自治体労働組合運動のなかでたえず先進的な活動を行ってきた大阪衛都連の25年史です。
本書「発刊にあたって」では、「いま政府・自民党の政策的破たんのもとで地方財政は軒なみに、かつてない深刻な危機におちいっている。重要なことはこの地方財政危機を背景に自民党政府は、自治体労働者とその労働組合運動に、あらたなよそおいをこらした攻撃をくわえ、自治体労働者と住民を対立させ、ひいては革新自治体の転覆をめざす策動を強めていることである。このような階級間の攻防のあたらしい局面で自治体労働組合運動はこれまでの運動をふりかえり、この情勢の変化に対応する科学的で確実な前進方向をきりひらく必要にせまられている。自治体労働組合運動のなかで先進的地位をしめるわが衛都連は、その課題を正面にすえ、運動の発展を阻もうとする困難の本質を大胆にみきわめ、それにもとづいて困難を克服し、自治体労働者の民主的権利の擁護と民主的自治体の建設を統一的に前進させる方向をもとめてすでに努力を開始している」とし、衛都連運動を総括する衛都連史の完結を見たことの意義を語っています。
本書の特徴は、単に組合史を客観的に記述するのではなく、語りかけるような平易な記述で、経過と到達点、教訓、幹部の果たすべき役割の大切さを明確にしていることです。衛都連行動綱領がどのようにして生み出されたのかも詳しく記述されています。
衛都連の組合史であるということにとどまらず、民主的自治体労働者論とは何かを学ぶことのできる優れた組合史であるといえます。