自治体労働運動資料室
民主的自治体労働者論アーカイブ
人勧体制打破・労働基本権回復をめざして(案)
自治労連運動の草創期、結成の原点を踏まえた運動を進めるための政策課題がありました。地方自治憲章制定と自治体労働者の権利宣言、そして労働基本権を回復するための提言づくりでした。
人勧体制は、財界・独占資本、連合が一体なった「管理春闘」と連動して自治体労働者や国家公務員労働者を含む3500万人の労働者・国民への賃金・権利抑圧体制ともいうべきものでした。また臨調・『行革』攻撃は自治体労働者の賃金「合理化」・権利侵害に拍車をかけるばかりでなく「住民全体の奉仕者」としての自治体労働者の生きがいや働きがいをおしつぶすものでした。
人勧体制打破、労働基本権回復の課題は、公務員労働組合のながきにわたる運動課題とされながらも、本格的なたたかいを組織化するにいたっていませんでした。
こうしたなか、自治労連は「自治体労働者の権利宣言」(案)の基本的立場に立って、自治体労働者が人として労働者として生き、働くために賃金・労働条件の改善と権利の確立のために全力を挙げることを方針に掲げました。
そして同時に、人勧体制打破・労働基本権回復のとりくみを職場・単組から具体的に組織し、全国闘争として発展させることを掲げました。
そのために自治労連労働基本権回復検討委員会を設置し、第13回定期大会(1995年)で「人勧体制打破・労働基本権回復をめざして(案)」を決定しました。
労働基本権回復の運動はいまだに公務員労働組合にとって大きな課題ですが、この「案」はこの問題をめぐる経過や問題点、基本方向が示されていて、労働基本権問題を考えるうえで、現在でも基本的資料として重要な意義を持っています。