自治体労働運動資料室
民主的自治体労働者論アーカイブ
第2次地方行革・自治体リストラ攻撃を阻止し、憲法と住民生活を擁護し、地方自治の発展をめざす闘争方針
=くらしと地方自治擁護の「全国運動」の展開=
自治労連は1995年2月、第12回臨時大会で「第2次地方行革・自治体リストラ攻撃を阻止し、憲法と住民生活を擁護し、地方自治の発展をめざす闘争方針」を決定しました。タイトルの長い方針ですが同年8月の定期大会で、「暮らしと地方自治擁護の全国運動」(全国運動)として、自治労連運動の軸に位置づけられました。
「全国運動」は結成間もない自治労連が、自治労連が持つ組織・運動の特性を生かし全国産別組織としての役割を発揮しようと提起したものです。
そのひとつは、ナショナルセンター全労連の中で果たす役割です。全労連は対等平等に全国産別とローカルセンターで構成された組織です。自治労連は本部が全国産別組織に、地方組織がローカルセンターに、単組が地域組織にそれぞれ軸になって役割を発揮しています。結成間もない全労連の草創期に、組織的にも運動的にもその役割をいっそう発揮させようというものです。
そしてもうひとつが自治労連は「住民奉仕」の職務を持つ自治体労働者で構成される組織だということでした。民主的自治体労働者論の実践で自治体労働者と住民の要求を実現することで、自治労連への信頼を職場と地域につくりあげていこうというものです。
自治労連はすでに91年、「看護師を増やす、米輸入自由化阻止・学校給食の充実、保育の充実」を三大運動として全国闘争を組織しています。2万人の自治体労働者で10万軒を調査した「乳幼児実態調査」は社会的反響を呼びました。民主的自治体労働者論の実践で「要求・政策で多数派を形成する」運動として画期をなすものでした。
「全国運動」はこうしたたたかいの実践を経ての提起でした。そして96年以後、「職場と仕事の点検アンケート」や「地域の商業、農業実態アンケート」、行財政白書運動、住民アンケートや懇談会、行政分野ごとのシンポジウム、清掃・学校給食まつりなど、さまざまな運動形態で「全国運動」は実施されたのでした。
「全国運動」は全労連のすべての労働者を視野に入れた「総対話と共同」の方針と重なり合い実践されました。そして全労連の地域組織、地方組織で自治労連は奮闘し、職場と地域で信頼を得つつ産別組織の役割を果たします。自治労連は産別運動の草創期の90年代、こうして全国産別組織としての存在意義を高め、全労連の組織と運動の発展に貢献したのでした。
(「民主的自治体労働者論」第1章より)