高知の元気を全国発信 「自治体にはたらく女性の全国交流集会」
「憲法変えたらいかんちや!女性がいきいき働ける職場をつくろう」
6月27(土)~28日(日)、「第35回自治体にはたらく女性の全国交流集会」が高知市内で開かれ、自治労連以外からの参加者も含め、のべ約650人が楽しく学び交流しました。地元高知では、男性の多大なバックアップも得て、のべ300人以上を参加組織。若い組合員も大活躍し、開催地にも財産を残す集会となりました。
集会は、高知センター合唱団の歌唱指導で「四万十川」をみんなで歌って開会。水谷文実行委員長、自治労連本部田川英信副委員長、現地から高知自治労連筒井委員長が挨拶しました。
土田敦子自治労連本部女性部書記長による基調報告では、この集会が自治労連結成以前から開催され、今は産別を越えて全国の自治体・公務公共職場にはたらく女性が集う場となっているという歴史が話されました。そして、「職場で地域で、憲法を守りいかす共同をひろげましょう」「仕事と生活を両立して人間らしく働ける職場をつくりましょう」「社会と職場の男女平等をすすめましょう」「要求を語り合い、労働組合の強化拡大をすすめましょう」という運動提起がされました。
続いて、四本の運動報告。NPT再検討会議NY行動への参加報告では、パワーポイントの写真も交えて自治労連女性部の代表派遣のとりくみが語られました。また、今治市職からは、保育園でさまざまな雇用形態の非正規労働者が過半数になっている実態と、7.4通知も活用して労働条件改善にとりくんでいることが報告されました。地元からは、①県下全自治体へのキャラバンを行い、新制度の導入以降も保育水準を低下させないよう懇談をすすめてきた保育部会のとりくみ、②本山町で住民アンケートを行い、地域の生活実態をつかんだとりくみの二本が報告されました。
文化行事は、透き通るようなコーラスから一転して「嵐」のナンバーが流れると、手拍子が沸き起こり、たちまちコンサート会場のノリに。キレのいいダンス、南京たますだれ、太鼓と多彩な高知センター合唱団のステージに、「この人たちって何者?」と一同釘づけ状態となりました。
「私たちは、戦争をしない方法を選び取ることができます」
記念講演はエッセイスト・翻訳者の池田香代子さん。自らも国会前の行動などに参加されている池田さんは、おりからの自民党若手議員や作家の百田氏のマスコミ弾圧発言に、「日本は既に全体主義に踏み出している」と、危機感を表明しました。沖縄慰霊祭の報道でも、列席者からの「安倍帰れ」コールや翁長知事への拍手は報道しない、BBCは報じている。今のNHKのニュースは客観報道ではなくプロパガンダだと、物静かな語り口の中にも強く批判しました。
また、「押し付け憲法」という批判があるが、GHQの案文は高知の民権運動家である植木枝盛のつくった草案が源流になっていること、安倍首相の「積極的平和主義」「後方支援」などの言葉のごまかしもわかりやすく説明されました。自分たちが10年前に作った「戦争のつくりかた」というパンフレットを見ると、NSCなど現実になっていることが多く恐ろしいが、札幌で19歳のフリーターが呼びかけたデモに700人が参加し、「憲法壊すな」は若者の一番カッコいいセリフになっているなど、戦争法制を許さない動きは大きく広がっている、と参加者を励まし、最後に、「私たちは未来をつくることができます。戦争をしない方法を選び取ることができます」と、本から朗読しました。
全体会の最後に、来年の開催地である近畿からの参加者が壇上に並び、「来年は、京都に来てね!」とアピールしました。(2016年9月3~4日)
講座・分科会で、仕事を、働き方を、学び語り合う
二日目は、梅雨のさなかにもかかわらず青空に恵まれ、2講座5分科会2見学分科会に分かれ学びました。「隠されたビキニ事件と福島原発被災のこれから」では、高知のマグロ漁船98隻も死の灰を浴びたが、それは意図的に隠ぺいされたこと、その教訓を福島の被ばく問題に活かしていくことが大事だと講師から語られました。「進めよう!非正規の処遇改善」の分科会では、参加者から、「運動で一時金が少しだけ上がったが、一番欲しいのは経験加算。でも、非正規労働者自身がなかなか確信をもって要求できない」との発言に、講師の川西さんから「公務サービスの重要性を考えることから、自分の仕事への誇り、処遇改善への確信が生まれる。」とアドバイスがありました。
「女性も男性も輝ける社会・職場へ」の分科会では、講師の谷脇弁護士が、JALマタハラ裁判や夫婦別姓訴訟など女性をめぐる裁判から、今女性がおかれている状況を話されました。その後参加者が女性部のとりくみや職場の状況・悩みについて発言。「育休をもっととりたかったが、復職後の厳しさを考えると1年にせざるをえなかった」「市長が育ボスを気取り、ワークライフバランスを強調しているが、人員が少ないもとでは、結局早朝や昼休みに仕事をすることになってしまう」など悩みを出しつつ、運動が必要であることを再確認しました。
集会では、「私たちは、住民のいのちと暮らしを守る自治体・公務公共労働者として、戦争法制の成立を許さず、運動を広げます。」のアピールを採択。集会後、安倍首相と各政党に送りました。
第35回「自治体にはたらく女性の全国交流集会」アピール
私たちは、住民のいのちと暮らしを守る自治体・公務公共労働者として、
戦争法制の成立を許さず、運動を広げます。
安倍政権は日本を海外で戦争できる国にするため、集団的自衛権の法制化、海外派兵恒久法の制定などを主な内容とする「戦争法制(安保法制)関連法案」を国会に上程し、成立させるための大幅会期延長まで決定しました。しかし、これまでの国会審議の中でも法案の道理の無さが日に日に明らかにされ、既に政府の論理は破たんしています。安倍首相は、国民の声に耳を傾け、戦争法案をただちに廃案にすべきです。
集団的自衛権行使など、これまでの憲法解釈を変える根拠を問い詰められた政府は、「国際情勢が変化した」「国民の命を守るため、考え方を変えることが必要」と言っていますが、「他国が攻撃されたことで、国の存立が脅かされた事態」がこれまであったのか、今どのように想定されるのか、という質問に対し、答えることができませんでした。また、武器・燃料の補給などの他国軍「後方支援」は安全なところで行うという説明に関しても、兵たん活動は軍事行動の一環であり真っ先に攻撃の対象となる、と政府のごまかしがはっきりしました。
歴代の内閣法制局長官、圧倒的多数の憲法学者がこの法案は憲法違反であると発言しています。全国各地で、多くの国民が、法案反対の声を上げ続けています。それにもかかわらず安倍首相は「政治家の責任」を振りかざし、しゃにむに突き進んでいます。時々の政府の考えで憲法解釈を変えて良いなら、憲法の存在は無意味になります。首相の発言は自らを憲法の上に置き、立憲主義と首相の憲法尊重擁護義務に真っ向から挑戦するものです。
「戦争法制」が発動される事態になれば、空港・港湾の使用、人員及び物資の輸送、給水、医療機関への受け入れ、地方公共団体の有する物品の貸与など、あらゆる場面で自治体が戦争に協力させられることになります。
戦争法案「反対」・「慎重審議」を求める意見書が、全国116自治体議会(6月22日現在)で採択され、ここ高知で行われた憲法審査会地方公聴会でも、高知自治労連委員長が、憲法キャラバンで各自治体首長と懇談した際、保革の立場を越え政府の強硬姿勢に懸念が広がっていることを陳述しました。
私たちは、住民の安全・安心なくらしを守るため、日夜業務に奮闘している自治体・公務公共関係労働者として、また、いのちを守り育てる女性として、戦争する国づくりを許しません!
「戦争反対」の思いをつなげ、それぞれにできることにとりくみ、戦争法案廃案のため、全国で草の根からの運動を広げます。
2015年6月27日 第35回自治体にはたらく女性の全国交流集会 参加者一同