自治体労働運動資料室

民主的自治体労働者論アーカイブ

自治体における公金の不正支出の根絶をめざして(提言)

 1990年代、「官官接待」・巨額の裏金づくり、カラ出張などの公金の不正使用などが大きな問題となり、連日のようにマスコミが大きくこの問題を取り上げました。
 こうした事態に国民・地域住民から激しい批判と怒りが湧き起こり、多くの市民団体が立ち上がり、その実態の解明を求めました。
 こうした不正な公金の支出は国政・地方政治をゆがめ、住民の信頼を著しく損なうものでした。
 こうした問題が起こった背景には大企業奉仕の大型プロジェクトによる公共事業への支出が優先されるなどの自治体の「開発会社」化の状況のなかで政官財の癒着が生まれたことがあります。同時に、自治体の職場の中に、慣習として行われていた公金の不適切な処理があったことも事実でした。
 自治労連は自治体の働く労働者の労働組合として、住民が真に主人公となる「民主的・清潔な自治体づくり」を追求する立場から、1996年8月に「『官官接待』問題シンポジウム」を開催し、問題点の解明を行いました。その後1997年1月の臨時大会で「住民本位の民主的・清潔な自治体づくりをめざして」(春闘付属方針)」を決定しました。そこでは、①実態の究明、②責任の所在の明確化、③再発防止、④職場合意に基づく具体的解決、の4点を重視し、問題点と解決の方向を打ち出しました。
 また、県職や政令市の代表者による会議で実態を交流する会議も行いました。
 さらに問題の究明を求める市民団体の中心であった全国市民オンブズマンに所属する弁護士に自治労連弁護団事務局会議に出席してもらい、率直で忌憚のない意見もいただきました。
 この政策提言「自治体における公金の不正支出の根絶をめざして」(『住民が主人公』の民主的・清潔・ガラス張りの自治体づくりを)はこうした取り組みを通して、1998年6月に自治労連中央執行委員会と自治労連全国弁護団がまとめたものです。
 この政策提言は、全国市民オンブズマンの総会でも配布され、自治労連代表者が発言をするなど大きな反響を呼びました。

カテゴリー:
政策提言など
タグ:
地方行財政
年代:
1990年代