりくみたい」町職労委員長
今後は移行条件の整備に入りますが、雇用中断期間をなくす予算措置、委託から臨時職員への転換の条件整備、本庁などで適用されている最長5年雇い止めの整理など多くの課題があります。
「基本賃金は当面維持する」との協定書を結び、改善に向けた運動は続きます。「夏季休暇を1日から3日へ増日」「忌引き休暇最高5日」「産休の保障」、通勤手当も4月から支給が始まっています。今後は一時金獲得が大きな要求です。
四万十町職労の林久志委員長は「一部の職場の問題とせずに、町全体のものとして臨時職員の問題にあたっていきたい」と約100人の臨時職員の仲間づくりの抱負を語ります。
▲四万十町職労委員長
林 久志さん
四国ブロックによる総務省要請が力に
雇用中断廃止の実現にあたり、町当局は「継続雇用でないことを示すために中断は必要」との立場に固執していました。
自治労連四国ブロックは3月に総務省要請を行い「再度任用を行うことで継続雇用は可能」であることを確認しました。
これらを活用しながら要求を実現した四万十町医療分会のとりくみに、職場からの期待を強く感じました。
主張
私たちの運動で最低賃金を1000円以上に
経済危機だからこそ、最賃引き上げで景気回復
国連やILOさらには世界各国が、貧困の解消と格差の是正にはたす最低賃金制度の役割にあらためて光をあてています。最賃制度はすべての労働者に適用され、日本の低賃金のしくみと賃金格差を是正するために大きな役割をはたす制度です。
「新システム」関連法案廃案めざし
5・13保育フェスティバルin東京
“元気いっぱい”親子、保育士6000人
「いりません!保育を産業化する子ども・子育て新システム5・13みんなの保育フェスティバル」が、東京・明治公園に全国から6000人が結集して開催されました。
ステージ企画や公園内テント、フィールド企画で、自治労連の仲間も「参上!新システム反対・待機児解消忍者」(広島)、アイドルグループAKB48に扮しての替え歌パフォーマンス(東京)などを披露しました。
2012年夏季闘争スタート
5・25中央行動
消費税増税NO、生活できる賃金の実現を
全労連、国民春闘共闘は5月25日に、東京・霞が関で中央行動をとりくみ全国から1500人が参加。集会、デモ、省庁要請などで国会、政府に要求実現を迫りました。
被災者に寄り添った復興を
―被災地単組と交流、陸前高田市へ支援行動―
自治労連は5月14日盛岡市で岩手自治労連の被災地単組との交流会を開催し、参加した8単組から被災状況や復興への決意が語られました。
核兵器のない世界、原発ゼロを
2012年国民平和大行進
東京→広島コースがスタート
5月6日、東京・夢の島
▲平和行進をする東京自治労連・江東区職労のみなさん
江東区夢の島の第五福竜丸展示館前で出発集会を開催し、被爆者、宗教者、青年、通し行進者3人などの決意表明をうけて出発しました。東日本大震災で被災した宮古民商から届けられた大漁旗18本を先頭に1000人が元気に行進。行進では若者たちが「核兵器なくそう青年実行委員会 Ring Link Zero!」の作成したうちわを沿道の人々に配布し、それを受け取っての激励や家々から手を振っての応援など、核兵器廃絶・原発ゼロへ共感が高まる平和大行進となりました。
消費税大増税を斬る シリーズ(3)
消費税に頼らなくても財源はある
政府は、消費税増税の最大の理由として「社会保障の財源確保と財政危機」と宣伝していますが、ここにはウソがあります。消費税に頼らなくても財源を確保することができます。
佐賀・憲法キャラバン
佐賀自治労連
「地域主権」改革、玄海原発再稼働
情勢の変化、肌で感じる懇談
佐賀自治労連は、佐賀県労連との共同で2012憲法キャラバンを実施しました。4年目となる今年は、佐賀県と10市10町すべての自治体との対話を掲げ、5コース・5日間をかけて訪問しました。今年のキャラバンは、全体を通して、確実に情勢の変化を肌で感じられる懇談となりました。
橋下・「維新の会」とたたかう
大阪府職労
2条例に対峙し「対話と提言」で共同推進
大阪府関係職員労働組合(大阪府職労)は、橋下・大阪市長率いる大阪維新の会が2月府議会で強行した職員基本条例・教育基本条例を許さないたたかいに、「全国に元気を発信したい」との思いで奮闘してきました。
12年ぶり環境業務員を採用
福岡・北九州市職労
市民に喜ばれる環境行政の充実へ
今年、北九州市で12年ぶりに環境業務員6人の新規採用がありました。昨年1年間かけて「現業職場に必ず採用を勝ち取ろう」と毎月の環境局要請や交渉など粘り強い運動による前進です。
新連載 自然・再生エネルギーの街めざして(3)
自治労連埼玉県本部
再生可能エネルギー先進地 岩手 葛巻(くずまき)町を調査
埼玉での環境政策を考える機運に
「稼働ゼロ」から「原発ゼロ」への世論が大きくなっています。
連載第3回目は、自然・再生可能エネルギーの先進地である岩手県葛巻町を調査した自治労連埼玉県本部のレポートです。岩手県北部の山間に位置する、林業と牧畜業が盛んな葛巻町のとりくみを紹介します。
仲間ふやしがんばってます
説明会、歓迎会を始め、全国ではさまざまな工夫で「仲間ふやし」がとりくまれています。
みんなの力で3年ぶりに新規採用全員加入が実現
秋田・横手市職労
7年前の市町村合併以降、横手市には2つの組合があり、両方を合わせると組織率はほぼ100%。それだけに新規採用者獲得は組織拡大の上では最重要課題のひとつとしてとりくんできました。
ともにたたかう仲間 新規加入組合
自治労連第45回中央委員会(5月11日〜12日・岩手県盛岡市)で承認された仲間です。
今月の連載・シリーズ
第140湯
(142)
第123館
第12品
広島市職労 山脇 慶子さん
本日の労をネギらってあげましょう