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第157湯 白髪(しらが)山、三嶺(さんれい)を遠望して別府(べふ)渓谷へ

悠湯 旅情2014年1月号 Vol.482

至福の組み合わせ山と温泉、山の幸をそろえた夕食
高知県香美(かみ)市べふ峡温泉

白髪(しらが)山、三嶺(さんれい)を遠望して別府(べふ)渓谷へ

 物部(ものべ)町大栃から上韮(かみにろ)生川(うがわ)沿いに白髪山登山口まで車で走りました。ところどころ雪が残っており、たじろぎながらも、ぐんぐん先導してくれる大栃の女性の大型ワゴンになんとかついていきました。途中、向かいの山を指し、あれがアリラン峠だと初対面のこの女性が教えてくれました。物部西熊渓谷展望台からは薄雪の三嶺、西熊山、綱附森(つなつけもり)とその右奥に躄(いざり)峠、左奥に天狗塚が並ぶ山脈が眼前に広がりました。蝶ガ岳から穂高連峰をみるような大パノラマです。大栃まんじゅうと抹茶がうまい。

 白髪山登山口から、白髪山を仰ぎ見ることができます。青年の時、徳島の剣山(つるぎさん)から三嶺へ縦走したことがあります。すばらしい別世界だった笹原のあちこちが十円はげのように鹿に食べられているのが痛々しい。しかし鹿くんの罪では決してありません。

 来た道を白髪山の登山口から90分、べふ峡温泉に到着。物部川のせせらぎだけを聞きながら、最初やや熱いぐらいのほどよい温度とたっぷりとした湯の大浴場で疲れをとり、柱も椅子も食卓も素朴な木だけでできた食堂で山の幸いっぱいの夕食。鹿のたたき、マスの刺身、アメゴの塩焼き、しし鍋に握り寿司のネタまでミョウガや柚の皮という具合でした。自治労連のべふ峡温泉労組が結成されたことで、ひと味ちがった味わいがありました。

 泊まりは離れタイプの木造バンガロー。2人定員(6畳)が8室、5人定員(10畳)が12室あり、大きな窓の和室でゆったりと落ち着けます。大浴場とバンガローの間は屋外なので、冬は浴衣・丹前の上に厚い重ね着が必要です。

 翌朝、別府渓谷を散策。シーズンをとうに過ぎていて、紅葉を見ることはできませんでしたが、屏風岩などそそり立つ岩山や、いく筋もの滝は山水画の世界のようでした。

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▲物部西熊渓谷展望台から
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▲別府渓谷

 


温泉メモ

【べふ峡温泉】

所在地/
 
高知県香美市物部町別府452-8
問い合わせ/
0887-58-4181
交通/
高知市から車で90分
泉質/
 
含重曹弱食塩泉、食塩含有硫化水素泉
入浴料/
大人600円、小人300円
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▲手前は木製バンガロー 奥は本館