自治体労働運動資料室
民主的自治体労働者論アーカイブ
自治労連第三次組織財政中期計画
自治労連は第25回定期大会(2003年8月)で「自治労連第三次組織財政中期計画」を決定し、自治労連の産別組織政策を確定しました。そして、自治労連の組織の性格・位置づけを「すべての自治体・公務公共関係労働者の要求実現と団結の母体」へと発展させ、未組織労働者の組織化を本格的に進めつつ、正規も非正規も団結して地方自治体で働くすべての公務公共関係労働者の要求と運動に責任を負うという歩みを始めました。
自治労連が行う未組織労働者を組織化する課題は、低賃金、無権利、時には人間としての誇りさえ奪われている非正規公務公共関係労働者の要求にこたえ、公務公共性を地方自治体に取り戻すたたかいでもありました。そしてそのことは正規と呼ばれる公務公共関係労働者の要求実現と強固な自治体労働運動戦線を構築することにもなりました。
1992年11月、第1回関連労働者交流集会(京都・仁和寺)には19都道府県160人の自治体関連労働者が集いました。当時、臨時・非常勤職員の雇い止めは当たり前で、泣き寝入りするしかなかったなかで、参加者は、雇用をつなぐ全国の事例を知り、当たり前ではない、当然権利もあるということを知ることになりました。そして翌1993年には52単組8,000人で関連労働組合協議会が結成されました。
自治労連の産別組織政策「第三次組織財政中期計画」の確立により運動は本格的に前進することになりました。臨時・非常勤職員、公務セクター職員などの数は今日、自治労連組織人員の2割に迫ろうとしています。要求闘争と組織拡大は飛躍的に前進しました。
2007年から2008年の賃金闘争で平均時間給34円の引き上げを実現しました。組織拡大もこの時期3か月間で1600人を超しました。指定管理者制度の移行に伴う雇止めを阻止した広島自治労連のたたかいなど貴重な到達点も生まれました。
2008年10月には、自治体の非正規労働者の劣悪な待遇は男女間賃金格差の反映であり、法制度の改正が必要不可欠であると、その実情を訴えるため、自治労連は17人の代表団をILO本部に送りました。自治体の「官製ワーキングプア」と言われる実態を、初めて非正規職員自らが伝える要請でした。カンパや物資販売で支援を受けた17人の代表が涙ながらに訴えたことは、2003年に決定した方針の生命力がたくましく成長し息づくものでした。